表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/92

二十九話 無垢なる覚醒

目を開けると、流れるような銀糸を振り乱しながら、ユノスが舞っていた。


鉤爪のように構えられたその手技が、やすやすと剣士の鎧を引き裂いている。


しかし、攻撃中の彼女が背後からの攻撃に気がつくはず無く、その背中には数本の矢が刺さっていた。


-まず、弓使いか-


身体の、調子を確かめながら起き上がる。


...むしろ殴られる前よりいいくらいなのだがなぜだろう?


俺、マゾだったけ?


なんてこと、考えながら、今まさに森の木陰から弓を撃とうといていた弓使いに駆け寄る。


あ?なんだ?


さっさと撃てばいいのに、なぜこいつはこんなにぐずぐずしてるんだ?


軽く走るような感じで、弓使いの前に立つと。


大きく目を見開いた彼の顔面を殴りつけた...。


ゴキュっと、どこかの骨が折れるような音と共に倒れ付す弓使い。


まあ、起きてこないならそれでいい。


後、四人、いや三人か...。


目の前には、ユノスと戦っている槍使いと、こちらを唖然とした顔で見ている大剣使い。


そして、足元には、大量の切り傷をおって血溜りを作っている剣士。


この分じゃ、ユノスについている血は全部あいつの血かもな...。


まあ、いいや。


愚鈍な大剣使いはあと回しにしても問題ないだろう。


なら、先に魔法使いをつぶしておこう。


今度は、拘束じゃなくて、完全な攻撃魔法見たいだしな...。



-「穿て・貫け・撃ち砕け」<ルーガ・スーラ・バハナイク>


懐かしい、旋律の元


-「祖は我にして千輪の友」<ガウランブルクス>


暗き波導を纏った魔力が意思の元、顕現する


-「我が戦友にして血山の作り手」<デルナギスタ・ハマルノス>


ただ、懐かしき旋律は優しき光ではなく、甘い闇の色に包まれていた


-「我が願いと共に、千年の盟約を守れ」<デルバンギス・アイナモス>


随分、長い間忘れていた、闇色の槍。


先の人生にて、己の命を奪った最後の一撃を。


-「我穿つ漆黒の三つ叉魔槍」<ブラッド・ジャベリン>


我が敵に、撃とう......。




破壊の槍が、魔法使いの身体を穿つ。


最強と歌われた勇者を屠った魔槍に、人間ごときの作り上げた装備が耐えうるはずも無く、三叉の槍が彼女の命を抉りとっていく。


その姿は、まさに千輪の槍。


火炎の燃える草原に、闇色の槍花が咲き乱れた。


それだけの破壊が、彼女一人にとどまるわけも無く、間一髪のところで逃げ出した大剣士と、何かを察知したのか相手の槍使いを蹴り飛ばし、こちらに飛んできたユノスを残し闇にのまれていく。


まだ生きていたかもしれない、弓使いも剣士も、そして、ユノスに蹴り飛ばされた槍使いの悲痛な悲鳴も。


魔法を撃った体勢のまま、固まっていると。


気になったのか、ユノスに優しく肩を叩かれる。


「...大丈夫...、クレアは悪くない...」


何が、言いたいのか少しわからない気がするが、きっとこの世界で始めて人を殺した俺を気遣ってくれたのかもしれない...。


まあ、人はともかく、魔族なら沢山殺してきた気がするので、気が咎めるのも今更という気もするが。


「ありがとう、ユノス」


とりあえず、礼を言うのが礼儀だろ?


「クレア、髪...黒く...」


そんな、俺を見てユノスが何かを言おうとして。


「う、動くな!こいつがどうなってもいいのか!?」


俺たちの後ろから、そんな声が聞こえた。


ゆっくりと振り向くと。


さっきの大剣使いが、大剣の代わりに小さなナイフをアルマのクビに突きつけて立っていた。


ところで、こおいう時、皆のセリフがおなじだよな...。


「ふ、二人とも、身に着けている武器を全部はずせ!!!」


あほか、俺達はみんな丸腰だ...。


「その後、火炎のなかに飛び込みな!!はは、そうしないと、この女が死んでしまうぞ」


ヒャハハハハハと、どこか狂ったように笑う男。


その言葉を、これ以上聞く気にもならず。


「アルマ...、目を瞑ってろ」


「ははは?なんだあ自分の死ぬ姿を彼女に見せたくないノカ?じゃあ駄目だ!目ー開けてな」


狂ったように笑っている、男を無視して、アルマは目を閉じる。


「お前、馬鹿か?」


アルマが目をつぶる理由?決まっている。


しばらく使って無かったからな...、ちゃんと使えるかは微妙だが...。


まあ、なんだ根拠のない自信が湧いてくる。


「お前を、殺すために決まってるじゃないか」


その言葉と共に、男と目が合う。


「ウア?アウウアア......」


俺と、目が合った男は、まるで、呆けたように立ち尽くす。


強すぎる魅了の力【魔王の魔眼】によって意思を奪われた男。


その手からこぼれ落ちたナイフを握って、俺は男のクビにナイフを突き刺した。




地面に倒れたやつの首から、ナイフを引き抜く。


その瞬間、噴出した血潮を浴びながら、俺は静かに倒れていった。


閉じていく視界の中、ゆっくりと金色に戻っていく、黒い髪がやけに印象的だった...。

終わり、鬱展開疲れた。


肩こった。


グタッ。


一話1500×5


大体7500?一日で打つ量じゃないー。


でも、さっさと終わらせたかったから、頑張った。


誤字脱字感想意見お待ちしております。


怖い気もするけど、賛否両論かな...?


否の方が多いいか。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ