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五話 お茶がうまい...

「アァ、ツマリ、ゲンジンニソラカラオトサレタンダナ」

(あぁ、つまり、げんじんに空から落されたんだな)


こんにちわ、不肖クレアです。


現在、わたくし目の前の丸太で作られた椅子にちょこんと、実際はノシッっと、なぜかちょこんがふさわしい気がする、座り方をしているオーガさんと、向かい合ってティータイム中でございます。


場所的には、俺が落ちた場所、つまりオーガさんのお腹の上!!


じゃあなくて、おちた位置から城の方向に少し言った場所にあるオーガさんの家でございます。


いやー、さすがにオーガさんに運んでいただいて、ついた先が、森の中開けた場所に、どこかの山の中にありそうな丸太小屋があったときは驚きましたが...。


へ?移動方法ですか?


かなり断ったんですが、それこそ、文字どうりちょこんと肩に乗せられて運ばれました。


妹などがいたら、俺、墳死してそうな光景が繰り広げられましたよ、ええ。


そして、肩の上で、ゴメンくださいをした後、丸太の後に下ろされて。


あれよあれまの間に、お茶を渡されて、今に至るというわけです。


ところで、このティーカップ人間サイズですが?


へ?何が、おかしいと?


当たり前でしょが!!ここに住んでいるのはオーガさんですよ。


もちろん、五メートル弱あるオーガさんは体格に会ったコップを使っているのですよ!!


つまり、普段使わないはずの人間用があるのがおかしいのですよ!!



と、まじまじと、カップを見つめていると。


「マ、マズカッタカ...、イレナオソウカ?」

(ま、不味かったか...、淹れ直そうか?)


と、おずおずと聞いてきましたオーガさん...。


何か、凶悪な顔に似合わず優しいなオーガさん!!


「いえ...、とてもおいしいです


ただ、貴方のサイズに会わない食器がなぜあるかと不思議に思っただけですから」


と、素直に答えて見ました。


何か、その大きな身体を縮めて聞いてくるオーガさんを見たら、思ってもまずいとかいえませんって!!


いろんな意味で...。


まあ、もちろんお茶はとてもおいしかったのですが。


「ソ、ソウカ...

(そ、そうか...)


ナラ、ヨカッタ」

(なら、良かった)


と、ギラリと笑うオーガさん、いや、もうにやりとか、ふっとかそんなレベルじゃないですよこれ!!


笑みの形に口角をゆがめた瞬間にこぼれる牙とか!!


細めただけなのに、眼力が増したように見え目とか、俺、食われるかと思ったよマジで!!


「アア、ソレデソノショッキガナゼアルカダッタナ...

(ああ、それでその食器がなぜあるかだったな)


ゲンジンガアソビニクルカラトイウ、リユウナンダガ...」

(げんじんが遊びにくるからろいう、理由なんだが...)


ああ、ゲンジン、つまり俺を蹴りおとした、麦帽子娘があそびにくるからってことだな...


ところで、


「ゲンジンってあいつの名前か?」


なんと言うか、それっぽくないと言うか、どっちかというと男らしい名前だが...。


は!ああ見えて実は男だとか!?


「ナンカ、シツレイナコトカンガエテイルキガスルガ...アイツハチャントオンナダ...

(何か、失礼なこと考えている気がするが...、あいつはちゃんと女だ...)


ゲンジントイウノハホンミョウデハナイガ、アイツノシリアイノニンゲンゾクガ、アイツヲソウヨンデイタッテダケノコトダ...、ホンミョウハ、シラン」

(げんじんというのは本名ではないが、あいつの知りあいの人間族が、あいつをそう呼んでいただけのことだ...、本名は、知らん)


そうか、カタカナ見辛い、じゃ無くて、人間族が呼んでいたってことは、本名というか呼称か何かなのか?


なにか、どっかで聞いたことがあるような気もするが?気のせいか...。




「トコロデ、コレ、オマエノダロウ」

(所で、これ、お前のだろう)


なんとなく、マッタリと考え事していた俺の前に、その言葉と共にガシャンと斬馬槍が置かれる。


て、え?


「これ、オーガさんのじゃないのか?」


てっきり、オーガさんの愛刀なんだとばかり思っていたのだが。


「イヤ、コレ、オマエガフッテキタアトニイッショニフッテキタノダガ...」

(いや、これ、お前が降って来た後に一緒に降って来たんだが...)


ああ、なるほど、俺にかぶさるように突き刺さったから、てっきりオーガさんが俺の上から突き刺したとばかり思っていたのだけれど、実際の所は、俺と一緒に空から降って来たらしい。


そういえば、あのけも耳娘もプレゼントがあるだとかいっていたような気が......。


って、オイ。


この武器、オーガさんのモノと思ったのは、オーガさんがもっていってまったく違和感が無かったからなのだが。


つまり、大きさとしてはオーガさんにぴったりと言うわけで...でかすぎだろ!!


何で、自分の三倍近くある武器をプレゼントされないといかんのじゃ!!




ちなみに、いくら魔族の膂力があるからといっても、俺は五歳児。


いくら、頑張って見ても、キロどころかトンいってそうな斬馬槍は振れませんでした...。


引きずることはできたけど......。





やさしいオーガさんでした。


まあ、これから、しばらくコノ森で生活していく上でのパートナーですからね!!とても、いいお方なのですよ!!


科白が読みにくい以外は...。

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