初めの一歩
「…………っ!?」
意識がもうろうとするなか目を開けると
白い壁ではなく海のように広がっている草原。
少し足とお尻がチクチクする。
自分の今の状況は全く知らない土地に一人、
木にもたれ座っている。
服は制服ではなく青い長袖のTシャツのようなもの
着ていてその上に黒いコートで
黒いズボンをはいている。
靴は黒い革靴。
ポーチの中にはさっき渡されたお金の入った袋だけが
入っている。
そして槌を持ち手を上にして背負っている。
「こういう異世界転移とかって剣のイメージあったけど
まさかの槌か……まあでもこれはこれで魅力があるな」
基本ゲームでは剣しか使ったことがないが
なんとかなるだろう。
重さは見た目より軽く三キロぐらいだ。
とはいっても剣などは平均1.3キロぐらいの重さで
バスターソードでも1.6キロ以下という事実を
考えるとかなり重い。
身体を鍛えてなかったらヤバかった。
異世界にきて運動部をしていて良かったと
初めて思った。
俺は立ち上がり身体を伸ばす。
立ち上がっても視界には草原が広がっているだけで
村や町などはまったく見当たらない。
「とりあえず進むしかないな」
ここから槌の戦士の旅が始まった。
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