恐怖の化身
「ぐはっ……こいつ突進してきやがった…」
「モーゲンさん早く逃げて!!」
俺は急いで向かい核を狙い槌を振り下ろした。
核が割れスライムは縮んでいく。
「早く逃げなよおじさん」
「お前……どうやって縄をほどいた?」
スキンヘッドさんはさっきのスライムの突進で
内臓を痛めたようだ。血を吐いている。
「それは後です。みなさん避難を!!
戦える人は武器を持ち戦ってください!
スライムの身体の中にある球体を狙ってください!!」
何人かの体つきの良いおじさんと青年たちが
農具などを手に取り雄叫びを上げている。
「きゃーーーー!!」
どこからか女性の悲鳴が聞こえた。
「!?おじさん悪いけど…」
「ああ、助けてやってくれ」
「ありがとう」
スキンヘッドさんをあとにし俺は
悲鳴が聞こえた馬身に向かう。
母親と思われる女性が少女を抱き抱えており
スライムに囲まれて動けなくなっている。
「くらえっ…!」
槌を横に振り女性の近くのスライムをなぎはらう。
「今のうちに!」
「ありがとうございますっ!」
女性は少女ぎゅっと抱きしめながら
他の人と同じように避難していった。
「ぷにぷに~」
「お前らの鳴き声可愛いけどあざとい!!」
連続で核を壊していく。
戦い続けて10分ほどでスライムたちは片付いた。
俺は25匹討伐し、村人たちは8匹。
合計33匹のスライムの群れが村を襲った。
村人たちは歓喜の声を上げていた。
俺はスライムを武器に吸収させよう、
そう思った時だった。
柵の一部がメキメキと異様な音を立てながら壊れ
砂埃が舞った。
全員が静まり返り音の方に向く。
「なんだ…あのスライムは!?」
俺は驚愕の声を上げた。
そこにいたのはさっきまでいたスライムの10倍以上はある
大きさのスライム。
砕いた柵を体内に取り込み恐ろしい消化速度で
柵がなくなった。
「め、メガスライムだっ!?
に、逃げろーーーーーーーー!!!!」
村人の一人が悲鳴を上げ、それにつられるようにして
恐怖の声を上げながら逃げ始めた。