二話 目覚め
本格的に四章、始まります。
悪夢か...、いや、今の状況の方が悪夢なのかな?
硬い、根っ子を枕にしていたため、軋む身体を無理やり起こす。
頭の中は、さっきまで見ていた遠い過去のような気がする悪夢と、数十日が経過した現在の状況という名の悪夢でごっちゃになっている。
まず、現在地は、まあなんだ『幻獣の森』らしい。
いや、なぜらしい?かって?
それはね、もちろん投げ落とされたからだよ!
空を、飛んでる馬車から!
この、鬱蒼とした森、というか樹海に!!
蹴りおとされたからだよ!!!!、え?さっきと違うって?
まあ、細かいことはいいのだよ!
今は、なんとしても生き残ることが先決なのだから!!
だってさ、考えて見ろよ、悪夢見てさ...、うなされて起きたら、樹海だよ!
しかも周り、ヤバイ魔獣に囲まれているのだよ!!
これを悪夢といわずなんと言えばいいのさ!!
「たく!あの女!何がしたいって言うのだよ~!」
と、クレアの叫び声がうかつにも、この魔獣の巣窟とも言える樹海にとどろき渡ったことは一度おいておいて。
今は、少し時を戻そう。
そう、たとえば、彼が馬車の中で目を覚ました時などに.........。
ガンガンと頭を勝ち割るような痛みに耐えながら、ゆっくりと目を開ける。
そして、柔らかく温かい、羽毛の感覚に戸惑うことになった。
天井は、簡素ながら決して安く無いだろうつくりであり、もちろん、俺の知らない天井である。
そして、ゆっくりとクビを回していくと、今いるのは、最後に記憶にある草原ではなく、もちろん、俺の部屋でもない、見知らぬ誰かの部屋らしいということがわかる。
ただ、不思議なことに、頭から見える位置にある窓が映しているのは、澄み渡った空と、いつもより近い気がする太陽、そして、もやのように窓にまとわりつく、薄い霧のようなものだと言うことだ。
つまり、ただの家にしては、見える風景が幻想的過ぎないか?と、思うのだが。
とか、何とか考えていると、ベットの隣にすえつけられているらしい、ソファーの上で白い塊のような物が身じろぎしたのが目の端に見えた。
さて、皆さんもうすうす疑問に思っていると思うが、なぜ、俺の身体はクビから上しかまともに動かないのだろうか?
金縛り?いや、違う。
感覚としては、全身が何かに縛られている感じに近い、何か縄のような物で、がんじがらめにされているといえばいいだろうか?
といっても、ぱっと見た限り、俺の身体は、綺麗にベットに横になっており、そこには包帯すら巻かれていない。
つまり、身体の動きは一切疎外されていないのだ、見た目的には...。
じゃあ、何だろう?魔法か?
しかし、属性系の拘束魔法なら、それこそ、わかり安いぐらいに火の縄とかが絡みついている物なのだが?
まあ、風属性と光属性なら多少わかりづらい所はあるが。
それでも、視認できないほどじゃない...。
ならなんだ?魔宝具の一種か?たとえば結界内で許可した者しか動けない魔法がかかった道具とか...。
いや、それなら、首が動いているのがおかしいか。
感覚としては、身体が縛られている感じだしな...。
「呪縛か?このベットに寝たものはクビ以外動かせないとか?」
と、いつの間にか考えていたことが口から出ていたのだろう...。
その答えは、予想外に早く返って来る。
「はずれじゃな、流石にそんな限定的でめんどくさい呪縛を使うぐらいなら、属性拘束でも使うじゃろうな...
それに、おぬしが寝ているそのベット、普段はワシが使っておるのじゃ、そんな、気持ちが悪いことするわけあるまい...」
どこか、眠たそうな感じで放たれたその声はの主人は、でっかい麦藁帽子をクビにかけた金色のけも耳をぴんと建てた勝気そうな少女だった。
「それで...?」
俺が、発した言葉に不思議そうにクビをかしげる少女。
「それで?結局呪いでもなく、魔法でもない、君はいったいどんな手段で俺を拘束しているんだ?」
俺は、淀も無く質問を続ける。
その質問を、どこか思案気に吟味するかのように、もったいぶった間をあけた後、少女は答えた。
「ふむ、まあ魔法で間違いないのじゃがな、
御主を縛っておるのはのう
ワシが紡いだ、」
と、呟きながら、なにやら糸を操るかのように、その小さな手のひらを寝ている俺にむける。
「魔道神経じゃ...」
そして、その言葉と共に、俺の眼前、俺の首から下が視覚化された何万本もの魔法糸によって俺が縛りあげられているのが理解できた。
『魔道神経』...その、聞きなない言葉と共に。
四章開始に伴って、あらすじを改変いたしました。
四章は少しシリアス要素が強くなる気がするので、まあ、それでも暴走する予定ですが。




