第1話 目覚め
物語のスタートです!是非ご覧下さい!
あれ……? ここは?
俺は屋上から飛び降りたあと白い光に包まれて気を失った。目覚めるはずない俺は今、目覚めてしまった。
当たりを見渡すとRPGのような洞窟の中にいた。前方に分かれ道が2つあり、後ろを振り向くと青白く光る大きな宝石の塊のようなものがあった。
なんだこれとその宝石の方へと何も考えずに近付いてみると、宝石に反射した俺の顔……と言うか全身が映し出された。
「ばぶぅぅぅう!!??」
なんだこれ!!?? と言いたかったのだが俺は赤ん坊のような声しか出すことが出来なかった。
今になって気がついたが、俺は四つん這いでさらに服を着ていなかった。急に恥ずかしい気持ちになる。
どういうことだ?
俺はおしりを付き、両手で自分のほっぺたを触りながら考えた。
走馬灯? いやいや俺はこんな場面見たことがない。
もしかして死んだのも夢でこれもまた夢?
いやそんなことも無いはずだ。じゃこれって一体……
色んなことをこの小さな赤ちゃんフォルムで考えていると、後ろから足音がした。
四つん這いになり後ろを振り返って見ると、剣を持った男3人に魔法の杖のようなものを持った女が1人こちらに向かって歩いてきた。
「ねぇあれ。赤ちゃんじゃない?」
女が俺を指さしそう言った。すると1人の男が優しそうな顔をして小走りでこちらに向かって来る。
俺の目の前まで来ると男は俺を抱き抱え仲間の元へと戻った。
「最近赤子を育てられない人達がダンジョン内に捨てていくって噂本当だったのか」
「有り得ねぇとは思ってたけど本当みたいだなぁ。まだ生まれてまもないこんなちっさい子どもをよ」
4人は俺をどうするか話し合いを始めた。その話し合いは意外とあっさり解決したようで、
「よし。俺が引き取るよ」
初めに俺を抱き抱えてくれた男がそう言い放った。出来れば魔法使いの女が良かったんだけどな。彼女よりかは劣るが割とタイプだし胸も……ゴホンゴホン。
そんなこんなで俺はこの男に引き取られることになった。
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俺は引き取ってくれた男の家へと連れて行かれた。男の名前はグラディウス・バルコット。妻のラミリス・バルコットとメイドのエイミーの3人で暮らしているらしい。
妻のラミリスはあまり身体が優れておらず、メイドを雇っているらしい。そのせいで子どもも授かることが出来ず、俺を引き取ったということだ。
「いないない……ばぁ!」
「ダメよあなた。こうやってするのよ。いないない……ばぁ!!」
「えははは!!」
「ほーら笑った!」
赤子を演じるのは難しいものだ。
現実世界ではあまりこう、胸やら足やらおしりやらには興味は無かったのだが今になってこう覚醒してしまったらしい。
母のラミリスのお胸はでかかった。
「は、初めての子育てだからな。グラリス。お前はもう大切な家族だ!」
そう言って俺はグラディウス、いや、お父さんに脇を持って抱えられて高く掲げられた。
俺の名前はグラリスと付けられた。お母さんのラミリス、お父さんのグラディウスの文字をとって付けたらしい。グラリス・バルコット。俺はこれからそう名乗っていくらしいのだ。
薄々気が付いては来ていたが……俺はおそらく……
ーー異世界転生してしまったのだ。
そう、いわゆる漫画とかラノベとかによくあるやつだ。
もうこれは夢じゃない。こっちの世界に来て3日は経った。未だに信じられないが普通に生活している。
いいじゃないか。とってもいいじゃないか。二度目の人生だ。二回目くらいは地獄見なくてもいいよな……いや……もう見てたまるか。こっちの世界で……最強になってやる!!
小さいながらも俺はぎゅっと右手を握りしめた。
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ある日のこと。お父さんは勇者パーティのリーダーを務めている。いつものようにお父さんはお金を稼ぐためにダンジョンに向かって家を出ていった。お母さんは部屋で本を読んでいたっぽい。
俺は家の探索をしていた。まだまだ分からないことばかりだからな。
お昼前の午前中。俺はキッチンの方へと四つん這いで探索をしていた。
すると、ぺちゃぺちゃとなにか液体のようなものを触った気がした。なんだこれと見つめていると、
「あわわわわ、すみませんグラリス様〜〜!」
慌てた様子で雑巾を持ってメイドのエイミーが走ってこっちに向かってきた。だが……
ドンッ!!!
エイミーは自分がこぼした液体に足を滑らせ盛大に転んでしまった。
「いてててて……」
ぶつけた腰を擦りながら頑張って俺の方に向かい抱き抱えてくれた。
「お怪我はありませんかグラリス様」
俺の心配する前に自分の心配をしてくれエイミーよ。
そう。メイドエイミーはドジなのである。
エイミーは言葉の話せない俺によく話しかけてきてくれる。エイミーはまだメイド試験とやらを受かったばかりでバルコット家が初めての勤め先らしい。毎日毎日失敗をして俺に嘆いているのだ。
俺は「ばぁぶはぁぶ」と答え、ベイビースマイルでにひひと笑った。俺の顔を見てエイミーはほっとするかのようにため息をついた。
エイミーもなかなか美しい顔立ちをしている。お胸はまぁ……置いといてだな。
「あらエイミー。大丈夫? ものすごい音がしたけど」
エイミーが転けた音で2階からお母さんが心配して降りてきた。
「は、はい……ラミリス様……申し訳ございません! ラミリス様がお食事を作る時なんか楽にならないかなーと色々と片付けやら準備やらをしていたらあのー油をこぼしてしまって……申し訳ございません!」
焦りすぎて2回謝ったよな。てかこれ油なのかよ! 落とすのにかなりの時間がかかるぞ……
エイミーの謝罪を聞いてお母さんは一瞬ぽかんとしていたが「うふふ」と笑って
「大丈夫よエイミー。油はなかなか落ちないからしっかり拭くのよ! その間に私はグラリスをお風呂に入れてしまうから」
お母さんはにっこり笑って優しく受け答え「申し訳ございません……」と何度も言うエイミーから俺を受け取った。
なんていい家族なのだろう。一緒に過ごしていて凄い幸せを感じることが出来ている。
そして俺も今、幸せだ。
読んでいただきありがとうございます!
物語の続きは考えているのですが執筆はまだまだのようです。続きが出るか分かりません。是非ブックマークして待っていてください。お願いします。




