レスQポリス
活動報告の記事に書いたコメントのことが『レス』って呼ばれることもあります。
では、レスってどういう意味でしょうか。
その森ではレモンの木が並んでいる。白い花が香りをたてていた。
小さなタヌキくんと、頭に王冠のようなものを乗せた白いおサルさんがいる。
二人の間にあるお皿には、かりんとうのお菓子が乗っている。
皿の横には湯気のあがる湯呑も置かれていた。
「んとね。白猿さん。電子メールで返事を書くとき、タイトルに『Re:』ってつくよね。あれってどういう意味か知っている?」
「子狸くん。昔、インターネットのとある掲示板で議論になった時にはいろいろな説がでていたぜ。例えばこんなのだ」
・メール返信のreplyの略
・返事のreturnの略
・応答のresponseの略
・参照のrefer toの略
・〇〇について、のregardingの略
「んとね。掲示板とかで誰かの記事に意見を書くときに『レス』って言うこともあるの。responseの略なのかな」
「20世紀に流行っていたパソコン通信ではresponseの略で『レス』って言ってた。ただし、パソコン通信でもメールや掲示板でのタイトルの『Re:』がつけられることもあった。これはresponseではなさそうだ」
「じゃあ、どういう意味なんだろう」
「それは後で説明しよう。パソコン通信からの影響もあって、インターネットでも『レス』という言葉が使われることもある。で、言葉の意味について議論になることもあったんだ。『返事はreplyに決まっている。レスって呼ぶな』という言葉狩りのようなキツい意見も見られたぞ」
「え? そうなの?」
「ただ、掲示板で誰かの意見に反応して投稿しているんだから、responseでも間違いではない。自分宛の言葉への回答ならreplyでも合っている。他の呼び方ではcomment、follow-upなどもあるぜ」
「それで結局、題名につく『Re:』って何の略なの?」
「何かの略では無くて、『Re:』というれっきとした英単語、もしくは前置詞の説が濃厚だ。通常は発音しないけど、『リー』と読むらしい」
「で、その場合の『Re:』はどういう意味?」
「regardingの同義語で『〇〇について』『〇〇に関して』という意味になる。300年ぐらい前の紙の手紙でも、返事の題名に『Re:』がつけられていた例があるらしいぜ。英文の契約書とか同意書でも『Re:』が普通に使われているようだ」
「『Re:』って電子メールの用語じゃなかったんだ」
「インターネットの技術に対する意見をまとめたもので『RFC』というものがある。電子メールについて『Re:はラテン語のresから来ていて、〇〇に関してという意味』と説明された資料もあるんだ。まぁ、21世紀に入ってから公開されたものだけどね」
「これだと、返事のことを『レス』って言ってもおかしくなさそうなの」
「まぁ、言葉の使い方や表現は時代によって変わることもあるものさ。過去の用法との違いや語源を調べるのは面白いけど、言葉狩りになると角が立つから言い方は気をつけた方がいいかもな」