二十二話 空白の食卓
とうとう昨日、一日のPVが100000を越えてしまいました。
良くわからないけど...。
二人をバスケットに入れて、部屋を出る。
扉を閉めながら、くるりとバスケットを横に一回転...
『おおー、ゆれるゆれる?』
『きゃーーー、やめろ!揺らすな!死ぬ!いや、むしろ死ね!』
二人の身体が大体、二十センチほど、今の俺は、やっと一メートルを越えたくらいの身長なのだが...。
二人にして見れば、大体、人間が身長の倍以上の高さでバスケットに揺られていることに等しいらしく、楽しいリアクションが返ってきた。
いや、何か気分的に軽く振ってみただけですよ?ここまで、喜んでいただけるとは。
「なんだ、サラは意外と怖がりなんだな」
と、笑いかけてみた、レッツ!スマイル!
コミュニケーションに笑顔はかかせませんぜ!こられな、どんな相手もイチコロさ!
サラには、ぶん殴られたけどね...。
空中滑空からの、姿勢制御、風切り音の後に身体全体でひねりを加えた右ストレートが、俺の顔面に突き刺さりました。
『落ち着いて、サラちゃん?お兄さんは悪くないよ?きっと、私達を楽しませようとしてくれているだけなんだよ?』
『フゥーーーーーーッ、フゥーーーーーーーッ!私には、こいつからは悪意しか感じないわ!!』
そんな、和やかな空気をかもし出しながら居間に到着。
さて、今日の晩御飯は何だろう?
「あらお兄様、お早いお目覚めですわね」
「おはよう、クレア」
「おは...よう...」
「あらあら、ひどい寝癖よ?クレア」
居間に入ってかかってきた、皆さんの第一声です。
うん、上からサクラ・父さん・ユノス・母上様ですね...。
とりあえず、二人が入っているバスケットをテ-ブルに乗せて、手招きしている母上様の膝の上にちょこんと座る。
ユノスとサクラが、バスケットの中を見て、何か驚いたような表情をしているが今は無視。
「あらあら、クレアは甘えんぼさんね...」
と、嬉しそうに笑っている母上様に寝癖を直してもらった。
母上様...、修行の時もこれくらい優しくしてくださいよ...。
「それで、そちらのお二人さんはどちら様なのかしら?紹介してくれる?」
七三分け、オールバック、三つ編みと紆余曲折を経て、何とか普段どおりの適当に前に流した髪に戻った後、母上様がバスケットの中の二人を見ながら訊ねてきた。
「えーと、俺は良くわからないのだけど、
なぜか起きたら部屋にいた、小妖精のエルフィーとサラさんです」
『よ、よろしく、エルフィーです?エルでいいですよ?』
『よろしく、サラフィよ、サラでいいわ』
と、おどおどと答えるエルさんと、ぶっきらぼうなサラさん。
「二人とも、こんにちわ
この辺りの領主をしているクォーツだ、もっとも妖精である二人のは関係のないことだと思うけどね」
と、二人に笑いかける父さん、なんだ、たまには貴族らしいこともいえるんだね。
「こんにちわ
妻のメアリィよ、二人とも好きなだけゆっくりとしていくといいわ」
と、俺を膝に乗せたまま優しく微笑む母上様、おおー、この微笑...淑女ってやつですか?
ところで、残った二人、「なぜか?...まさか、兄さん記憶を失っているの!」とか「サクラのせい...、やりすぎ...」とか、何か不穏な会話が聞こえてくるんだけど...。
気のせいかな...?気のせいだよね...?
「失礼、長女のサクラと申します、二人ともよろしくお願いしますね」
「ユノス...、よろしく...」
と、不安げな表情で眺めていた俺を、華麗に無視して挨拶を始めるサクラとユノス。
お兄ちゃんは、無視は、いじめだと思うんだ...。
「ふむ、皆の挨拶も済んだようだし、晩ご飯にしようか」
必死に、二人に送っていた疑惑のまなざしも、父さんの空気を汲んだのか、読めていないのかわからない一言に仕切られて終わりを向かえた。
そして、その言葉を待っていたのか、隣の厨房から、料理を持ったマリアさんとドロシーが出てくる。
皆の前に並べられていくのは、パンとスープ、そしてちょっとした肉料理。
おのおの、配られると共に、思い思い手にとって食べ始めている。
俺以外は...。
「ねえ、マリアさん、どうして僕にはご飯がないのでしょうか?」
切実な疑問である。
「本当なら、ぶん殴っているところだが、まあ、あの包帯の件もあるしね
晩飯抜きで勘弁してあげるよ...」
えマリアさん?意味わかんないのですけど...?
こうして、その日、俺の座っているテーブルの前には、永遠に料理が並べられることは無かった...。
泣いていいかな...?
まあ、ちょっとづつ、使うかわからないフラグというか複線を張りながら進行。
カタツムリよりも遅いな...。
誤字脱字感想意見お待ちしております。