未知(?)の襲来
現在の状況を説明する。
俺は手首を縄で縛られ、荷物を没収され
座らされており、俺を囲うように机と椅子並んで
お年寄りがたに睨まれている。
「えっ何この状況」
「何じゃないわ、今お前をどうするかの話をしてるんじゃ」
ここの村長らしき人が俺に告げる。
「あの~俺何も盗んでないんですけど?」
「今日は盗んでないだけだろ」
スキンヘッドさんがどや顔で言う。
何?探偵か何かになりたいの?
「まあまあ落ち着きましょうよ?
この子が一番落ち着いていますよ?」
優しい声のおばあさん。
この人は俺のことを味方してくれるんじゃ…?
「この子の罰何にしますか?」
何言ってんだこの人?
俺に弁護士いないの?
みんた検察官ばかりだ!
「とりあえず農民たちの被害を報告します。
畑の土が荒れ、収入源の野菜が盗まれる事態。
それが合計7件あり被害額銀貨30枚です」
「払え」
率直だな。
「あのまずなんで俺は怪しまれてるんですか?」
「モーゲンさんがお前が柵の近くでうろうろして
誰もいないかの確認をしているのを
目撃している」
モーゲンというのはどうやらスキンヘッドさんの名前らしい。
「それは村の入り口を探していて…てか
魔獣とかの可能性はないんですか?」
「この近くにあの柵を越えれる魔獣はおらん!
嘘はいらん!謝罪と金を出せ!」
本当の事を話しているのに
机を叩いて立ち上がり怒号をあげる。
少しイラっときた。
ここは一回文句を………
「大変です村長!!」
文句を言おうとしたとき
若い青年がドアを勢いよく開け叫ぶ。
「どうした?」
「魔獣が村に!」
「魔獣だと!?」
「案内します!」
何が柵を越えられる魔獣はおらんだ。
「今行く!」
全員青年についていき俺を残していった。
チャンスだ…。
あらかじめ手首を縛られるときに
ほどけるように隙間をつくっておいたので
簡単にほどけた。
近くに置いてある槌とポーチをとり装備したあと
俺もこの建物から出た。
視界に映ったのはまさかの大量のスライムたち。
三十匹以上は確実にいる。
柵の方をみると柔らかい身体をいかして
隙間から柵を越えていた。
「スライムって頭いいんだな」
「やめろ、わしの大事な野菜を食べるな!」
声の方に目をやるとスライムたちが
野菜を体の中に取り込んでいた。
犯人はスライムたちだな…。
「このスライムたち死なないぞ!
どうなってるんだ!?」
スキンヘッドさんが声を上げている。
どうやら初めてみたスライムは珍しいスライムだったのか…。
「みてられねぇな…」
正直助けるつもりはなかったが
俺はスライムたちの方に向かった。