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女神の不手際で異世界転生! 最弱な俺が目指す『一発逆転』サクセスロード  作者: おといち


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27話 化学の力ってすげーって話

あの”涙の魔物初討伐記念日”から、更に一週間ほどが経過した。鍛錬の甲斐もあり、今ではなんと

グリーンスライムなら1発で倒せるようになった!…3回に1回ぐらいは、だが。…これでも大きな進歩だろ?

宿場の仕事の方も順調で、今もせっせとお洗濯に勤しんでいる。今日は天気も良い、絶好の洗濯日和だぜ。

…まぁスキルのおかげで一瞬で乾くんですけどね。


チリンチリン♪


「おーいベティス!邪魔するぞ。」

「おっ?なんだ、ドレルのおやっさんじゃねぇか。珍しいな。」

「おーおー暇そうにしてやがんなぁ。景気でも悪いのか?」

「ちげぇよ。コースケの奴が来てから、幾分時間に余裕ができてな。あの野郎、仕事がはえぇのなんの。」

「そいつはいいことじゃねぇか。…で、そのコースケなんだがな。ちっと借りて行ってもいいか?」

「あァん?なんだ、仕事でも手伝わせんのかい?」

「そうじゃねぇ。…事情は今度詳しく説明する。頼めるか?」

「まぁ構わねぇけどよ…。おーい、コースケ!お前に客人だぞ!」


ちょうど洗濯も一段落したところにベティスさんのデカい声で呼ばれ、俺はフロントの方に顔を出した。


「…はーい、俺にですか?…あ、ドレルさん。こんにちは。」

「おう、コースケ!中々頑張ってるみてぇじゃねぇか。」

「はい。ベティスさんやフィゼさんにはお世話になっているので。あ、もちろんドレルさんにも。」

「若いのに感心なこった。…さて、早速で悪いんだが、ちょっとお前に頼みがあってな。」

「え?は、はい。俺にできることなら。」

「よし!そうと決まったらついて来てくれ。ベティス、今度また酒でも飲もうや。」

「おっ!コースケ貸した分、おやっさんの奢りってことかい?悪いねぇ。」

「チッ。ちゃっかりしてやがるぜ、ったく。」

「じゃあベティスさん、ちょっと行ってきますね。」

「おう。」


宿場を出た俺とドレルさんは、なんとなく気まずい空気の中、どこだかわからない目的地へと向かっていた。

うーん…ドレルさんって職人気質というかなんというか、正直ちょっとだけ近寄りがたいオーラが出てるんだよな…。

…いや、決して悪い人ではないんだ。例の【リラクゼーション】の一件もあって、新参者の俺にも良くしてくれてるし。


「…ところで、これからどこに行くんですか?」

「なーに、すぐそこだ。…予め言っておく。コースケ、これから起こることは絶対に他言無用で頼む。

…もちろん、ベティスやフィゼにもだ。わかったか?」

「…わかりました。」

「なに、別になんか悪さしようってわけじゃねえ。その二人にも、今日のことは機を見て必ず俺から伝える。」


これから一体なにが起きるのか…わからないが、ドレルさんがこう言っているんだ。ここは素直に従っておこう。


「着いたぞ、ここだ。」

「え?ここって…。」


到着した場所は、見知った建物。俺も何度か訪れたことがある…ここは、サーシャさんの道具屋だ。


カランカラン♪


「おう、待たせたな。戻ったぜ。」

「お帰りなさい…って、コースケ君?」

「あらー?コースケさんじゃないですか。」


店の中にいたのは、道具屋の店主サーシャさんと、そして何故かギルドの受付嬢であるレミリアさん。

この二人+ドレルさんって、なんかちょっと意外な組み合わせだな…。


「あ、どうも。…あのー、ドレルさん?これは一体全体どういう集まりなんですか…?」

「え!?ド、ドレルさん…まさか、なんの説明も無しにコースケ君を連れてきたんじゃ…?」

「まぁな。説明するにしても、なるたけ周りに人がいねぇ方が好都合だろ。」

「それはまぁ、そうですけど…。大丈夫?コースケ君。無理矢理連れてこられたりしてない?」

「いえ、それは大丈夫なんですけど…。とりあえず状況を説明してもらってもいいですか…?」

「そうね。…事の発端は、これよ。」


そう言うと、サーシャさんはカウンターの上に置いてある小瓶を指さした。これって…


「ポーション…ですか?」

「そうよ。ただ、これがどういう効果のポーションなのか…それがまったくわからないのよ。」


ポーション…それは、一言で言うと”薬”だ。液体状の薬で、内服薬タイプの物と外用薬タイプの物が存在している。

”ヒールポーション”なんが代表的な物だが、これは内服・外用で効果が変わる、ちょっと特殊な物になる。

内服…つまり飲んだ場合は、疲労や肉体的なダメージを回復する効果がある。

いわゆる栄養ドリンクに近いが、効果はもっと強力で即効性もある。前に食べたヒールスライムのゼリーと同じ効果だ。

外用…こちらは傷口に直接振りかけることによって、傷口を塞ぐ効果がある。

それほど深い傷口でなければ、一瞬でふさがってしまう…らしい。そんな大怪我をしたことがないので使ったことはない。

他にも解毒するための”アンチドートポーション”やら、逆に対象を毒状態にする”ポイズンポーション”やら…

とにかくこの世界には沢山の種類のポーションが存在している。


「普通のポーションならわかるんだけどねぇ…これはどうも違うみたいで、困ってるのよ。」

「普通のポーション?」

「そう。そのへんの大量生産品とかね。」

「あれ?ポーションってレアスキルの【ポーション調合】で作るんじゃないんですか?」

「まさか。素材と知識さえあれば、普通に流通してるポーションぐらい作れるわ。設備さえあれば大量生産も可能よ。」

「そうですねぇ。後は大量にとはいきませんが、素材と【調薬】のスキルがあれば、少量のポーションなら短時間で作れますよ。

【ポーション調合】はその上位スキルです。」

「あ、そうだったんですか…。」

「そして恐らくその【ポーション調合】で作られたポーションが、これってわけ。」

「【ポーション調合】ってのはだな、ポーションと別のポーションを掛け合わせて複合効果を持たせたり、

ポーションに別の素材を掛け合わせて効果をより強力にすることができるスキルなんだ。」

「そしてもう一つ。特殊な素材を掛け合わせて、オーダーメイドのポーションを作ることが可能なの。」

「オーダーメイド…?」

「素材が本来持つ力とは全く違う効果を、幾つかの素材を掛け合わせて無理矢理引き起こすことで得られる…。

つまり、一種の化学反応を利用して、本来得られない効果のポーションを作る。それが、オーダーメイドよ。」

「か、化学反応…。」


前に科学の話をしたと思ったら、今度は化学か…。学の無い俺には厳しいことになってきたぞ…!

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