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センチメンタルジャーニー ~異世界旅行ツアー~  作者: 華森兎守
ルナベール編
24/27

決死の攻防

2回目の更新!

今日はここまでにします!

 「とりあえず、二人は戻ってもう片方の道進んでや!」


 「了解。うまくいけば合流できるし、そないしよか。もし合流できそうになかったら、ここに戻ってくるわ。」


 「大にぃ、一人で大丈夫?」


 「おう、大丈夫やで!安心してや!」


 三人は暫く進んだ先で大地が罠に引っかかった。

先頭を歩いていた大地と後ろに続いていた檸檬の間が突然落石が降ってきた。

青葉は咄嗟に檸檬を引っ倒しかろうじで落石から檸檬を救った。

一方大地はそのまま前方に前転し回避した。

そして落石により大地は青葉と檸檬と分断され別々に進む事になった。









*******************************************************************

~青葉/檸檬side~


 「大にぃ大丈夫かなぁ?」


 「大丈夫大丈夫。獣みたいな奴やからなんとかなるって。」


 「そうだねっ♪」


 青葉も大地の心配はしていたが、心配してもどうしようもないので檸檬を安心させる事に努めた。

今二人は大地が罠にかかった道とは反対方向の道に進んでいる。

三人はすでに九体のゴブリンを倒しており、討伐証明九個を大地が持っていた。


 「後一体だけやったのにな……」


 そう呟きながら青葉はため息をついた。

別れ道の選択をしたのは青葉だった為、ため息しか出なかったのだ。


 「早く大にぃを助けないとねっ!」


 「せやな。」


 青葉は警戒しながら先に進み、檸檬はそれに続いて歩いていた。

ゴブリンやそれ以外の敵が現れる様子はなかった。


 「ふぎゃっ! ど、どうしたの?青にぃ?」


 二人があるいて十分程進んだ辺りで、青葉が急に立ちどまった。

後ろについて歩いていた檸檬が青葉にぶつかり顔を抑えながら尋ねた。


 「なんやあれ?」


そう言いながら青葉は前方に指をさした


 「……? 扉?」


 「やんな? なんでこんなとこにあるんや?」


 「誰かのおうちかな?」


 「いやいや、それはないやろ。」


 怪訝そうな顔をしながら青葉は慎重に扉に近づいた。

そして扉の取っ手に手を添えて檸檬に視線を向けた。


 「あけるで?」


 「う、うん。」


ガチャッ! バンッ!

蹴破る勢いで青葉が扉を開けると、そこには数十体のゴブリンがいた。


 「檸檬ちゃん。ちょっと引くで!」


 「う、うん!」


 そう言いながら青葉は踵を返して扉から離れた。


 「燃え盛る"火"よ!立ちはだかる"壁"となれ!『ファイアウォール』!」


 振り向きざまに扉に向かってファイアウォールを放った。

青葉と檸檬を追いかけてきた四体のゴブリンを同時に葬り去った。

そしてファイヤーウォールは徐々に火力を無くし、扉からゴブリンが出てきた。

しかもその数が異常だ。


 「はは。こりゃきついな。」


 青葉は流れる汗を拭きながら呟いた。

青葉は自分の魔力が残り少ないのを感じていた。

この数の敵を相手して自分の魔力が枯渇するのは目に見えていたのだ。


 「青にぃに弱音が似合わないよっ!インテンスブースト!」


 檸檬が青葉を叱咤しながら補助魔法を青葉にかけた。

青葉はにっっと笑い答えた。


 「せやな。大地助けなあかんしな。」


 「そ~だよ! その調子っ!」


 明るく元気に檸檬は答えた。しかし、その笑顔とは裏腹に檸檬は自分が戦う事が出来ない事に対して憤りを感じていた。

青葉が檸檬から視線をそらすと励ます事しかできない自分が悔しくて檸檬は下唇をグッと噛んだ。

そんな檸檬の気持ちを知らない青葉は視線を前に向け、迫りくるゴブリンを睨み付けた。


 「燃え盛る"火"よ!敵に降り注ぐ"雨"となり敵を討て!『ファイアレイン』!」


 青葉が唱えるとバスケットボール級の火の球が複数現れ、前方にいるゴブリンに向けて降り注いだ。


 「いくで檸檬ちゃん!」


 「りょ~かい!」


 火の玉は前方にいたゴブリンに炸裂し、ゴブリンは一瞬にして灰になった。

もちろん通常のファイヤではここまでの火力はでなかったが、檸檬のインテンスブーストの補助により火力が増大されたのだ。

もう見た目ではメテオでもいいのではないだろうか?と思える程だった。

扉のゴブリンを足蹴して部屋に突入した青葉と檸檬。

先ほどの攻防で多少は数は減った。しかし、まだまだその何倍もの数のゴブリンがそこにはいた。


 「凍てつく"氷"よ! 降り注ぐ"雨"となり敵を討て! 『アイスレイン』!」」


突如部屋全体を覆い尽くす程の氷の雨が降り注ぐ。

アイスレインはファイヤレインより遠距離に発生させる事が出来る。

しかし、アイスレインは目視できる場所でなければ氷を作成出来なかったのだ。

青葉がわざわざ部屋に突撃したのはこれらの理由があった。


 氷の雨が部屋全体を降り注ぎ数体のゴブリンを一瞬にして串刺しにした。

その瞬間に青葉と檸檬の体に淡い光が灯った。レベルアップしたのだ。

青葉はそれを気にも留めず周囲を警戒した。かなりのゴブリンを先ほどのアイスレインで倒した為、残っているゴブリンは残り五体だけだった。


 「吹き荒れる"風"よ! "槍"となりて敵を貫け!『ウインドランス』!」


突然部屋に風が吹いた。その瞬間、青葉に対して直線に並んでいた2体のゴブリンの首が宙をまった。

かまいたちがゴブリンを襲ったのだ。ちなみにウインドランスは直訳すると風の槍になる。しかし効果はかまいたちを起こすのであった。


 「燃え盛る"火"よ!全てを燃やしつくせ!『ファイア』!」


 残り三体に向けてファイアを放った。

二体のゴブリンに命中したが、最後の一体のゴブリンに向けて放ったファイヤは逸れてしまった。

同時に青葉が片膝をついてしまった。


 「くそっ!全てを力の限り"破壊"せよ! 『バースト』!」」


しかし、魔法は発生しなかった。魔力切れである。

ここまで一方的に攻めていたのだが、実は青葉は自分の魔力が付きかけているのを察していた。

その為、必要最低限の魔法で止めをさせようとしていた。


ファイヤはコントロールが難しく、外れる可能性があった。

逆にウインドランスはコントロールが簡単であり、複合魔法にも拘わらず魔力の消費が少なかった。

しかし、かまいたちは1つしか発生しない為、偶然重なっていたゴブリン二体に対して放ったのだ。

ちなみに一撃で首を刎ねる程の火力が出たのは檸檬の補助魔法の恩赦であった。

その他の魔法も魔力消費と火力。相互関係を計算に入れて放っていたのだが、青葉の魔力総量が追いつかず、『魔力切れ』となった。魔力が切れると立つ事もままならぬ程の関節の痛みや疲労感、または頭痛などが発生する。結果、死に体となった青葉にゴブリンは手に持った棍棒で殴り飛ばした。


 「ぐはぁっ……ぐぅっ……」


 青葉は大きく吹き飛ばされ、壁に激突し気絶した。


 「あ、青にぃ!!」


 檸檬は青葉に駆け寄りヒーリングをかけた。しかし、青葉は目を覚まさなかった。


 「よくも……よくも青にぃを!」


 檸檬はゴブリンに視線を向け睨み付けた。


 「ギィィィ!!」


 「青にぃはレモンが守る! スピードブースト!」


 檸檬はナイフと取り出し構えながら自身に補助魔法をかけた。


 「パワーブースト! シールドブースト!」


 檸檬の体が次々に光る。


 「もう……レモンの前で誰も死んで欲しくないのっ!」


 檸檬の目には決意の色が込められゴブリンを再度睨み付け、そして飛び出した。


 「やぁぁぁ!!!」


 「ギギィィィ!」


 檸檬はスピードブーストの速度を生かして、ゴブリンの不意をついた。

ナイフで棍棒を持つゴブリンの手の甲を切りつけ、武器を落とした。

そして、次の瞬間にはゴブリンの足を切りつけた。

ゴブリンは一瞬の出来事で何が起きたかもわからず地面に足を着いた。

すかさず檸檬はゴブリンの背後を取り


 「ばいばい。ゴブリンさん」


 そう冷たく発した後、ゴブリンの首にナイフを突き刺した。


 「ギィィィイイィイィィィ!」


 ゴブリンは悲痛な断末魔をあげ、力尽きた。


 檸檬はそっと死体になったゴブリンからナイフを抜いた。

ゴブリンを見つめる檸檬の表情は怖い程冷たく、そして何故か寂しそうだった。

感想お待ちしております!

いつも見ていただいてありがとうございます!

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