一日目の終わり
お気に入りありがとうございます!
誰にも見られていないと思ったのでうれしく思ってます><
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檸檬をしばらく悩ませる事になる課題についてはひとまず大地の提案を不承不承ながら檸檬は飲む形になった。むしろそれ以外の答えがなかった訳だが、日本で生活している時には考えたくもない事。ましてや女性にとっては屈辱以外の何物でもなかった。
更に言えば小であればまだマシであるが、大をするとなると抵抗を感じない人間はいないであろう。
もし居たとしたらそれは変態以外の何物でもない。
つまり、大地が提案した事は……察していただけると幸いである。
夜目が利かない為、遠くに離れる事は困難であったが、それでも可能な限り遠くまで離れた場所で檸檬は用事を済まめた。
真っ暗闇の中で用事が済むまでの間、檸檬はなぜ自分がこんな目にあっているかと思い、涙目になっていた。
暫くしてテントに戻ってきた檸檬は顔と目を赤くしていた。おそらく泣いていたのだろうとわかる程目が腫れており、大地を睨めつけ口を膨らませながら「むー!」と怒っており、大地は申し訳なさそうに頭を掻きながら誤っていた。もちろん大地が悪いのではないが。
しばらくして機嫌を取り直した檸檬を含め、三人は今後の目標について議論しあった。
檸檬が加わった事により、三人には主に三つの問題が発生していた。
まずは衣服の問題だ。
大地と青葉には手持ちの服が何着が残っていたが、檸檬に関しては元々着ていた寝間着以外に服がない。
大地が服を貸して着てみたが、やはりサイズが合わないのだ。
靴に関しても青葉と檸檬は一足ずつしか持っていない。
大地は予備にサンダルを持ってきていたのだが、いつ履きつぶしてしまうかもわからない。
つまり現在の手持ちの衣服を失えば、替えが利かないのだ。
次に食事の問題だ。
二人であれば元々買っていた食べ物をやりくりすれば、なんとか一週間以上は持つ予定だった。
一週間もあればその間に解決出来るであろうと考えていた。
実際にオオカミの肉が手に入った事により少しは手持ちの食糧を残す事が出来た。
しかし、檸檬は小柄な見た目の印象を裏切り大食漢だった。
オオカミの大きさは二メートル程あった。
大地と二人がかりであったにせよ、それをペロっと食べたのだ。
ちなみに大地は檸檬の四分の一程しか食べていない。
空腹の為、普段より食べたと言っていたがそれにしてもよく食べた。
つまり、今ある食料だけでは数日で枯渇してしまうのだ。
現地調達した食料を口にしたくない青葉にとっては死活問題である。
最後に拠点についてだ。
このままテントを仮住まいにするのは男二人であれば問題がなかった。
それでも何か月とは持たなかったのだが、檸檬を加えた事により早急に改善が必要となった。
なにせお風呂もなければトイレもない。
先ほどのやり取りでもあった通り、檸檬にとっては精神衛生面でかなりの問題がある状態だ。
このままの生活を繰り返していたらいつか発狂するだろう。
今挙げた「衣食住」の問題を解決する為のもっとも手っ取り早い解決方法は人が住む場所。
つまりは街を見つける事が最優先にすべき事でである。
目標は「街を見つける事」で三人共同意し、結論がでた。
だか、その為にはテントから移動する事が必須であるが、正面の平原と裏手にある山のどちらを目指すかが次の論点になっていた。
青葉は草原を進む事を主張する。先が見えないが山を抜けるよりはマシだと考えたのだ。
大地は裏手にある山の洞窟に行く事を主張する。
言い合いに終わりが見えなくなった為、普段なら行動の権利で決めるのであるが、今いるのは二人ではない。
つまり――
「「檸檬ちゃんはどっちがええと思う?」」
大地と青葉は同時に檸檬に視線を向ける
「え、えーっと……何このプレッシャー……」
檸檬はそう呟いた後に少し悩んだ後、口を開いた。
「うん。レモンは洞窟探検したいな! だって草原は見渡しても何もなかったもん。洞窟の先に何かあるかもしれないし、それより草原よりワクワクするから♪」
檸檬が答えた事により、明日の行き先と今後の目標が決まった。
多数決で破れた青葉はガクッと肩を落とし、ふて寝する形で寝袋に入った。
大地は青葉がもそもそと寝袋にもぐっている姿を見て、もう一つ重大な事に気が付いた。
(やばい。檸檬ちゃんの寝袋ないやん。)
そう、寝袋は二つしかなかったのだ。
青葉に視線を向けるとすでに寝ていた。
某青いロボットタヌキが出てくるアニメの主人公のような早さだ。
大地はため息をひとつ吐き、檸檬に視線を向けた
案の定檸檬は自分の寝袋がない事に気が付きオロオロしていた。
「この寝袋使いや。今日は疲れたやろ? もう寝てもええで。」
と、自分の寝袋を檸檬に譲りながらニカッと笑った。
「え、えぇ! いいの? 大にぃはどうするの?」
「ええよええよ。気にせんとき!」
檸檬は遠慮がちに寝袋に入った。
その後、檸檬も青葉と同じくらいの速度で夢の中へ旅に出た。
「さて、赤いオオカミとか出るかもせんし、見張っといたろか。」
そう言いながら大地は立ち上がる。
大地はこの場所は安全地帯だとは考えていなかった。
おそらく青葉も同じ事を考えていたのだろう。その為に早々に身体を休める為に寝たのだと大地は考える。
檸檬にこの事を伝えると心配すると思い大地は口に出して青葉に伝えずにいた。
そして、大地は自身のスキル「サバイバル」で今ある物で何か作れないか思考する。
そうして30分程過ぎた頃に、大地は何かを思いついたようにテントの中を移動し始める。
もちろん二人を起こさないよう細心の注意を払いながらだ。
大地は果物ナイフを手に取り、元居た場所に戻ると何かを作り始めた。
こうして三人の一日目が終わったのだ。
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ステータス
名前:火灯 大地
種族:ヒューマン族
レベル:1
特技:なし
魔法:なし
スキル:サバイバル level 1
剣術 level 1
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・ステータス
・名前:漣 青葉
・種族:ヒューマン族
・特技:なし
・魔法:ファイア【火】 ウォーター【水】 ウインド【風】 サンドウォール【土】 バースト【爆破】 アイス【氷】 サンダー【雷】 アースシールド【岩】
・スキル:賢者
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ステータス
名前:神庭 檸檬
種族:ヒューマン族
レベル:1
特技:魔言理解
魔物鑑定
魔法:なし
スキル:魔物 level 2
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