【漫才】スマホ依存
第3回【GETUP!GETLIVE!漫才・コント大賞】応募作品です。
―応募条件―
・オリジナル作品
・1000文字以上2000文字以下の完結した漫才、コントのネタ作品
・応募期間内に新規投稿された作品
・未公表作品(他の企画に投稿済みの作品は応募できません)
・複数応募可能
二人「はい、どうも~」
ボケ「今の時代、みんなスマホって持ってると思うんだけど、僕スマホが手放せなくってねぇ」
ツッコミ「あ~、でも最近そういう人多いって聞くな。ほら、お風呂の中にまで持ってったりさ」
ボケ「そんな次元の低い話じゃないんです。僕をそんじょそこらの一般人と一緒にしないでいただきたい。レベルが違うんです」
ツッコミ「なにがどう違うんだよ? っていうかなにやってんの? スマホで」
ボケ「今まさに体験してることを呟いたりね」
ツッコミ「お前の行動に興味持ってる奴あんまいないと思うけどね。例えばどんなんよ?」
ボケ「バンジージャンプなう、とか」
ツッコミ「えっ!? バンジージャンプ!? なんでバンジージャンプ中にスマホいじってんだよ!」
ボケ「だから、レベルが違うって言ってんじゃん」
ツッコミ「そりゃレベルが違うわ。バンジージャンプ中にスマホ操作してる奴なんて聞いたことないわ」
ボケ「いついかなるときもスマホを手放さないんです、僕は。それこそ、不良に絡まれたってスマホは手放さないんです」
ツッコミ「嘘つけ。じゃあちょっとやってみせてくれよ、俺が不良役やるからよ」
ボケ「いいよ? じゃあ僕、その不良の恋人役やるわ」
ツッコミ「お前はお前の役をやれ! お前がいなかったらただの仲睦まじい恋人同士が歩いてるだけだろ! いいから、向こうから歩いてこいって、俺が反対側から歩いてきて肩ぶつけるからよ」
ボケ「はいはい」
(すれ違いざまに肩をぶつける二人)
ツッコミ「ってぇな、てめぇ! っておい!」
(スマホを見ながら振り返りもせずに去っていくボケ)
ツッコミ「待てって、おかしいだろ!」
ボケ「ね? いつだってスマホは手放さないんです僕」
ツッコミ「そうじゃなくって、不良に絡まれた設定なんだから絡まれてくれよ」
ボケ「なによもう~」
(再びすれ違いざまに肩をぶつける二人)
ツッコミ「ってぇな、てめぇ! どこに目ぇつけとんじゃい!」
ボケ「不良に絡まれた、なう」
ツッコミ「スマホ操作してんじゃねぇよ! 余計反感買うだろそれ!」
ボケ「だから、スマホは手放さないんです僕は」
ツッコミ「手放せ! TPOわきまえろ! TPO!」
ボケ「あと、スポーツしてるときなんかもね。スマホは手放さないね」
ツッコミ「スマホ持ちながらスポーツすんな! おかしいだろ! 野球でバッターボックス入ってんのにスマホ持ってたら!」
ボケ「そんな人いるわけないでしょ!? 野球でバットじゃなくってスマホ持ってバッターボックス入る人なんて! そんな人見たことあります? スポーツをなめてんの? スポーツマンシップのかけらもないな君は!」
ツッコミ「お前が言い出したんだよ! じゃあなんのスポーツやってるときだよ、言ってみろ!」
ボケ「野球だよ!」
ツッコミ「野球!?」
ボケ「ストライク! バッターアウト! なう」
ツッコミ「……それ審判じゃねぇか! スポーツしろよ!」
ボケ「ゲームセット! なう」
ツッコミ「だからスマホ操作すんなって! だいたい伝わらねぇだろ、スマホでゲームセットなんて書いても」
ボケ「あとはほら、恋人の親御さんに挨拶に行くときとかさ。よくあるじゃん『娘さんを、僕にください!』ってやつ。ああいうときでもスマホは手放さないからね」
ツッコミ「手放せって! おかしいだろ、真剣にお願いするときにスマホ持ってたら。相手の親御さんが了承するわけねぇだろそんな奴」
ボケ「レベルが違うんです。手放さないんです、スマホは」
ツッコミ「ちょっとやってみせてくれよ、俺がその恋人のお父さん役やるからよ。頑固親父的な」
ボケ「いいよ? じゃあ僕、お母さん役やるわ」
ツッコミ「だからお前はお前の役をやれっつの! お前がいなかったらただの仲睦まじい夫婦がたたずむだけだろ! いいからちょっとやってみろって」
ボケ「お父さん! 娘さんを僕にください! なう」
ツッコミ「直接言え! 目の前にいるのにおかしいだろ、スマホ操作なんかしてたら。しかもまったく伝わらねぇし」
ボケ「まぁ、これくらいスマホに依存してるってことですね。だってもう、死んでも棺桶の中に入れて欲しいもんね、スマホ。いや、手に持たせて欲しいね。こうやって」
ツッコミ「そんなに? そりゃ持たせてもいいけど、もういいじゃん。死んだらスマホから離れようぜ」
ボケ「棺桶、なう」
ツッコミ「怖ぇよ! もう死んでるから! 棺桶、なうじゃないんだって」
ボケ「たまにちっちゃい窓からこっちをチラチラ見てくる奴がいる、なう」
ツッコミ「だから死んでるんだって! 呟いてる場合じゃねぇの! もうそのまま火葬場行け! 火葬場! で焼かれろ!」
ボケ「火葬場、なう」
ツッコミ「いい加減にしろ!」
二人「どうも、ありがとうございました~」