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センチメンタルジャーニー ~異世界旅行ツアー~  作者: 華森兎守
始まりの草原
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スキル

 青葉がスキルの文字を指で選ぶと、モニターは一瞬消えて一回り大きなモニターとなり現れた。

モニターは元の大きさより一回り大きくなった。

大地は交互に青葉と自身のモニターを見比べた。そこには同じ文字が表示されていた。

青葉はと言えば、表示された文字を見て目を白黒させていた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

・『スキル』【?】

・【武器】:『剣術』『槍術』『斧術』『捧術』『弓術』『武術』

・【魔法】:『火魔法』『水魔法』『風魔法』『土魔法』『回復魔法』『補助魔法』

・【強化】:『体力』『筋力』『俊敏』『魔力』『精神力』『隠密』

・【生産】:『採掘』『採取』『解体』『鍛冶』『裁縫』『木工』『調合』『錬金』

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 青葉は文字を凝視しながら考えていた。

スキルを選んで出てきた今の画面にある文字は『賢者』や『サバイバル』と同じだろうと考えた。

『賢者』のスキルの恩赦で魔法を扱えると考えるのであれば、選択したスキルに応じた特技や魔法を扱う事が出来るようになると判断した。

つまり、スキル一覧にある物はすべて選択可能であるのだ。


 「いっぱいありすぎて意味がわからんな」


 「いや、意味はわかるけどな。これをどうしたらいいのかがわからんな。」


 「せやな。とりあえず保留にしておく?」


 「そうする方がええな。てか、俺らの賢者やサバイバルのスキルが見当たらないのが気になるわ」


 そう。このスキルの一覧画面には二人が持つ『賢者』と『サバイバル』がなかったのだ。

ないものはないのだから仕方ない。考えても答えは出ないと考え、青葉はスキル一覧を再度確認した。

自分に合うスキルがあるかを思考していたのだ。

そんな青葉の様子を見ていた大地はふと画面の上部にある【?】に気が付く。


 「このマーク押したらなんかわかるかな……」


 大地が【?】マークに指を当てると、画面の表示が変わった。

一番上にはご丁寧に『スキル説明』と書いていた。


 「青葉、スキル説明文やってさ。」


 「ホンマやな。とりあえず見よか。」


 「せやな。」


 青葉は一通りスキル説明を確認した。

この画面はスクロールが可能で膨大な量の文字が書いていた。

その為、ここにすべてを書き記す事は難しいが、要約すると以下のようになった。


 【武器】スキルは剣術や槍術を選んだ先も選択肢があるようだ。

例えば剣術の場合は片手剣やナイフ、大剣など複数あり、選択した武器毎にその武器の扱いや特技などを使えるようになるらしい。

弓術は弓のみが選択できるが、弓の中には魔法弓や物理弓と見慣れない言葉も並んでいた。

武術には素手で殴るや投げる、足蹴りを使う戦い方で分かれているようだ。


 【魔法】スキルはそのまま魔法を扱うスキル

選択した属性魔法を扱えるようになるらしい。

武器スキルのような分岐もなく、素直にその属性のみが強化されるようだ

青葉は4つの属性を扱えていたが、それはこの魔法とは別の原理が働いているようだ。


 【強化】スキルは自身の能力を強化。つまりバシップスキルだ。

体力はスタミナが強化され、筋力は力が強化される。

強化されることによりムキムキのボディービルダーのようになるかは不明だ。

魔力や精神力は魔法を扱う際に必要となる力が強化される。

魔力は魔法の威力があがり、精神力はよくあるMP(マジックポイント)に類似するようだ。

俊敏は足の速さや身のこなし等が上昇する。

隠密は、気配を経つ能力などが付くそうだ。


 【生産】スキルは物を作成する物や、素材を見分ける事が出来る全般的なスキルのようだ。

採掘や採取はただ採掘や採取が上手になる以外にも、鑑定なども含まれるらしい。

鍛冶や裁縫はそのままの意味だ。

二人にとって生産に関しては特に触れる事もないだろうと、途中で読むのを断念した。


 「青葉様。わかりましたか?」


 スキル説明を途中で断念した大地が青葉に声をかけた。

その瞳はキラキラと輝いていて、内容を教えてもらうのを今か今かと待っていたようだ。


 「様付けとかキモいわ。てかお前途中で理解するの諦めたやろ?」


 「よくご存じで。いやぁ、こういうの苦手なんよね。文字だけずっと見てると眠くなるねん。」


 「あっそ。ほな、わかった事だけ説明するから、よく聞けよ?」


 青葉は大地にもわかりやすく説明を行った。

かなり噛み砕いて説明をしたはずだが、大地は途中から虚空を見ていた。

理解していないと察した青葉はより噛み砕き説明を行った。

すると、大地は魂が抜けたように半目を開けて……寝ていたのだ。

諦めた青葉は大地に説明するのをあきらめた。


 「ま、とりあえず飯食おうや」


 「お、待ってました! 飯食おうぜ!」


 大地が突然元気になって青葉の言葉に同意した。

スキル説明を読み始めてから既に1時間以上は経ち、昼ご飯を食べる時間になっていたのだ。

現実逃避気味に、自分たちの食欲を満たす事にした大地と青葉。

だが、青葉が思い出したように大地に告げる


 「あのさ、さっき外に出たときおもたねんけどさ……バーベキューセットとかなくなってるやん?」


 「え? マジでか、それかなりめんどくさいな。」


 「せやな。残ってるのは鍋とか簡単なもん。後、食糧もテントの中にあったやつだけやん。食事関係を先になんとかせなあかんな」


 「せやな……ま、俺のスキルがサバイバルやし、なんとかなるんやない?」


 「いや、お前さ……今の時点でよくわかってないスキルに頼って死んでもしらんで?死ぬなら一人で死んでや」


 「死なば諸共や!」


 「ホンマにそれは嫌や!!」


 青葉はかなり現状を深刻に考えていたが、大地は楽観的に考えていた。

元々性格は真反対であるのは知っていたが、大地の行き当たりばったりな性格を考え青葉は頭を抱えた


 「ま、心配すんなって! とりあえず魚でも釣って食えばええやん?」


 「その魚がどこにいるねん。」


 「ホンマやな。お前天才やわ。」


 見渡す限りの草原。後ろには山があるが川らしきものはない。

むしろ水源らしきものがどこにも見当たらないのだ。

一日程度であれば買っていた水でなんとかなるが、数日過ごすとなると死活問題であった。

新しく出てきた問題に青葉は頭が痛くなったのを感じた。

兎に角、周囲を探索する事は重要だと判断し早々に出るべきだと判断した。


 「飯ってなんか作ってるの?」


 「作ろうと思ったけど、この状況やったからさぁ」


 青葉は朝食をこの場で食べてからいくのかが気になっていた。

もちろん大地が作っていたなら食べた後に向かうつもりであった。

しかし返事はNOであった。

しめたと思った青葉は続けざまに提案したのだ。


 「なら昨日買ってたパン食いながらちょっと探索しよか?」


 「お! いいねぇ~探索! ほな準備せなあかんな!」


 青葉の提案に大地はすぐに応じ、そのまま二人は探索の準備をする事になった。

大地は現在の二人の状況をどのように思っているかわからないのだが、青葉はかなり深刻な状況に陥っている事を察していた。

その辺りの危機感の温度差は、そのまま出かける準備に差が現れた。

青葉はそそくさと必要最低限の物だけをカバンにつめ早々に準備を済ませた。

一方、大地は呑気に鼻歌を歌いながら、見知らぬ土地を探検する楽しみで胸がいっぱいの様子だった。

準備を終えた青葉は、大地の様子を見ながら深いため息をついた。

そうこうしているうちに大地が準備を終えた。


「ほな、いこか。」


青葉はそういい草原に向かって歩き始めた。

大地はその後を追うように二人は朝食用のパンを片手に探索に出た。

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