表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
頼む、死なせてくれ ~積極的安楽死の提案~  作者: 楠本 茶茶(サティ)
3/33

第3部分 チェックメイト

第3部分 チェックメイト


 誕生日。オッサンになった今はできるだけ迎えたくない日である。


 子供の頃は夕食の豪華さとプレゼントに釣られて「良い思い出」として楽しみにしていた方が多いのではないか。御馳走食って普段飲めないぜいたくドリンク飲んで、ろうそくの炎を消したらケーキ食って… 時にはパーティを開いてもらってその「主役」として誇らしい思い出を持っているヒトも多いだろう。


 ただ世の中には物心ついたときはすでにどちらかまたは父母ともに、何らかの事情で既に会えなかった方もいらっしゃるずだ。ごくまれには「こどもなんて要らないから」と、まことに自分勝手な親を持ってしまった方もいらっしゃるだろう。


 しかし私は信じたい。ほぼ100%の「親」は子供とやむなく別れざるをえなかったり、突然の事故やら死病やらで心を残して… 泣く泣く泣きながら… 涙を振り払って旅立つしかなかったに違いない。


 好むと好まざるとに関わらず、子種の「仕込み」をしなければ子は産まれない。ヒトの妊娠期間は俗に「十月十日とつきとおか」と言われる(この場合の一月は 4週間=28日 を一月とカウントしている)が、普通には約280日くらいだ。ただし妊娠期間の最初の日のカウントがなにやら意味ありげで

面倒くさいが、これを詳述するのは本稿の目的ではない。

 要するに、「親は心の準備期間を経て親になる」ということだ。


 対して子の方はどうか。

ふと気づけばすでに名前も戸籍も実体も存在しており、お腹に戻ることはできない。滅多にないことだろうが、こんな親はダメだ、こんな家庭なんてイヤだと思ったとしても、未成年のうちはこのまま進む道しかない。ココロの準備なんて一切なかったはずだ。


 無論なんら疑うことなくシアワセいっぱいのお子様もいらっしゃる反面、

・なんでアタシを産んだの

・どうしてこの家庭に産まれたの

・お父さん(またはお母さん)は大嫌い

・あの子が羨ましい、あのおうちに産まれたかったな

・なんでウチはお金持ちじゃないんだろうか


そんな思いでクチビルを噛んだ経験をお持ちの方もたくさんいらっしゃるだろう。


 家庭だけではない。それはあなた自身の遺伝的組み合わせや体質素質、運動神経やイケてる感にまで及ぶはずだ。

・お肌、身長、体重、座高、足の長さ、体形、髪、まゆげ、まつげ

・目口鼻耳の大きさや形、位置、シンメトリー、

・すばしこさ、力強さ、踊り、リズム感、音程

・見た目のイケてる感、しゃべりのセンス、理解力、記憶力、特技


 言い出せばキリがないだろうし、そんな思いは世の中の全員がこどもの頃に経験しているはずだ。おそらくはそんな生易しい希望ではなく… 例えば五体不満足なら五体満足を望み、五体満足ならさらに美しさを賢さを表現力を、もっともっともっと… 果てなく続くドロドロの欲望であったに違いない。


 私はそれを否定しない。昔からそうだったし、今だってそうだから… ただ現状が変わらないことも充分以上に知ってしまったから、仕方なく現有勢力で暮らしているだけだ。


・どこかで人並み以上のところはないか?

・どこかに優れた要素が潜んでいるのではないか?

・まだまだ自分を伸ばせるんじゃないか?


そう自問自答しながらここまで生活してきたのだ。


 かえりみてアナタに問いたい。

現状このままがベスト… だと、子供の頃に思っていましたか?

そして、今はいかがですか?


 まとめてみよう。

「親は心の準備期間を経て親になる」のに対して「子は否応いやおうなくその家の子になっている」という違いがある。さらに親や親戚の社会的地位やカネや教養の有無、住む地域、出会う人々、そして本人の資質や運…

 子供は始めからリードやらハンディキャップやらを背言わされて産まれさせられてくるのだ。この表現はまるで「 I was born 」という英語の受動態の表現そのものじゃないか。


「産まれさせられてくる」のに「自分から生を放棄できない」ということをどう考えるか。この文章のテーマはそこにある。


 ゲームで例えてみよう、

ゲームにもルールがあって、ルールを守るからゲームは成り立っている。


 もうあかん、これ以上は無理、私の負けだ…


 そんなときチェスなら「チェックメイト」、囲碁なら「投了」、将棋なら「詰み」という終わり方がある。戦争であっても「白旗」で降参サレンダーという手段が認められることがあるではないか。


 そう、私がこれから提案していきたいのは、「人生というゲーム」を「投了」したい… そんなときの最低限のルールとマナーである。


 そしてそんな方法や手段、実現の可能性の有無等を「なろうメイト様」と確認チェックしていく文を書きたいと夢想している。


 私自身が「チェックメイト」を宣言する、その前に…



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ