Nanikore
厨二全開小説。
読む価値はないかも。
「なあ、平等って何だと思う?」
場所は高校3階にある男子トイレ。俺と、そいつは隣に並びながら用を足している時に唐突にそいつは言った。
…今いうかそれ。用と足しただけで賢者ぶるな。気まずい空気だからと言ってそれはあまりにも雑な話題のように思えた。
というかお前誰だよ。
このトイレを利用するのは三組と四組くらいなものなのだがこいつはマジで見たことがない。
「えぇ…何?」あまりに困惑し質問の意図を聞く。
「だから、平等って何か聞いてるんだよ」
知ってるよっ!全然聞こえていたよ!それを踏まえてドン引きしてんだよ。
だが、こいつ(馬鹿)には何を言っても通じなさそうだったので適当に答えることにした。
「運動会、みんな一等賞とか?」
「ああ、一緒にゴールするとかか?」
「いや、それは極端にしても最終的にはみんな金メダルもらえるみたいな話だよ。あくまで優劣は自己の呵責に委ねるみたいな。」
「それってみんながベストを尽くせばっていう前提条件が付かないか?」
ベストを尽くす人がいれば、尽くさない人というのもどうしてもいてしまう。
それでつけられる評価が同じなのだからベストを尽くした損のような感覚に囚われ、そのシステムそのものが崩壊してしまうということだ。
「それんってどこかで聞いたことある話だね」
うまく伏せたつもりだが、噛んだせいで丸潰れだ。
「平等も社会主義もあくまで理想の域を出ないと言うことだね。」
「社会主義なんて豊かな今は流行らないよ」
「そうか?少子化の背景にあるのは、お金不足が挙げられるんじゃないか?」
否定できない。
「みんな一番は平等じゃないのかな」
「いや、俺が言いたいのは今日の晩御飯の話だが?」
「え?」
「嘘嘘、平等って不平等だよなってこと」
「存在しないから求めてしまうのかもね」
「それで言うと、今の俺とお前の関係は平等に限りなく近いかもな。お互いがお互いを無意識のうちに格下と決め込んでいるんだから。」
確かに、友達の中でも無自覚のうちに上下関係が成り立っている。…あれ?平等って…?
あれ…なんで俺、名前も知らないやつに論破されてんの…?
「まあ、ここでの話は水に流そうぜトイレだけに」
そんな使い古されたジョークを得意げに言った彼は、女子トイレの方へ颯爽と消えていった。
政治的意図は全くなく、本当に適当に書いた小説です。
女子トイレに消えていった彼はもしかしたら、あなたの学校のトイレにも現れるかもしれません…。