六話 黄金色の少女
つなぎなので今回は短い
「半分当たりで、半分正解じゃな」
俺の問いに答は予想外に高い位置から降って来た。
俺達の立っている位置を地面とするなら、月光獣は俺達より二メートルほど高い位置に座り込んでいる。
しかし、今の科白はそれ以上上、まるで空から降って来たような聞こえ方であった。
というか、もう声質自体が渋めの月光獣の声じゃ無い、どこか幼さが残る少女の者だった。
もしかしたら、ほかにもいるのかもしれないが。
やはりこの森で幼い少女の声を聞くとなると、彼女しかいないだろう。
声のするほうに顔を向けると、大体十メートルの高さに黒い箱馬車が見えた。
そして、それを牽く二頭の角の生えた白馬、所謂ユニコーンの背に横座りで座している少女。
俺をこの森に叩き落とした少女。
どこか古風な喋り方とでっかい麦藁帽子をクビにかけ、金色のけも耳をぴんと建てた勝気そうな少女。
その名も―――。
「.........」
何だっけ?
そういえば、名前を聞いた記憶が無い。
彼女の箱馬車の中で出会って大した時間を共にすごしたわけではないが、名乗る機会はいくらでもあったはずなのに、聞いた記憶が無い。
俺を『魔道神経』でぐるぐる巻きにしたうえ、この森にたたき落とした憎き相手なのだが。
何度考えても名前がわからない。
俺は愕然とした!!
「お前は誰だぁぁぁ!!」
そして、叫んでいた。
少女を指差して、思いっきり。
「「『...』」」
三者三様それぞれ可哀想なものを見るような瞳で見てくる。
「お主は、一体ここまで何をしに来たのだ」
と呟いているけも耳幼女と。
『小僧...、名も知らぬ相手と会うつもりだったのか!』
笑いを耐える気も無いのか月に向かって大口を開けて爆笑している月光獣。
王牙にいたっては地面に膝をついて、いかにも落ち込んでいますよといった感じの体勢で俺の事を見上げている。
「はぁ...。
まあ、良い。確かにお主に名を名乗った記憶は無いようだしのう」
けも耳幼女が一つため息をついてから、軽く背筋を伸ばしてぺったんこの胸を張って名を名乗ってくれるようだ。
「誰が!ぺったんこだ、好きで胸が小さいわけじゃないぞ!
わが身をこのままに停まってしまった世界が悪いのじゃぁぁぁぁぁぁ!!」
誰に切れているのだ?
はあはあと息を切らす少女...
それを眺める三対の視線に気がついたのか、少女はもう一度たたずまいを治してから少名乗りをあげた。
「ごほん、一度しかいわぬから良く覚えて置くのじゃな」
頭の上の金色のけも耳をぴんと立て。
「我が名はカリム・フローレンス」
虚勢を張るかのように、その小さな体躯をピシッと伸ばして。
「時を司るものにして、時を守り時の観測者にして」
腰から伸びているモフモフしているだろう黄金色の尻尾を左右にブンブンと振って。
「六柱神の一人、時空神カリムだ!」
彼女は名乗りをあげた.........。
っっっっって!!!、神様ぁぁぁぁぁぁ!?




