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ソドム・パラノイア  作者: Y
HELL CAN WAIT
95/301

90:ジェノサイド

 メメメスが両目をぎゅっと閉じて、金属の鋭い爪をもつ手を振り上げた。ああ、最後くらい私のこと見てほしかったな……いや、やっぱりいいや。だって()()()()()()()()()()()から。いいよ、閉じたままで。


「あらぁソドム、そんなに簡単に死を選んじゃうなんてぇ、精神汚染進みすぎですねぇ。メメメスもそんなのにつきあったらダメですよぉ」

「ラヴちゃん!」

「人は大きな力の前では、()()()()って安易に決断しちゃいますからねぇ。まるで逃げるように」


 ラヴちゃん、まさか私達を助けに! でも、相手は――――。


「嗜虐の天使リューリーですかぁ。白髪に赤目、そのアルビノチックな見た目も、ロリチックなスタイルも全部作り物ですよねぇ!」

「おまえはなんだ! リューリーちゃんの何を知ってる!」

「ラヴちゃん危ないよ! そいつはSリーグ――――」

「あははは、二人とも勉強不足ですねぇ。ゴモラ69のラヴクラインはSリーグ選手だって、知らないんですかぁ?」


 ゴモラ69のラヴクラ……え、ラ、ラヴちゃんが?


「殴り合いしますかぁ? 私は強いですよぉ?」

「お、おまえもしかして……」

「はい、私がぁ虐殺の愛(ジェノサイド・ラヴ)ラヴクライン6()9()ですぅ! あはは、だっさい二つ名ですねぇ! もうちょっとマシなのつけてほしいですぅ!」


 じわじわと距離を詰めていく二人。はぁ……だめだ、もう…………立ってられない。


「ソドム!」

「ありがと、メメメス」

「……こちらこそ、ありがとう」


 私が()()()()()()()()のは、メメメスが()()()()()くれたから。


「はぁ、なんか素に戻るな……強すぎてエグいぜ」

「うん、ラヴちゃんヤバイね……」


 幼いリューリーを殴る蹴る。為す術もない相手を壁に叩きつけ、踏みつけ、投げ飛ばす。そんな一方的すぎる戦いを見ているのは私達だけ。そりゃそうだよね、こんなのみんな逃げてくにきまってる。叩きつけた壁とか……()()()()だもん。ラヴちゃんの強さは異常だよ。(あれだけされて立ち上がるリューリーも異常だけど。)


「リューリーさぁん、死にたくなければ渡してくださいよぉ。()()()

「うう……もうやめてほしいのだ」


 リューリーが出した小さな機械二つ。きっとあれはSリーグ選手になる時にとりつけられるなにかだ……なぜかそう確信した。


「じゃあ、オリジナルによろしくですぅ」

「おぼえてろなのだ!」


 白い髪を血に染めて逃げていくリューリー……やられっぱなしだったけど、多分あの子もえげつないくらい強いんだろうなぁ。


「さて、残念なお知らせと良いお知らせがありますぅ」


 ラヴちゃんはほとんど傷を負っていなかった。


「えっと……」

「じゃあ残念なお知らせから! メメメス、リドルゴは生き返りませんよぉ。ゴモラ67の一般市民はバックアップもなにもないただの市民。死んだら終わりですぅ」

「そっか……」


 メメメスは()()()()()()()()()()をした。


「そしてぇ、二人はSリーグに上がらなくて大丈夫ですぅ! これができましたからぁ!」


 ラヴちゃんが私に渡そうとしたのは真っ赤な液体の入った――――なんか()()()()()()()の小さな瓶。(両腕がないから受け取れない。)

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