第1話【ぼっちの溜め息】
暇潰しに投稿するので、暇潰し感覚で読んでくれれば嬉しいです。
「はぁー…。」
私は今、とあるギルドのカウンターで溜め息を吐いていた。
「……やっぱり、駄目なのかな…。」
そう悪態を言いながら、再び溜め息を吐いた。
周囲を見回すと、そこには楽しそうに話すギルドパーティーが、そこらじゅうのテーブルに座っている。
カウンターで座っているのは私一人だ。
「はぁー…。」
私は三度目になる溜め息を吐いた。
「あー、お嬢ちゃん。そんな暗い溜め息を、横で吐かれたら、こっちまで暗くなるんだが…。」
「ひゃっ!?」
突然横から声をかけられた私は、恥ずかしい声を出しながら、慌てて横を向く。
「おいおい、そんなに驚かないでくれよ。傷つくぜ。」
そこに居たのは、ボサボサの黒い髪に黒い瞳、手入れをしていないであろう髭が少し伸び、魔術師の様な黒いローブを纏った。…なんと言うか、覇気の無い男だった。
「おーいお嬢ちゃん、無視ですか~?」
目の前の男にそう言われ、私は慌てて口を開く。
「貴方のパーティーに入れてください!!」
「……えっ?」
そう叫びながら、男に向かって頭を下げる。
勿論、立ち上がってだ。
「あーと……。」
男は申し訳なさそうに頬を指で掻くと、苦笑しながら私の方に向き合う。
嫌な予感に苛まれながらも、私は男の次の言葉を待つ。
「……すまねぇけど、それは無理だ。」
(ああ、やっぱり。)
サーシャ・ロークシャル12才、私は今、ぼっちである。