表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/38

13話 はじめての武器。いい仕事してますねぇ

「おうラッセル、戻ったぞ!」

「あ、お帰りなさい親方。…あれ?なんか随分元気になってません?」

「おうとも!この兄ちゃんのおかげで体もすっかり元通りだぜ。」

「マジすか!?そりゃ良かったっすね!」

「あぁ。これでまたお前のことをビシバシしごいてやれるってもんよ!」

「…あんま良くなかったっす…。」


ジトッとした目で俺のことを睨んでくる、ラッセル君。どんまいラッセル君、頑張れラッセル君。


「うっし、それじゃあここにあるモンどれでもいいから選んでくれや。」

「はい。それではお言葉に甘えて。」

「お買い上げっすか?」

「いやなに、治療の礼に兄ちゃんに好きなモンくれてやるって話になったんだ。」

「…好きなものって、結構値が張るのもあるっすよ?」

「俺がいいって言ったらいいんだよ!」

「うっす。…まぁだいぶ辛そうにしてましたからね、親方。コースケさん、俺からもお礼を言わせてもらいます。」


かるーくぺこりと頭を下げるラッセル君。さすが厳しい親方のお弟子さん、根はまっすぐなんだろうな。

…とりあえず今度フィゼさんにマッサージするかもって話は伏せとこっと。


「ところでラッセル。お前明日までに仕上げなきゃいけねぇやつ、上がってんのか?」

「いっけね!作業に戻りますんで、こっちはお願いします!また来てね、フィゼちゃん!」

「はい。頑張ってくださいね、ラッセルさん。」

「はーい頑張りまーす!」

「まったく…。」


ドレルさんにどやされ、ラッセル君は疾風のようにフェードアウトしていった。フィゼさんへのアピールも忘れない器用な男だ。

あっちの奥が作業場になってるのかな。鍛冶屋の仕事風景も一度見てみたいもんだ。


さて。壁一面に、そして棚や机に並ぶ武器の数々…壮観というか、武器に馴染みのない俺はむしろ怖いぐらいだ。

盾なんかもちょろっと置いてあるが、ほとんどが武器…その中でも剣が大半を占めている。

剣と一口に言っても、でっかい大剣だったりスラッとした細身の剣から、ナイフのようなものまで多種多様。

…これ、どれを選べばいいんだ?当たり前だが俺、マジモンの剣なんて見たことも触ったこともないぞ。


「あのー…武器って触ったことないんですけど、これどうしたら…?」

「あぁん?兄ちゃんその歳で魔物との戦闘経験もないのか?」

「お恥ずかしながら…。」

「ほんと今までよく生き残ってこれたな…。まぁいい。うちには槍や斧なんかも置いてあるが、

まぁはじめてならやっぱり剣がいいんじゃねぇか?うちで一番出るのも剣だし、なにより種類も多い。」

「ほうほう。」

「大きく分けて両手剣ツーハンデッドソード。ロングソード。ショートソード。その中間のバスタードソード。

後はその辺の短いのがダガーだ。…まぁ他にもあるんだが、一般的なのはこの辺だな。」

「なるほど。」


「ツーハンデッドソードやロングソードは兄ちゃんには持て余すだろうし、ダガーだと相手にかなり接近しなきゃいけねぇ。

となると、ショートソードかバスタードソードあたりがいいんじゃねぇかと思うぜ。」

「へぇー。この2つって長さ以外になにか違うんですか?」

「いや、長さがほとんど全ての違いになるな。平たく言やぁショートソードが片手持ちの剣なら、

バスタードソードは片手でも両手でも扱える剣ってところだ。取り回しを取るかリーチを取るかだな。」


うーん、それなら片手持ち両手持ちどっちもいけるバスタードソードがいいのか?

でも俺みたいな素人が扱うなら、短い方が扱いやすかったりする…?…正直わっかんねぇ。


「頭で考えてても仕方ねぇだろ。その辺のいくつか振ってみな。」

「あ、いいんですか?それでは失礼して…まずはこれかな。」


ポワンッ


手近にあったショートソードを手に取ると、なにやら目の前にウインドウが表示された。

なになに…【鑑定しますか?はい・いいえ】とな…?鑑定?なんのこっちゃい。

とりあえず『はい』を選択してみるか。 

すると、持っていたショートソードが光を放ち、先ほどとは別のウインドウが表示された。


「!!!」


【鉄のショートソード☆☆☆ レアリティ:2 攻撃力:12 特殊能力:なし】


おっ、なんだかゲームみたいだな。こいつは面白い。


「…おい兄ちゃん。アンタ今、なにやった…?」

「えっ。」

「ド、ドレルさん…?」


ドレルさん、なんか怒ってない…?

…あ、もしかして鑑定って勝手にやったら駄目なやつだった!?!?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ