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モブな僕が主人公になるまで  作者: 大海老フライ
3/6

3.神様マジ神様!

 


『『いきなりだがお前らには異世界に行ってもらう。』』



 っしゃぁぁぁぁ!!!!

 異世界転移キタァァァァァァァ!!!!


 イエス!!マーベラス!!!ファンタスティック!!フォォォォッ!!!!

 まさか小説の中だけと思っていた夢の展開が自分に起こるなんて!嬉しさのあまり身悶えする僕の視界の端に同じくガッツポーズしてプルプルと震える小太りの男が。

 あれはアニメオタクの小田倉君だ!わかるっ!わかるぞ!きっと彼も心の中で同じことを叫んでいるに違いない!



『『お前らには俺が作った異世界"アルテマ"に行ってもらう。皆大好きな剣と魔法世界だ。嬉しいだろ?』』



 神様の言葉に僕のテンションは天井知らずに上がっていくが、他のクラスメイトは全く意味がわからないといった顔でポカーンとしていた。


「あっ!あの神様!質問してもよろしいですか?」


 そう言って手を上げたのは先ほどくらすをまとめ上げてくれた神条君だ。



『『あぁ、いいぜ。』』



「あっありがとうございます。あの、僕らに剣と魔法の世界に行ってもらうと言うのはゲームのような別の世界に連れていくということですか?」



『『おっ!そうだ!まさにゲームだよ!俺が地球のゲームを参考に作った世界だからな!スキルだってあるし魔物に勇者に魔王だっているぜ!』』



 スキル!・・・勇者!・・・魔王!!

 心踊るフレーズが次々と出てくる!!

 たまらないっ!!!

 その時視界の端でプルプルと震えていた小田倉君が急に立ち上がった。


「あっあのぅ!!まっまままっ魔王がいるということは!せっ拙者達は、もっもしや魔王を倒すために召還されるっグフッグフフ!ゆっ勇者的な存在ってことですかなっ!?」


 さっきのスマートな神条君の質問と比べると、気持ち悪さが全面的に押し出された質問だったが僕は嫌いじゃない。うん。むしろ小田倉君グッジョブ!



『『いや別に魔王は倒さなくていいけど。』』



「いや~やはり魔王を倒すために召還されるのはな〇う系の定番ですな!ってえぇぇぇぇ!!!何故ですか!?何故に魔王を放置ですかっ!?そんなことでは世界の平和が!!平和がっ!!!へっ・・・。」


 びっくりするくらいきれいなノリ突っ込みを決めたあと急に世界の平和を叫び出した小田倉君がピタッと動きを止めた。

 きっとさっきのヤンキーみたいに動きを止められたのだろう。



『『たくっ最近の子はキレやすいってのは本当だったんだな。あ~確かにお前らには異世界に行ってもらうが特に何か頼みがあるわけじゃねぇ。むしろ好きに生きてもらって構わない。』』



「えっ!それでは何のために僕らは異世界に行かされるんでしょうか?」


 驚いた誰かが思わず神様に尋ねる。

 それを聞いた神様はにやっと笑った気がした。



『『俺はな人間が好きなんだ!頭のいい奴悪い奴、強い奴に弱い奴、善人に悪人いろんな人間がいる。そいつらがなにも思い、どんな行動を起こすのか。俺はなそれを眺めるのが堪らなく好きなんだ!』』



 それはまさに神の言葉だった。

 自分の作った世界に勝手に呼び出した人間達を送り込み、それを遥か高みから眺めて楽しむ。

 まさに神だけに許された遊びだろう。


「俺らはあいつのおもちゃかよ。」


 その声は僕の横にいる目つきの鋭いクラスメイトからだった。


「おい、自称神とやら。」



『『何だ?』』



「お前に聞きたいことがある。」


 おっとこれは?



『『いいぜ。言ってみろ?』』



 そう言って神様は片膝を立てて両手を広げて見せる。

 まさかこれは始まるのか!?

 主人公だけに許された神様や王様、貴族とかとよくやるやつ。

 ただの高校生VSめっちゃ偉い人とのかっこいい駆け引きが!!


 皆が押し黙るなか、僕は一人勝手に興奮していた。どうなんの!どうなんの!?こっからどうなんの!?




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