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ソドム・パラノイア  作者: Y
HELL CAN WAIT
91/301

86:レギュレーション

 ラヴちゃんは研究室に一人だった。


「あーちょうどいいタイミングでしたぁ」


 ()()()()()()便()()から立ち上がり、ズボンをあげる。なにがちょうどいいタイミングだったんだろう……。


「レギュレーション違反にならない程度の改造、難しいですねぇ」

「違反にならないようにするのが難しいの?」

「いいえ、今度の試合はレギュレーション違反だと思われたら反則負けにされちゃうんですけどね、困ったことにレギュレーションは発表されてないんですよぉ。まったく、悪趣味ですねぇ」


 つまりラヴちゃんはこれから予測で、私を改造――――。


「相手も改造してくるでしょうからねぇ、違反を気にして改造しすぎないのも問題。でも改造しすぎると反則負けになる」


 いつになく、真剣な表情。


「ま、全力で考えますかぁ。もし私のせいで負けになったら、私を殺していいですよぉ?」

「ありがとう」


 私はありがとうと言うしかなかった。()()()()()()()を見せてくれたラヴちゃんに対して。


「大丈夫ですよぉ、私は天才ですからぁ」

「うん、よろしくね」

 

 ベッドに上がり、天井を見る。ああ、博士もこうやって私の体を……作ってくれたのかな。




 目がさめた時、ラヴちゃんはいなかった。代わりにエッちゃんが紅茶を差し出してくれた。


「麻酔、ずいぶんと効いてましたね、夢は見ました?」

「ううん、見なかった」


 ぐっすり、本当にぐっすり眠った。なんだか疲れが全部取れた気がする。


「改造については当日、試合直前に教えるそうです。そのほうが、()()()()()()()使えるかと」

「……うん、よくわかんないけどそれで大丈夫だよ」

「ラヴちゃんを信頼してくれてありがとうございます。ソドム-Y」


 そっか、私にとって博士が大切な人であることと同じように――――――。


「では、勉強しましょう」

「なんの?」

「相手に勝つ方法です。決勝戦ですから、相当な戦いになると覚悟してください」


 そっか、確かにそうだよね。むしろ私、今までなんで相手を研究しなかったんだろう。


「決勝戦の相手は、双子のラリアとルリアです。交代のタイミングも完璧、そして個々での戦闘力も抜群。決勝戦まですべての相手を殺害して上がってきています」

「全部……」

「はい、全て。ダウンを狙うのではなく殺害を目的とした攻撃が主体ですから、ソドム-Y、この戦いは多分あなたにかかってます」


 どういう、ことだろう?


「こんな事言いたくありませんが、メメメスは殺すべき相手を殺せる人物です。ただあなたは、感情的に相手を殺してしまうことはあっても、殺すという判断を冷静に選択できません」

「……言われてみると、そうだね」

「加えて精神汚染の影響で、ナノマシンの動作が不安定。攻撃力が高まっていますが、治癒力が落ちています」


 つまり今までのような戦いはできないってこと?


「考えて戦わないとね……」

「はい。と言いたいところですが、あなたはそこまで()()()()()()が高くありません。それに付け焼き刃では結果は出ないでしょう」

「う……」


 たしかに私、力任せというか強引な所あるもんなぁ……。


「だから……()()()()()()()()()のは気が引けますが……今一度あなたが戦わなければならない理由を思い出してください」


 え、私が戦うのは博士のためだよ? ってなに? ビデオ?

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