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二十一話 「丸く収まれば、すべてはいいじゃないですか」by女神様(腐)

二章最後です。



ぼくが、帰ってくると。

ぼくの寝室では、愛する、妻と子供達が、抱き会うように眠りについていた。


その姿に、微笑を浮かべて、子供達の頭に軽くキスをする。


最後に妻の頬にキスをしてぼくは、静かに寝室を後にした。


だれも起こさないように、静かに扉を閉めて居間に向かう、そこにはぼくと同じ青い髪の妹が、そのひいき目にみても綺麗な顔を憂いに染めて座り込んでいた。

その隣では、ずっと気絶しているふり・・をしていたらしい、エルフの女性が同じような表情をして果実酒をのんでいた。


「で、どうだった?」


二人の給仕をしていたマリアに同じものをたのんでから、ぼくは二人前に座り、そう切り出した。


「なにが、にいさん」


相当、不機嫌そうだ、これはなかなか手ごわそうだな。


「もちろん、可愛い我が子のことさ、昼間話したんだろ」


領主としての仕事が無ければ、いや、今回の仕事が見送りで無ければ、絶対自分もいたかった。

流石に、今日はメアリィに、いかないと言ったら、叩きだされてしまったが。


「最悪よ、いろいろな意味でね、もちろん、私の気分的にもね」


我が妹にしては、珍しく本当に落ち込んでいる。


「アイウスは、どう思った」


埒があかなそうだったので、標的を我かんせずなエルフに向ける。


「そうねー、世の中には知ってしまったほうが不幸なこともあるのよね」


それ以上は、何も言ってくれなさそうだ。


どうしよう、すごい気になるんだけど。


「いまは、知らないほうがいいことでもあると思うよ、それこそ、メアリィみたいにすべてを捧げるほどあの二人を愛せるなら別だけれども」


「兄さんにはむりね、私の兄だもの」


ひどい言われようだ、この二人かなり鬱憤がたまっているようだな。

そこまで、破壊力があったのかあの二人の言葉は。


「はあ、しかもあれよりも奥があるっていうのがね」


「本当、信じられないわ、私なら発狂してそう」


ああ、二人だけわかる話題で盛り上がるのは、やめてくれ。

お父さん、泣きそうだ。


「義姉さんも、大概よね、私、自分の子供からあんなこと聞かされたら、愛しているなんてとてもじゃないけど言えないわ」


「流石。メアリィって話よね、私、ぞっとしたけど、少し泣いちゃったもの」


メアリィが、何をしたっていうんだ、そこんとこ詳しく話してもらえませんか二人とも。


「しかし、あんな重いお話を淡々と話すわよねあの二人も、我が姪甥ながら、末恐ろしいわ」


「でも、流石にメアリィには敵わなかったみたいね、鬼の目にも涙って言うのかしらねああいうの」


おい、アイウスぼくの子供は鬼じゃ無いぞ、そして、あの子達は君らに何を語ったんだ!


彼女達の愚痴と共に夜はふけて行く。


父親が、いくらがんばっても、わかったことは妻が最強だったという、わかりきった事実だけだったそうだ。






母の、腕の中でお兄様と一緒に眠る。

どこよりも暖かく、決して離してはいけないぬくもり。

額には、父親の優しさが残っているし、目の前には、ずっとあこがれ続けていた、『存在』が兄として寝ている。

そして、私達を包み込むように母が。


-こんなに、幸せでいいのだろうか


心の中で独白してみる、兄には届いているだろうが、深く眠っているのか返事は無かった。


もしかしたら、明日には終わってしまうかもしれない、そんな、幸せ。


幼い姿をした彼女は、誰よりも幸せの尊さを知っていた。


その、『存在』として与えられた役割のために決して味わうことの無かった、日常の尊さを。

それがどれだけ、壊れやすく、はかない存在であることを。


だからこそ、お母さん、お父さん。


あなた達が、許してくれる限り私達はそれを手放さない、どんなことがあっても守って見せる。


-それが、私の誓い


-なら俺は、お前を、サクラがその誓い捨てない限り、サクラを守ろう、それがサクラが誓いを守りことにつながるのなら


その瞬間、寝ていたはずの兄から、意識が流れ込んでくる。


【以心伝心】決して途切れることの無い、初めて得た絆、兄となった『彼』と私と対極の『存在』とつながった絆。


そして、初めて得た、初めて感じた家族の暖かさ。


そのすべてに包まれながら、私は眠りにつく。


明日は、何をしようかな?


お母様とドロシーもつれて、ピクニックに行こうか、兄と、いやクレアと修行に励もうか、それとも前から気になっていた論文を、お父様から借りてこようか。


そんなふうに、考えることができる、今日を、今をいとおしく思いながら。


私は、静かに目を閉じた。


-おやすみなさい、明日はもっといいことがありますように




何とかうまくまとめることができたでしょうか?

やっぱり、かなり強引になった気もするのですが。

三話目をメアリィ視点にすると決めて、書き始めるとあれ以外の終わり方が思いつかなかったので。


それでは、次話からは三章になる予定です。


気まぐれな作者なので、間に外伝を挟むかもしれませんが、そのときは温かい目で見守ってください。


誤字脱字感想意見などありましたら感想のほうに書き込みをお願いします。


ふう、一日でこんなに書いたのは初めてだからな。


誤字が多そうだ。


それでは、また、できれば三章、やっちまえば外伝でお会いいたしましょう。


なあ、しばらく休憩してもいいかな?

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