表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神の不手際で異世界転生! 最弱な俺が目指す『一発逆転』サクセスロード  作者: おといち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/45

35話 便利な男と情けない男

「…コースケさん。貴方、鑑定スキル以外にも規格外なところがありますよね?」


朝食を済ませ王都への旅路を再開した一行だが、俺はというと昨日とは違い、女性陣が乗る馬車に同乗している。

…いや、正確にはラムレスさん達に()()()()()と言った方が正しいか。

食後、後片付けと洗濯物を【スピードウォッシュ】で爆速で終わらせたのを目の当たりにした女性陣に

『アナタ一体どうなってるの』と詰められた結果がこれである。

ちなみに洗濯と言っても女性陣の…特に肌着には、流石に俺からは手を出していないぞ。

…そんな便利なスキルが使えるなら是非やって欲しいと渡されたので、結局洗濯したけども。無心で。…えぇ、大変でした。

女性の衣類の洗濯だけなら普段宿場でもやっていることなのだが、

まとめて洗濯するのと直接預かって洗濯するのでは…やっぱりわけが違いますよ。


…ま、まぁそんなこんなで主にスキルのことなんかを質問攻めにあい、答えられる範囲で答えて今に至るといったところだ。

【食材調理】は今朝披露したが、【素材調理】に関しては当然ノータッチである。レアスキルらしいからな。


「はは、ちょっとまぁ色々ありまして。」

「色々って言われても…前から思ってたけど、コースケ君ってちょっと変わってるよねぇ。」

「スキルに関しては変わってるというレベルでは…いえ、おかげで助かりましたけども。」

「まぁ細かいところで役に立つ男だってことで、勘弁してください。」

「…便利な男…。」


レイアさん、その表現はなんかちょっと語弊がある気がするんですけど。


「でもほんと、戦うことに関してはからっきしなんですよ…。センスも無ければ魔力もほとんど無いみたいで。」

「あら、そうなんですね。」

「あー…そういえばフィゼちゃんから聞いたかも。」

「そうだ。ラムレスさん、よかったら魔法について少し教えてもらえませんか?」

「…コースケ、魔法のこと知らないの…?」

「いやー、自分で使えないとなると悔しくて。正直ほとんど知らないです。」

「えぇ、もちろん構いませんよ。先ほどまでコースケさんに色々聞いてばかりでしたからね。」


使えないとは言え、知識は持っているに越したことはない。

この場に魔法の専門家がいるのならば、やはりここは魔法について知識を得ておくべきだろう。


「まず、魔法というのは大きく分けて六属性に分類されます。火・水・風・雷・土…そして光ですね。」

「ほうほう。」

「そして、私のような『魔法使い』と呼ばれる人間が扱えるのは、光以外の五属性となります。」

「あれ?光は特別なんですか?」

「光属性は主に聖職者…神に仕える者だけが扱える力です。

その力は直接の攻撃ではなく、回復や能力の増減…所謂、戦闘の補助的な役割を担います。」


なるほど。一口に魔法と言っても攻撃的な魔法と補助的な魔法に分かれてて、それぞれ扱える職業が違うのか。


「となるとラムレスさんは、光以外の五属性の魔法を使えるってことですか?」

「そうですねぇ…。『使える・使えない』という話であれば、答えはイエスです。ただ体に宿っている魔力の流れによって

どうしても得手不得手は出てきますので、五属性全てを使()()()()()()わけではありませんね。」

「ちなみに私も、土魔法なら少しは使えるよ!」

「…私は風魔法。弓での戦いにも応用できて便利…。」


なに!サーシャさんもレイアさんも魔法を使えるのか…フィゼさんも風魔法を使っていたし…。

クソッ!どうして俺には強力な魔力が宿っていないんだ!そしてできれば火が良かったぞ!!


「…あれ?そういえば食材の保管に魔法で出した氷を使ってますよね。氷属性っていうのはないんですか?」

「氷魔法は水属性の応用になりますね。私が得意とするのはその水魔法です。」

「へぇー、そうなんですね。水も氷も出せるって…かなり便利な魔法ですよね。」

「そうですね。特にこのような遠征時には重宝されますよ。」

「やっぱり。」


そうだろうなぁ…昨晩みたいに川の近くで野営できればいいけど、遠征する場所によってはそういうわけにもいかないだろう。

そうなってくると、『水問題』が解決できる水魔法っていうのはかなりのアドバンテージがありそうだ。


「まぁ魔力にも限りがありますから、一瞬で無制限に…というわけにはいきませんけどね。

それでも遠征の間の生活用水ぐらいなら問題ありません。」

「いいなぁ…俺も魔法が使えたらなぁ…。」

「いや、コースケ君も十分すぎる程に凄いけどね?」

「うーん…でも俺、今その辺に一人でほっぽり出されたら、三日ともたず死んじゃう自信ありますよ。」

「…確かに。あんまりサバイバルしてるイメージはないかも。」

「戦闘が苦手なら、少し強い魔物と遭遇したら一溜まりもないかもしれませんね…。」

「…簡単に想像できる…。」


ぐっ!俺からはじめた話とはいえ、ここまですんなり受け入れられるとプライドが…!

しかしそんな俺にできることといったら、精々その日の野営で夕食作りに精を出すことぐらいだったのである。

…スキルを使うと一瞬で完成してしまう分、達成感は無いんだけどね…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ