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女神の不手際で異世界転生! 最弱な俺が目指す『一発逆転』サクセスロード  作者: おといち


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39話 一行、接敵す

「はぁー…。久々のベッドでの就寝は実に至福のひと時でした…」


明朝、愛しのベッドに別れを告げ宿を出た俺達は、馬車に揺られ王都への旅路を再開していた。

旅の日程ももう四日目。今回の予定では五日目の夕刻には王都へ到着する予定とのことだったので、

いよいよこの旅も終盤へと差し掛かっていることになる。


「はは、俺達はもう慣れてるけど、コースケ君には馬車暮らしはやっぱり堪えるよね」


現在馬車に乗り合わせているエドガーさんが笑いながらそう言った。


「えぇ、それはもう…。でも、もう少しの辛抱ですから」

「コースケ君、王都に着いたとしてもまだ帰り道があることをお忘れなく」

「た、確かに…!」


そうなんです…。オズワルドさんの言う通り、旅ってのは往路があれば復路が存在しているんです…。


「まぁヨルダまでの道は今より急ぐ必要もないからね。もう少し町を経由して行程が組める筈だよ」

「なんにせよ、無事に王都までたどり着くのが先決ですね。このまま何事もなければよいのですが」


やめるんだオズワルドさん、そんな立派なフラグを立てないでくれ。

…そんな俺の願いを打ち砕くように、先行しているガルドさんからの”止まれ”の合図が送られてくる。


「魔物…ですかね?」

「…いや、どうやら違うみたいだ」


エドガーさんの雰囲気が今までとは違う緊張感のようなものを持っている。

目を凝らしていると、遠くの方からいくつかの人のような影がこちらに近づいてきている。


「どうやら野盗のようですね」

「野盗!?オズワルドさんがフラグなんて立てるからですよ!」

「フラグ…?旗、ですか…?」

「あ、すみません。なんでもないです」


テンパって前世の言葉が色濃く出てしまった。


「妙だな…偶然居合わせたというより、こちらを待ち伏せしていたように見える」

「待ち伏せ…!?つまり、俺達がここを通るのがわかっていたってことですか!?」

「しかも、こちらが何か価値のある”積み荷”を積んでいることも…ですね」


どうなってるんだ。何故そんなことができる?誰かが情報を流した…?

しかし、一体誰が…。

そんな俺の動揺なんかお構いなしに、人影はどんどんこちらに近づいて来る。…おいおい、20人近くはいるぞ…!


「止まれ!!こちらは王国騎士団、それ以上の接近は敵対の意思があるものと見なす!!」


ガルドさんの静止に、あちらも一旦は歩みを止める。


「王国騎士団のガルドだな?積み荷を全て置いて行くのなら、命までは取らんが…どうする?」


こちらと相対している男の内の一人がそう言い放つ。大勢いる野盗の中で、馬に乗った者が三人…その内の一人だ。

あいつがリーダー格なのだろうか。


「断る。…私の名を知っていて向かってくるとは、大した自信だな。ランド兄弟」


毅然とした態度でガルドさんがそう返す。


「ケヒヒ!あのガルドサマに知ってもらえてるとは光栄だなァ!」

「…ランド兄弟?」

「名のある二人組の冒険者さ。確か、Bランクとしてギルドに登録されている筈だが」


前にギルドのレミリアさんから説明されたことがある。

冒険者は下からE,D,C,B,A,そして特Aランクという、6つのランクに分類されていると。

中でも特Aランクというのは特別な功績を残した者にのみ与えられる”名誉ランク”みたいなものらしいので、

Bランクは実質上から二番目に分類される高ランクということになる。


「えぇ。しかしランド兄弟は裏との繋がりが疑われているため、Aランクへの昇格が認められていないだけです。

実力はAランク相当と言ってもいいでしょうね」


なんてこった…つまり実力は折り紙付きってことじゃないか。


「安心してくれ。Aランクだろうがなんだろうが、我々が後れを取ることはないさ」

「そうですよ、コースケ君。国の…騎士団の威厳があるからこそ、ギルドという物は成り立っているのです」

「は、はい…!」


…とはいえ、人数の差は歴然だ。俺の不安な気持ちは拭い切れないでいた…。

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