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Acht;untitled  作者: 鳴谷駿
第二章 洸光の日
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第二章 蘭嵐 Ⅱ

今回もよろしくお願いします。

 ~第二章 蘭嵐 Ⅱ~

 アステリオス帝国 首都アステル 軍部演習施設

 「私を呼んだのだから、がっかりさせるなよ」

 四季はフロルを楽しそうに見ていた。

 「今日は全力の隊長と戦わせてください、本当の実力の差を知りたいです」

 フロルの目は四季を捉えて放さなかった。

 「いいよ、THE GAME」

 フロルは一度目を閉じ言った。

 「行くよ、お前たち」

 フロルの周りを白焔が舞う、白焔は氷結の炎。

 「犠牲の天秤か」

 二人の後ろに巨大な天秤が現れる・・・・・


 「箱美芽隊長が私を訪れるとは珍しいですね」

 四季は王女(エスナ)のもとにいた。

 「提案がありまして、参りました」

 「聞きましょう」

 「公開演習を行わせて頂きたい、我が隊に新たに二人が配属しました。しかしながら内部では彼らを疑い、認めない者も多くおります。そこで彼らに公開演習を行わせるのはいかがでしょうか?」

 エスナは四季のことを良く知っている、彼女はただ第一小隊(じぶん)の力を見せつけたいだけだと分かっていた。

 「許可しましょう」

 「ありがとうございます、あと演習では王族警備隊の力を借りたいのですがよろしいですか?」

 「わかりました、ヅバイに伝えておきます」



 数日後 首都アステル 軍部演習施設

 普段はひと気の少ない演習場が人で溢れていた。軍部の人間、ハウンズの各隊員、王女、リシア達までも多くの者が集まっていた。

 「第一小隊がついに王族警備隊とやりあうらしいぜ」「箱美芽隊長はいつも王族警備隊より下にハウンズの名前があるのが気に入らないって言ってたらしよ」「ヅバイ隊長と箱美芽隊長って目も合わせないらしい」「箱美芽はここで王族警備隊を潰すらしい」

 多くの噂がながれ、それらがこの演習を大きく盛り上げていた。噂の多くはクロアによるものだったが。

 四季は演習場の中央に現れた。

 「今回は公開演習にお集まり頂きありがとうございます。このような機会を与えてくださったエスナ王女に感謝をいたします」

 観客達は特等席のエスナを見て拍手を送った。

 「今回は我が第一小隊と王族警備隊で行います。お互いに三名の代表者を選出して頂き、二本先取と言うことでやらせて頂きます」

 四季は深々とお辞儀をして開催を告げた。

 「第一戦目の参加者は前へ」

 第一小隊からはフロルが王族警備隊からは巨大な斧を持った短髪で大柄の男が出てきた。

 「こんな小僧が相手か、たしかお前は聖痕祭(せいこんさい)でうちの隊長にやられた小僧だな」

 フロルは何も言わずに男を見ていた。

 「それでは第一線、始め!!」

 掛け声と共に男は素早く距離をつめる、体格と似合わないその速度はまさに奇襲だった。フロルは驚きせず迎撃した、地面か氷柱が生え男を貫く。

 「甘いな」 

 貫かれた男の体は歪み消える、男は突然後ろから現れフロルを巨大な斧が襲う。

 「氷塊と化せ」

 観客は静まり帰った、四季は満足げにヅバイを見つめる。

 フロルの周りに白焔が舞い、後ろには人の形をした氷塊ができていた。

 「勝負あり、一回戦勝者フロル・レイサス」

 フロルはヅバイを見つめていた。

 「フロル、死人が出ては困る。戻してやりな」

 氷塊は砕け男が崩れ落ちた、観客席から歓声が響き渡る。

 「それでは第二戦を始めよう、うちは人が少ないから連戦だ」

 次は細身の眼鏡の男が現れた。

 「第二戦、始め!!」

 細身の男は姿を消した。

 次の瞬間、フロルは吹き飛ばされた。倒れたフロルの前に男が現れる。

 「恥をかかされた、さっきのお礼です」

 そう言って姿を消した。

 「終わったな」

 四季は満足げにヅバイを見て笑いを堪えている。


 「ヅバイくんの部下は駄目だね、一発で決めとけば良かったのにね」

 観客席で桜家(おうか)は呟いていた。


 王族警備隊は声援の声に包まれていた、逆に第一小隊は四季が静かに座っていた。

 フロルは退屈そうに地面手を置いた。

 そして演習場の大半が氷に包まれた、フロルの少し離れた所に二つの穴が空いていた。

 「そこか」

 フロルは氷で弓を作り、狙いを定める。

 「そこまでだ」

 ヅバイは立ち上がり、試合の終わりを告げた。

 「勝負あり、二回戦勝者フロル・レイサス」

 客席は歓声に包まれた。

 「箱美芽隊長、これで満足できましたか?」

 ヅバイは嫌味たっぷりに四季に言った。

 「いや、全然」

 四季はマイクを持って言った。

 「私達第一小隊が二本先取で演習を終わりたいと思います」

 観客席からは大きなブーイングが響いた。

 「そうですね、皆さんの気持ちは痛いほど分かります。王族警備隊が演習ごときと考えた為、中身のないものになってしまい申し訳ございません」

 四季はヅバイを見つめもう一息入れる。

 「私は王女を守るべき警備隊が、このような質では王女の身が心配でたまりません。噂では聖痕祭では王女は警備隊ではなく、第二小隊を頼っていたとか・・・。この様な有様ではそれも事実なのかと」

 四季はヅバイを晒し上げる、ヅバイは口を開かない。

 その時、ヅバイを氷柱が襲う。ヅバイはそれをかわし、フロルを見た。

 「こないだの借り、返させてくださいよ」

 観客は歓声で包まれた。

 「いいぞ、小僧やっちまえ!!」「ヅバイ、その生意気な小僧に上下関係を教えてやれ」「フロル、いいぞ!!」「ヅバイ死ね!」「王族警備隊にハウンズの力を見せてやれ」

 ヅバイは四季を見つめた。

 「あなたと言う人は・・・・」

 四季は楽しそうに二人を見つめる。

 「第三戦、始め!!」

 

 ~第二章 氷炎咆斬~

 ヅバイは両手に剣を召喚し、フロルに向かう。

 「いくよ、お前たち」

 フロルの周りを白焔が舞う、無数の氷柱がヅバイを襲う。それらをかわし切り裂き距離をつめる、フロルは無数の氷の矢を放ち迎え撃つ。ヅバイは片手の剣を投げつける、氷の壁が剣を止める。ヅバイは腕を上げ振り下ろす。

 無数の槍がフロルの頭上から降り注ぐ、それを氷の剣で弾きかわしヅバイに向かう。二人の剣が交わり、フロルの剣が砕け散る、破片がヅバイに襲い掛かる。お互いに一瞬で距離を取る、フロルは地面に手をつき氷塊がヅバイを捕らえる。

 「召喚(リコール)、機怪剣アグニ」

 氷塊が切り裂かれる、そして灼熱の双剣が現れる。

 ヅバイの両手には真っ赤な剣が握られていた。

 

「ここからが勝負だよ」

 愛は二人を楽しそうに見つめる。

 「ヅバイくんにあれを使わせたと言うことは、けっこうやばかったみたいだね」

 桜家も二人を見つめる。


 「本気を出させてもらうよ」

 ヅバイは格段に早く距離をつめる、フロルに向かいなが剣を振るう。炎柱がフロルに襲い掛かる、それは氷の壁を溶かしフロルに迫る。フロルは氷柱を作り空に逃げる、それをヅバイが追う。

 「つぶれろ」

 フロルの前に白焔が集まり、巨大な氷塊がヅバイに向かう。ヅバイは氷塊に張り付き剣を突き刺し駆け上がる、剣からは炎が上がり氷塊を両断する。

 「お仕置きだ」

 ヅバイの剣がフロルに迫る、氷の壁を作り蹴り飛ばしかわす。そしてヅバイが切り裂いた氷塊が形を変え、ヅバイを襲う。


 「だいぶ成長したな」

 二人は再び地上で向かい合う。フロルは氷でナイフを作り自身の手を切り裂く。

 流れ出た血液が地面に落ちる。

 「僕も本気で行きます」

 地面の血液を含み2メートルほどの赤い目をした狼が現れる。狼は氷でできているとは思えないほど動物的だった、そして尻尾には白焔が燃えていた。

 「白焔の氷狼(バナルガルム)

 氷狼は咆哮をあげる・・・・・・



 セルギア王国 王宮内

 「待たせたね」

 二人は真っ直ぐに見つめあった。

 愛は大刀を抜いた、ジャンヌは大きな黄金の(ランス)を構える。

 「ジャンヌ・セルギア、あなたの命を頂くわ」

 「包刃(つつみや) (あい)、参る」

 

                        ~つづく~


最後まで読んでいただきありがとうございます。

第二章にヅバイの出番がありましたね。さぁ次回はジャンヌVS愛です!!

この二人を書くための第二章です(笑)なるべく早く投稿できるよう頑張りますのでしばしお待ちください。

活動報告のほうで状況は報告いたします。

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