第二章 洸光
第二章完結です。
今回もよろしくおねがいします。
~第二章 洸光~
今夜も俺は十字架の立つ砂漠にいた。体の痛みよりも何か違うものが、辛く苦しく痛かった。そこには先客がいた、いつもジャンヌと着物の女がいた丘に二つの影があった。俺は急いで丘に向う。そこにはいつも通り着物の女が月を眺めていた、そして一本の黄金の剣が女の横に立っていた。女は何も言わずに月を見続けていた。俺はとっさに尋ねた。
「その剣は?」
愛は月を見上げたまま言う。
「私が来たときにはあったよ」
「そうですか」
その後二人は会話なく月を眺めていた、二人はお互いの怪我のことにも触れずただ誰かを待っているようだった。
「あなたに渡すように頼まれたものがあります」
ロイテルは愛に話しかけた。
「奇遇だな、私もだよ」
ロイテルは愛に小さな封筒を渡した。
「ジャンヌさんからです。昨日あなたが来なかったので、運び屋ならいつか会えるだろうと渡されました。あなたは他の国にもう行ったと聞いていましたから」
「そうか、今日の紛争で怪我をしてしまい。もう一日滞在することになってな」
今度は愛がロイテルに小さな封筒を渡した。
「私も同じだ、あの女からだよ」
二人は封筒を眺め決して開けなかった、暫くしてロイテルは立ち上がり別れを告げる。
「次の仕事があるので今夜この国を出ます」
愛は月を見続ける。
「またいつか」
ロイテルは月の光を浴びながら丘を下り、別れを告げる。
「ありがとうだってさ」
ロイテルは振り向き愛を見た、彼女はただいつものように月を見上げている。
ロイテルは自分の視界が歪んでいるように思えた・・・・
ロイテルが去った後も愛は月を見上げていた。
「いつの間に私の着物にいれたのやら、また彼に嘘をついてしまった」
愛は封筒を開ける、中には紙と月をモチーフにした金のイヤリングが入っていた。
手紙は一行だった。
あなたと、ともに・・・・・
私の最初で最後の大切な友へ
愛はイヤリングを月明かりに照らし見つめた、どうにも視界がぼやけてよく見えない。
「ついに泣き顔、見られてしまったな・・・・・・」
「おあいこだよ」
愛は剣に語りかけた、夜風が吹き抜け声が聞こえたような気がした。
愛はイヤリングをつけ、優しく語りかけたる。
「私を見ていてくれ、そして私が迷った時は助けてくれよ」
イヤリングは月の光を浴び、優しく光を放つ・・・・
ロイテルは車の中で封筒を開けた。中には手紙と月をモチーフにした金のチャームのついたネックレスが入っていた。
あなたの信じる道を貫きなさい
私もともに歩むから
その先の光を目指して・・・・・
私の最初で最後の大切なあなたへ
ロイテルはネックレスをつけ握り締め、月を眺め続けた・・・・
~第二章 完~
~ 登場人物紹介 第4回 ~
名前 ジャンヌ・セルギア
性別 女
能力 錬金術
年齢 20前後
身長 170くらい
体格 普通
髪型 ロングで前髪の片側を耳にかけてる
服装 鎧、騎士系、砂漠な感じ
CVイメージ まだ未定です
雑談
登場したときから死ぬことが決まっていました。名前もそのためです。彼女を書くにあたって、自身の誇り、内面の弱さ、矛盾をテーマに書いていました。愛とのからみや、ビズルとの過去なども書きたかったのですが・・・・時間の都合で省略しました。私自身好きなキャラで殺すことを何度も考えました。
私自身の考えで犠牲のない革命はないと言うことで退場してもらいました。
名前 包刃 愛
性別 女
能力 質量操作
年齢 18~19
身長 155未満
体格 華奢です、わりと小柄
髪型 黒髪のセミロング 手入れしてないがつやつや。
服装 着物、様々な模様と色をもっております。(着物はこだわる)
CVイメージ あるけど言うと・・・・まんま・・・
雑談
第一章で登場させられなかったお気に入りキャラ。着物で刀を使うキャラを書きたかった!!ものすごく気に入っているので三章も出番多め。彼女のテーマは無口、内と外の温度差です。実際は色々考えてるし、知っているけど口には出さない子って感じ。今後の物語で紹介できるのでこのくらいかな・・
最後まで読んでいただきありがとうございます。
一章から読んでくれている方、二章から読んでくれている方、本当にありがとうございます。未熟な文章にお付き合いいただいてくれ方に感謝でいっぱいです。私自身最初の作品で二章は一章と雰囲気や表現が変わり、書くたび自身の力のなさを痛感しておりました。そんな中でも「読んでくれる方がいる。」これだけが原動力でした。次章はなるべく定期的に投稿できるよう頑張りますのでよろしければお付き合いください。
三章は4月からです。しばしお待ちください。
次章のテーマ 絶対の力 戦争 集団戦 科学と幻想 です。
本当に読んでいただきありがとうございます。