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序章
世界、フルールモーンド。
花が咲き乱れる美しい世界であった。
しかし、それも昔の話。
人と人がいれば喧嘩はつきもの。
喧嘩が喧嘩を呼び、いつしか1つの大陸の中で人族と魔族にわかれた。
そして人族は4つの国にわかれ、国境がひかれた。
この世界の4つの国と魔族について詠われた詩がある。
著者不明のこの詩は、どこからともなく広がり、今や万人が知る詩となった。
剛腕と称えられしグルネシア帝国。
鉄壁を誇るサルドスエリン王国。
影に潜みしアムネダリス公国。
唯一の中立であるハールバル独立都市。
北を統べる魔族は、如何なる時でも、人族の滅びを望む。
神より与えられし魔族の力、人族は無力なり。
人族は魔族の力に対し、神より与えられし魔力があり。
魔力あれば、魔族の力も恐るるに足りず。
幾度となく繰り返させる侵略と奪還。
世界を統べるモノは何れにか。