第一章 終演
今回もよろしくお願いします。
~第一章 終演~
PM8:28 第五区 式典会場周辺
「隊長~、どうしましょう~」
第三小隊の腕章をつけた青年が弱音を吐いている。
「困ったねぇ、通しちゃっていいよ」
自身に刃物や銃口を向けた民間人や兵士達が式典会場の中心へ足を進める。
同刻 式典会場ステージ
「現状として事態は収拾へ向かっております。第五区は第一小隊が中心に鎮圧、その他の区画は第五小隊と軍部部が事態の収拾に当たっており・・・・」
リゼ達は現状報告を受けていた。
「ひどい有様ね」
突然、ステージの客席から女の声が響いた、そしてすべての視線と銃口が女に集まる。
「何者だ?」 ヅバイが質問した。
ヅバイは剣を握り締め、リゼも銃口を向けた、ルイの銃口も女の頭を捕らえる。
「ただの観客よ、世界が壊れる所を見に来ただけよ」
長い紫の髪をした女はに堂々とした雰囲気で客席に座り、すべてを見透かすような目をしていた。
「あまり舐めるなよ」 リゼはトリガーに力を入れようとする。
「たくさんの血が流れるわよ」
その時、自身に刃物や銃口を向けた民間人や兵士達がステージ周辺を囲む。
「危ないから、私に銃口向けないでくれる」
「卑怯ものが!!」
ヅバイは剣を放す、兵士達も銃を放す。
「あなたも早く銃を置きなさい、あとスナイパーにも命じて」
女はリゼに命じた、しかしリゼは銃口を向け続ける。
「リゼ、従いなさい」
王女はリゼに命じた、リゼは銃を地面に投げた。
「お姫様の言うことは聞くのね」
王女はステージの上から女を見て言った。
「狙いは私でしょ、好きにしなさい」
女はため息をついて、辺りを見渡して言った。
「さっきも言ったでしょ、私達はただの観客。でも変ね、正直な話ここには首謀者になりそうな奴はいないわ、重力操作者もリタイヤしたし」
女は王女を冷たい目で見て言った。
「私達は騙されたのかしら?」
「いいえ、これから世界を壊すのだから」
王女の言葉は沈黙をもたらした。
「リゼ、もういいわ」
「気は済んだんだな」
「何かしたらみんな死ぬわよ」
女は落ち着いてリゼを睨みつける。
「捕まえろ」
黒い大きな手が現れ女を襲う、女は転移してかわす。
「あなたが悪いのよ」
女は指を鳴らした、しかし状況に変化はない。
「なんで?」
女は民間人や兵士達を見る、彼らの体に黒いモノが巻きついている。
「油断しすぎなんだよ」
リゼは銃を拾い女に向かう、そして彼の左目は黒く染まっていた。
「二重能力者、でも・・・」
リゼは銃口を女に向ける。
「転移できない」
女は自分の体にも黒いモノが巻きついていることに気づいた。
終演を告げる銃声が響きわたる・・・・・
第五区 式典会場周辺ビル屋上
「何故だ!!僕の人形達は動かない?姉さんどうしよう」
「少年、悪戯がすぎるなぁ」
そこには、第三小隊の腕章をつけた男と数人の部下がいた。
「さぁ捕まえちゃって」
男は式典会場を見つめた。
「うちのお姫様は何を考えてるやら、あいちゃん帰ってきて報告よろしく」
PM8:41 第五区 高層ビル屋上
「終わっちゃったネ、まぁ楽しかったからいいか」
黒いコートの男は楽しそうに笑っている。
「さぁ幻想の道化師の皆さんはいかがでした?」
男はピエロの人形に話しかけた、人形はかすかに笑っい青い炎に包まれた。
~第一章 完結~
最後まで読んでいただきありがとうございます。
自身初めての作品でこんな貧相な文書と物語に付き合ってくださった方には本当に感謝でいっぱいです。これで第一章は完結です、二章は三月から始めたいと思っています。
その前にuntitledの短編を3~4本ほど投稿する予定なのでよろしければどうぞ。
本当に読んでくださりありがとうございます。