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モブな僕が主人公になるまで  作者: 大海老フライ
1/6

1、日常の終わり

 



 主人公になりたい!



 それが僕の夢だった。



 いったいいつからそんなことを思い始めたのか忘れたが理由はわかりきっている。

 それは僕が圧倒的に()()だからだ。


 学力、体力、容姿全てが平凡 並、並、並。

 生まれてこの方何かで一番になったことは当然ない、でもそれはいい!

 そんなやつはきっとごまんといる。何より僕をモブたらしめている最大の理由それは・・・


 それは僕の大好きな漫画やラノベの主人公達

 が持っていて僕には全く備わっていないもの

 ()()である。


 物語のなかの主人公達は皆とても魅力的だった!

 様々な困難に見舞われながらも勇敢に立ち向かい!

 個性的な仲間達と共に大冒険を繰り広げる主人公!


 あぁ!主人公ってなんて素晴らしいんだろう!!やはり僕も主人公に「お~い()()。」



 ・・・・・・・・・・。



「なにボーッとしてんだよ。」


「・・・別に、ちょっと考え事をしてただけだよ。」


 ふ~んと気のない返事をし隣の席に座る友人に非難の視線を送ってみるが気づいた様子もなくどうでもいい話題を話続ける。


 何度疑問に思ったかわからない。

 両親は何故僕に『最文(モブ)』なんて名前をつけたのだろう。


 横道(よこみち)最文(モブ)

 それが僕の名前だ。

 その名前をつけるならせめて超能力ぐらいは標準装備して欲しかった。


「そういえば昨日の深夜アニメ見た?すげぇおもしろかったよな!?」


「うん、そうだね。」


 友人の田中君の話に適当な相づちを返す。

 彼と出会った時、最初は自分と同じようにモブな彼を見て親近感が湧いたが、彼には筆箱の裏に鼻くそを貯めるという彼だけのオリジナルを持っていた。

 もちろんそれを見つけた時はドン引きした。


 朝のホームルーム前の教室ではクラスメイト達が昨日のドラマの話や部活の話なんかが聞こえてくる。その声を聴きながらまた何も起こることのない普通の高校生活が始まるんだ、と思いまた少し気持ちが沈みため息を吐いてしまう。

 何となく癖のようなもので取り出した携帯を素早く操作してヤッホイニュースを眺める。


『日本にダンジョンが出現!!!』


 なんて面白いニュースがあるわけがなく今日も日本は平和だった。

 その後もボーッと携帯を眺めていたその時。



「何だコレ?」



 クラスの誰かが呟いた。

 声の方へ振り向くとそこには白い光の玉が宙に浮かんでいた。


「えっ?何こっ。」


 その言葉は最後まで言い切ることはできずに突如輝きだした白い光に全てが飲み込まれていった・・・。




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