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ソドム・パラノイア  作者: Y
HELL CAN WAIT
93/301

88:化物

 あんなのありかよ……メメメスがそう言ったから、私はこう言った。私が倒してくるからって。


「おい……」


 今日は決勝戦、リングの上で私を待ち構えているのは()()()()()()()


DEATH(デス)()GIRL(ガール)()DEATH(デス)、最初にリングに上ったのはソドム-Yだぁ! いやYはいらない、登録名変更だ! その選手の名前は、ソドム-YからYをとってソドムだぁああああああ!』

「…………」


 エッちゃんがそう話してくれたのかな。


『迎え撃つは体を繋げて一緒にリングに上った感動の双子! ラリアとルリアだぁああああああ!』


 頭二つ、手四本。足は二本。切り落とした二本の足はどこへ行った。


「ソドム! ヤバイと思ったら代われよ!」


 メメメスの右手は新しいのがついた。金属製で、左手の三倍くらい大きい。指は三本で、とても鋭い。紅茶のカップすら持てない、戦闘用の手。


「大丈夫」


 この大丈夫は誰に向けたものだろうか。ああ、私か。


『二人で一人、()()()()()! ソドムは勝てるのかぁ!』


 あ、もしかして私からYがなくなったのは、私が()()()()()()から?


「ちくしょう、何が二人で一人だよ。不公平すぎるぜ」


 なんだか今日は離れているメメメスの声がよく聞こえる。(タッチで交代できるとこにいるから、そんなに遠くないけど。)うん、確かに体くっつけたら二人でリングに上っていいとかメチャクチャだよね。でもなんかこの理不尽な感じ、懐かしいなぁ。


『さて! 試合開始だぁああああああ!』


 やっぱりそうか。手と目が倍あれば、私の腕を掴んで動きを止めてくるよね。でも、ごめんね、私今日は覚悟してるんだ。


『しょ……勝者、ソドム……』


 私は腕を捨てた。思いっきり引っ張ったら取れるくらいゆるくしといた腕を。そうなるようにラヴちゃんが作ってくれたから。はぁ、よかった……()()()()()()もレギュレーション違反にならなかったみたい。


「おい、ソドム……」

「あ、この足? つま先からナイフ出るようにラヴちゃんにいじってもらったんだ。これで首を切り落とす作戦……だったんだけど、()()()になったから()()()()()()できなかったね」

「いや、その腕……」

「うん、腕とかなくなると重心変わるじゃん? だからいきなり両手がとれたら軌道が読めないかなって。確かにこのくらいの改造ならレギュレーション違反にならなそうだし、相手の裏をかけるよね。さすがラヴちゃんだよ。一撃で絶対勝利する方法なんて私では思いつかなかったと思うなぁ」

「そうか、とりあえずお疲れ。見事な勝利だったぜ」


 わかってるよメメメス。私が博士の腕を簡単に捨てたことを心配してくれてんだよね。大丈夫大丈夫、博士がまたつけてくれるから。そんなに気にすることじゃ……、ああ、そっか。私ラヴちゃんに、博士がつけてくれた足も()()()()()()()ってことになるのか。うひひ、ありがとうメメメス、そこには触れないでいてくれて。()()()()()()()()()私に、余計なことを言わないでくれて。

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