第6巻 この国の生き物について
久々の続きです!生きておりました!
ここ、ソマール王国は現代で表すとベネチアつまりイタリアみたいな場所と考えてくれればいいと思う。
交通手段はスールと呼ばれる船で用心棒件船のエンジンみたいな役割のスイーパーと呼ばれる生き物がスールを動かすのが特徴で、スイーパーは、第2大陸にしかいない固有種ともいえる。
性格は、大体が契約した主に忠実で、一家に1台スールとスイーパー一匹から二匹がいる。
まぁ、なぜ二匹飼うというとあいつらも生き物なので所詮番(結婚相手)なのだ。
貸出用のスイーパーもいるが、主に決められたルートを通るように調教されていて、観光用・買い物用・特集用などの専門に分けられている。
覚えているルートが多いスイーパーほど借りる値段が高く、逆に少ないと安くそのスイーパーを貸してもらえる。
まぁ、基本的にスイーパーは賢いため値段に大差はほとんど無い。
両親に連れられてソマール王国へ来ていた俺は、1000年前の相棒だったスイーパーを思い出していた。
「キューのやつ俺がいなくなった後どうしたんだろうな…」
まさかとは思うがキューのやつ、生きてたりするのか?
契約した者の魔力によってはかなりの年月を生きるスイーパーだ。
「あり得なくないぞ…」
俺は、両親と上手く離れて、キューが生きてるとしたらいるであろうあの場所へ行くために影武者を闇魔法でそっと作り出すことにした。
これは俺、ハイディーン・カルネグ・ウィングが得意としていた魔法の一つで、これと併用して自分を闇の魔力でコーティングする。
こうすることで、影武者と入れ替わってもなんの問題もなく、両親と離れることができる上、なにかあれば、影武者と自分を入れ換え合流することができるという便利機能付きである。
もちろん、影武者も俺自身であるため、記憶の共有も今見ていることもお互いに理解できる。
まさしく、もう一人の俺である。
ハイディーン・カルネグ・ウィングとして、生きていた時代にはこの魔法が無いとまぁ、色々不便だったため必死になって作り上げたものだ。
「しかし、久々の魔法だったが上手くいったな。」
両親の目の前で手を振っても全く気がついていない様子である。
闇の魔力でコーティングした時点で、俺は少し次元の違う存在として世界に認識されており、簡単にいえばその辺の背景となんら変わり無いのである。
こうして、俺は両親の元から離れたと気づかれることなくその場から立ち去れたのである。
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