第三章 S.S.S Ⅰ
今回もよろしくお願いします。
なかなか投稿できなくてすいません。次回からは少しでも定期的に投稿できるようにいたします。
では三章の始まりです。
~第三章 S.S.S Ⅰ~
ベルヌ王国 国境付近 ベーテル大平原
どこまでも広がる平原にエグルガルムの大群が進行を開始していた。ベルヌ軍とエグルガルムの戦闘は均衡状態が続いていた。ベルヌ軍の対空砲により制空権を奪われたエグルガルムは地上戦による進行を開始した。
無数の戦車や機械の鎧を纏った兵士が砲撃と共に迫る、ベルヌの砲撃はエグルガルムに届かない、巨大なシールドが砲弾を拒絶する・・・・
ベルヌ軍の前線に一人の女がいた、銀と黒の混じった髪と堂々とした風貌の女はエグルガルムの大群をつまらなそうに見ていた。
「さぁ、いくよ。 召喚」
女のそばに大きな獣が現れる、女はそれに乗り大群に向かう。漆黒の獣は軽快に砲撃をかわし距離をつめて行く。
「召喚 魔弓 レラージェ」
女の手に漆黒の弓が現れる。矢のない弓を構え、漆黒の矢が現れそれを放つ。漆黒の矢はシールドを歪ませ貫く、そして無数に分裂し破壊をもたらす。
「次はこっちの番だよ・・・・」
アステリオス帝国 首都アステル 軍部演習施設
「いつから二人は仲良くなったんだい?」
四季は愛とヅバイを見て笑っていた。
「ヅバイ、何のつもりだい?こないだの仕返しか?」
ヅバイは何も言わなかった。
「何でもいいさ、さぁ始めようじゃないか?」
フロルはそっと四季の前に出た。
「箱美芽隊長、手は抜きませんよ」
「好きにしな、責任は私が取るよ」
フロルは氷の刃で手を切り裂いた。
「いくよ、白焔の氷狼」
白く冷たい氷狼が現れた。
「ヅバイ」
愛はヅバイに巻物を投げた、ヅバイは無言で巻物を受け取り開く。
「どれでもいい」
ヅバイは巻物見て呟いた。
「召喚 妖刀 紡狐」
ヅバイの手に刀が現れ、それを愛に投げ渡す。愛は刀を抜き眺める。
「いい子だ・・・・・・・」
愛はいっきに距離をつめた・・・・・
アステリオス 第三小隊作戦室
「隊長、包刃がまた問題を起こしました」
桜家は椅子に座り気だるそうに書類に目を通していた。
「いいじゃないの、へっくんも問題くらい起こすでしょ」
「いいえ」
桜家は短髪の部下を見た。
「そうだね・・・。でもあいちゃんも、何かアクセサリー付けたりして年頃になったみたいだしね?大目に見てあげよ」
「大目にですか、箱美芽隊長に喧嘩を売ることが」
桜家は目を大きく開き部下を見る。
「ほんと?」
「噂になっています・・・・・」
数時間前 王宮内某所
「珍しいね」
四季はフロルを連れて歩いていた。
「箱美芽隊長、お久しぶりです」
愛は通路に寄りかかりながら話す。
「話すのは第一小隊の入隊面接以来だね、いや私は不採用と言って立ち去ったから初めてか」
四季は嫌味をつげた。
「そうですね。能力のクラスでしか力を図れないそうですから」
「あぁ無能力者はいらないよ」
「そう言えば、私達がセルギアに行っている間を狙い、見せ物をしたとお聞きしましたよ?」
「狙って?」
四季は愛を睨みつける。
「はい、第二小隊などの優秀な者がいないのを狙って」
四季の顔色を伺いフロルが割って入る。
「あなたは何を言いたいのですか?」
愛はフロルを見て言う。
「私も噂の新人の力を拝見したくて」
「いいですよ」
フロルは四季の顔を見た。
「一時間後に演習場に来い、二度と第一小隊の前に立てないようにしてやるよ」
立ち去ったあと、四季と愛の顔は笑っていた・・・・・
第二小隊作戦室
「隊長、無理しないでください」
ルイは片手を吊って、眼帯を付けたリゼリを助ける。
「すまない」
「リゼがここまでやられたの久しぶりに見たよ」
ユウは嬉しそうにリゼを見つめる。普段のリゼならばすぐに銃口を向けるが、今の彼にはそんな力は残っていなかった。
「リゼ、本当にあいつ等帰ってくるの?」
リゼは顔を曇らせ頷いた。
「三ヶ月ぶりですね、隊長」
リゼは不安そうに窓の外を見つめる・・・・・
「辞任してくれる」
作戦室のドアが静かに開き三人組が立っていた。ポニーテイルの釣り目の女に、スキンヘットの長身の男、細身の丸い眼鏡をした男の三人がいた。
「ひさしぶり」
ユウが嬉しそうに近づくとスキンヘットの男が投げ飛ばした。
「餓鬼は寝てな」
ユウは廊下の壁に叩きつけられ、意識を失ったようだった。
「ちょっ・・・・」
ルイが三人とリゼの間に入る。
「ジャス、待ってよ!!久しぶりに第二小隊がそろったんだよ!!また仲良く・・・」
「仲良く??私達は一度でもそこのクズと仲良くした?」
「それは・・・・」
「ジュラル、障壁を部屋に張りな」
ジュラルは何も言わずに立ち上がった。
「ジュラルも!!隊長!!」
ルイはリゼを見つめた。
「駄犬どもが」
リゼは眼帯を外し、銃を構えた。
「もう・・・・・イヤ・・・・」
大商業国アルファルド 大樹海ウーブス
深い緑で包まれた樹海を無数の機械の群れが動いていた。エグルガルムの大部隊はアルファルドの首都に向けて進行していた。樹海はとても静かでどこまでも緑しかなかった。
そして、突然の轟音と共に地面が割れた・・・・・
エグルガルムの部隊は次々に地面に飲み込まれる。
「来たか」
「ステラス様、周囲に次々に反応が」
「いったいどれだけの空間転移者を雇ったのか。各隊陣形を整え応戦しろ、私が前線に出る」
戦況はすぐに変化した、奇襲により崩れた陣形はすぐに元に戻り、物量と力で圧倒する。統制された部隊は素早く事態に反応し応戦する。
戦場の最前線では一人の男が圧倒的な力を振るう。
突然、ステラスを爆発が包む。
「傷一つでもつけばいいかな」
濃い赤い髪をしたサングラスをした男が現れる。煙の中には薄赤いシールドに包まれたステラスがいた。
「いけ」
無数の銀の玉が男を囲み光を放つ、男はギリギリでかわす。光の一本が男を捕らえる、そして光は男を貫く。とっさに男は何かを投げ煙幕を張る。
突然、煙幕の中から男が現れステラスに向かう。男の手はシールドを簡単に破り?すり抜け?ステラスを捕らえる。しかし、男に無数の光が降り注ぐ。
「まさか貴様が出てくるとは」
二人は距離を取っていた、サングラスの男は木の陰に隠れ腕から血を流していた。
「まあねぇ、一応トップだしさ」
「隠れても丸見えだ」
男の隠れていた木が切り刻まれる。
「ストップ、ストップ、君と命のやり取りをする気はないよ」
男は無傷で、崩れる木の影から現れた。
「それに僕だけじゃ、君には勝てないしね」
ステラスは男を見つめたまま、通信を聞いていた。
「貴様らの部隊の大半が壊滅しつつある、降伏すれば無駄な血を流すつもりはない」
「降伏かぁ・・・・、そうだね」
男はふらふらと歩きながら尋ねる。
「何故今さら戦争を起こしたのか教えてくれたら考えるかな?」
ステラスは何も答えなかった。
「言えないか・・・」
男は微かに微笑んだ。
「そろそろかな・・・・」
その時、ステラスに一つの通信が入った。
「ベルヌに向かった部隊が壊滅、ガルダスの部隊も大きな被害が・・・」
ステラスは男を睨んだ。
「どういうことだ?」
「どういうこと?聞いた通りさ。少し見くびりすぎだよ」
男はそっとサングラスをずらしステラスを見つめた。
巨大な爆発が二人を包み込んだ。
~つづく~
最後まで読んでいただきありがとうございます。
投稿のペースが遅くてすいませんでした。一章と二章を書き終えて自身でもう一度読み直して、自身未熟さを痛感し三章は少しでも面白く、皆さんを楽しませることが出来る様に考えていました。結局、納得できるものには程遠い文章になってしまい申し訳ないです。
この物語に付き合って頂ける方、すいません。
次回はなるべく早く投稿いたします。
次回もよろしければどうぞ。