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ゆいこのトライアングルレッスン

ゆいこのトライアングルレッスンD〜ひろしと登山〜

作者: 佐藤そら
掲載日:2023/09/20

『ゆいこのトライアングルレッスンD』に投稿したものです!


毎日レッスン!3日目٩( 'ω' )و

「ちょっと待ってよ、ひろしー!」


 読書熱が熱く、最近は部屋にこもりがちのわたしを、ひろしが連れだした先は、まさかの山だった!?


「えっー? 登山!?」


 正直、ここまでハードなデートが用意されているとは聞いていない。

 遊びに行けると、ウキウキしてたのに、まさかこんなにしんどいなんて……。


「ほら、行くぞ!」


 ひろしが、わたしに手を伸ばす。

 わたしはひろしに引っ張られるように山道を進んだ。


「ひろしー、もう歩けないよー」


「ほらほら、ちゃんと結ばないから。靴紐ほどけかけてる!」


 ひろしは、手のかかる子供のように、わたしの靴紐を締め直した。

 みっともないなぁ、わたし。

 ここに、たくみがいたら、どんな言葉をかけてくれるんだろう。

 さらりと荷物を持ってくれたりするのかな。

 って、わたしったら、なんで今たくみのこと……!


「あと少しで、山頂だぞ?」


「う、うん……」


「ったく、ゆいこはしょうがないなぁ」


 ひろしは背負っていたリュックを前にやると、そのあいた背中をわたしに見せた。


「えっ!?」


「もう、歩けないんだろ?」


「そ、そうだけど!!」


「ほら、乗れよ!」


「いや、でも……」


「俺は、ゆいこに山頂からの絶景を見せたいんだよ」


「ひろし……」


 わたしはひろしにおぶられ、その体温を体で感じた。

 いつぶりだろう、この背中。昔、塾の帰りにおんぶしてくれたこともあったっけ。

 たくましい大人の背中に、わたしは顔をうずめた。



 山頂に着いた。

 想像以上に素敵な景色がわたし達を出迎えてくれた。


「すごーい!」


「だろ?」


「ヤッホー!」


 叫ぶと、やまびこが返ってきた。


「わーー! ねえ、ひろしもやろうよ!」


「ったく、山頂に着いたら、すっかり元気になって」


「へへっ」


「来てよかったろ?」


「うん!」


「大好きだーー!」


 突然、ひろしが山に向かって叫んだ。

 山頂に愛のやまびこが響いた。


「へっ……?」


「山っていいもんだな」


 ひろしはわたしを見て微笑んだ。


 山が好き……なのかな……?

 わたしはドキドキして、ひろしの真意を探れなかった。



 × × ×



「ゆいこ、この前ひろしと山行ったんだって?」


「うん」


 たくみが話しかけてきた。


「もしや、告られた?」


「へっ!? まさか……」


 え? でもあのやまびこって……


「あれ? あながち間違いじゃなさそう?」


 たくみがわたしの顔を覗き込む。


「いやいやいや、そんなんじゃ!」


「俺もゆいこが好きだぜ? 覚悟しとけよ!」


「……たくみ?」


 たくみの笑みと共に、わたしの頭の中には、ひろしの『大好きだ』が、こだました。

明日は、たくみと幸せの鐘をお届けします!

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― 新着の感想 ―
[一言] ∀・)登山デートってまた斬新でいいですね(笑)いや、そもそもデートなのか?なんか作品を追っていくごとに作者の術中にハマっている気がしてきました(笑)
[良い点] ゆいこをおんぶして登山するひろしが逞しいですね。 山頂で愛を叫ぶひろしとこだまする声、下野さんはどう演じるんだろうと想像してみましたが、うーん私の想像力が及ばなかったので、これも是非読んで…
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