第三章 4 bys 2 Ⅰ
こんばんは。
間に合わなくてすいません。
今回もよろしくお願いします。
~第三章 4 bys 2 Ⅰ~
愛は今、旧デルガナ領土内のエグルガルム仮設基地にいる。
基地は仮設とは思えないほど大きくまるで移動要塞のようだった。私は怪我の治療を受け部屋に案内された。攻撃を受けた相手に治療されるのは何とも不思議な気持ちだった。様々な機械が医療室や多くの施設に満ちていた、流石は世界一と言う所か。私には監視役も特についていなく、刀も私の手元にある。流石にここまで自由だと少し不安なくらいにも思える。私はすることもないのでシャワーでも浴びてくつろいでいた、普段は着物しか着ないのだが代えがないので、仕方なく用意されていたものを着ることになった。白で統一された軍服は何だか、私達ハウンズのモノと対照的で違和感があった。(私はあまり着たことはないが)ベッドに横になりながら戦いのことを思い出していた、ステラスとの戦いは相手にもされず、キースには手も足も出なかった。この現実が自身の実力を思いしらされた。
その時、部屋の扉が開き二人の少女が入って来た。
施設内 作戦室
「とっ言うことだ、ステラス」
リオルはステラスに話の有りのままを告げた。ステラスも最初は頭を抱えていたが、リオルの考えが自分の為だと分かると何も言えなかった。
「この件はリオルに一任する。私はしばらく本国に戻るその間は頼んだ」
二人の会話はとても自然で二人が長い友人であることが滲みでているような様子だった。
「任せとけよ」
愛は二人の少女に連れられて様々な施設を案内された。二人は前回の戦いでステラスと共にいた少女達のようだった。どうらや私のことを嫌いらしく、愛想ない説明を繰り返していた。食堂を案内されていた時だ、一人の男に声をかけられた。
「やぁ、君がリオルの連れてきたお侍さんか。噂より若いなぁ」
私はこの男が嫌いなタイプのだと何故か一瞬で分かった。
「バース、何の用だよ」
「変態は寄って来るな」
どうやらこの二人は私と同じでこの男が嫌いならしいな。
「ミラちゃんもベガちゃんも失礼だなぁ、誤解されちゃうじゃないか。僕はバースさっ、君名前は何て言うの?」
私は答えるのが物凄く嫌だったがしかたなく名乗った。
「包刃」
「包刃ちゃんか、よろしくね」
この男は思った通りの奴だった、これが敵地でなければ斬り倒していただろう。バースはそう言うと、愛の手を取り口付けをしようとした。愛は反射的に刀を抜こうとしたが、刀を抜くことは出来なかった。
「駄目だよっ、僕じゃなかったら真っ二つさ」
バースは愛の後側から刀を抑え耳元で囁いた。周囲の目が自分逹に向けられている恥ずかしさより、こんなにも簡単に背後を取られたことに頭が一杯だった。
「それじゃ、またね」
バースはそう言うと去って行った。私はこの後も色々な場所を案内されたが、殆ど頭に残らなかった。(ほんと最近はへこむばかりだよ)
その日の夜、私の部屋にステラスが現れた。私を案内した二人の部下はどこか嬉しそうにステラスの横にいた。吊ってはいたが切り落とされたステラスの腕は、しっかりと元の位置にあった。
「包刃 愛でいいのかな?アステリオスから荷物が来ていた。一応、危険物がないか中身をスキャンさせてもらったよ、すまないね」
荷物は私の旅行バッグだった。今回の任務の為に準備したものを届けてくれたらしい。
「話はリオルから聞いている、こちらとしても悪い話ではない。君の力を貸して貰おうと思っている。君のことはリオルに一任することになっている、私はしばらくは本国に戻るので何かあったら彼に聞いてくれ」
私はリオルが誰か分からなったが、たぶん金髪のあいつだと思った。
「話は以上だが、何か聞きたいことがあったらどうぞ」
ステラスの雰囲気はどこか柔らかく、こないだの戦闘とは別人のようだった。
「ここの施設を好きに使ってもらってかまわないよ、演習相手もたくさんいるだろうから好きにしていいよ」
ステラスは軽い笑顔を見せる。私は正直な話かなり驚いていた、私が知っている能力者の多くは人間性に乏しい者ばかりだった。しかし、世界最強と言われる能力者は人格者だった。私は今まで能力が高いほど精神は歪むのだと思っていた、何故ステラスが部下に慕われているか容易に理解出来る気がした。
「この国で二番に強いのは誰か教えてくれ」
愛の質問にステラスは特に渋る様子もなく答えた。
「その質問は私が一番と言う前提かな?」
「違うのか」
「この国に私が勝ったことのない者がまだ二人いるよ、引き分けも一人いる」
「バースと言う男か?」
ステラスは少し笑って答えた。
「彼もその一人だよ、まさかもう会っていたなんてね。彼も毒のある男だからね」
愛はそのことをすでに十分に理解していた。
「バースには勝ったことはない。あとリオルは今のところは引き分けだよ。バースは演習の相手をしてくれると思えないけど、リオルはしてくれるよ」
ステラスは感じ良く色々な説明を私にしてくれた。私は彼の口から出た名前をしっかりと記憶した。ステラスはそれ以外にも他国に伝えてよいとは思えないことを、私に伝えて部屋を後にした。私もこんな上司を持つ事が出来ればと真剣に考えてしまった。
この日よる私は部屋を抜け出し、デルガナスを散歩していた。すると大きな競技場があった。闘技場は古く人気はまれでなかった、私は闘技場から月を眺めた。
「もう少しで満月だな」
私はイヤリングをそっと月明かりに照らした。
「私は何をしているのだろうな・・・・・」
エグルガルム 中枢
ステラスは真っ白な部屋で扉の開くのを待っていた。
「お客様をお連れ致しました、ステラス様」
「ご苦労、どうぞ入ってくれ」
扉の向こうには二人の少女がいた。
「お久しぶりです、ステラスさん」
「始めまして、ステラス・クルネス」
二人はとても美しく、そして鋭い目をしていた。
「こちらこそ、お久しぶりですエスナ姫。そしてリシアさんも・・・・」
旧デルガナ領土 エグルガルム仮設基地 演習場
白くガラス張りの観戦室もある、綺麗な演習場は熱気に包まれていた。
「やっちまえ!!!」「エグルガルムの力見せてやれ!!」「あの子可愛くないか?」「でもリオルの女らしいぜ・・・」「マジかよ」「でも、昨日バースの奴もちょっかい出していたらしいぜ」「すげーぞ!!」
最初は演習風景を眺めていた愛に、一人の兵が絡んだのが始まりだった。愛は現在七人を倒している。そのうちの三人はトライデントだった。最初は一人で挑んで負けた、次に二人で挑んだが結果は変わらなかった。愛は八人目を簡単に気絶させ、次の獲物を探していた。
「あなたがリオルの連れてきた子?」
「・・・・・・・・・・」
愛の前に長い髪で長身の女が現れた。
「無視、まぁいいわ。バースの奴、こんな子供にリオルが興味あるわけないわ」
愛は女を睨みつけた、女は引くことなく顔を近づけた。
「子供はさっさとお国に帰りなさい」
女ほそれだけ言うと愛に背を向けた。
「そんなこと言う為に来たの、モテない女丸出しだよ」
女は振り返り腰にあった武器を抜いた、それは銃と剣が合体したような武器だった。
「あら、口の悪い子供のしつけは大人の責任よね」
愛も刀を構え、負けじと言い返す。
「ありがとう、おばさん。よろしくお願いします」
愛と女はいっきに距離をつめた。
「バースさん、大変なことになっていますよ~」
バースは物陰から二人を眺めていた。
「大丈夫、大丈夫、今はステラス居ないんでしょ。シールの奴も殺しはしないでしょ、それに何かあっても責任はリオルだしさっ」
「バースさん・・・・」
「さぁ観戦、観戦。包刃ちゃんの実力はと!!」
数分前 基地内通路
「やぁ、シールちゃん。ご機嫌斜めだね」
バースは長髪で長身の女に話かけた。
「お前みたいな男に声をかけられて、機嫌のいい女なんていなよ」
「ひどいな~、僕はこんなにも君を・・・」
シールがバースを壁に叩きつけ、首元に刃物を突きつけた。
「ごめん、ごめん。ちょっとふざけすぎたよ。ゆるしてよっね」
シールは刃物をどかした。
「でも機嫌が悪いのは僕だけのせいではないよね?」
「黙れ、次は殺すぞ」
「怖いなぁ、アステリオスからの女の子のこと気になってるんでしょ?」
シールの表情が変わり、バースの話に耳を向ける。
「そうだよねーぇ、リオが女の子を連れて来るなんて初めてだものね。リオの好みが・・・・」
「どんな奴だ・・・」
シールは恥ずかしそうに小声でバースにきいた。
「えっ何、どんな子か?可愛い子だったよ。僕が会った時はうちの軍服だったけど、着物が良く似合う子らしいよ。小柄だし、男は着物で・・・・」
砕けるような音が響いた、シールの蹴りが壁を砕いた。
「どこにいる?」
「シールちゃん?どうしたの?」
バースはシールの口元に耳を近づけた。
「許さない、リオルを、私がいったいどれだけ・・・・」
バースは笑みをこぼしながら言った。
「さっき演習場で着物の女がうちの兵士を打ちのめしているって、誰かが言ってたよなぁ」
シールは進行歩行を変え演習場のある方へ向かって行った。
「シールちゃん、本当に可愛いなぁ」
~つづく~
最後までありがとうございます。
今回はエグルガルムのお話でした、彼らのことを中々紹介する機会がなくようやく書くこと出来ました。次回もこのような形になると思いますのでよろしくお願いします。活動報告の予定・・・・・、無茶言ったなぁ・・・・・(笑)