77:そして昼過ぎに、嘔吐
翌朝――――。私の調子は落ち着いていた。そして昼過ぎに、嘔吐。それから何も食べれずまた翌朝。そしてそのままあまり食事がとれず、体の重い二日間を過ごして今。
「うーん、予想以上にやられてますねぇ」
「ラヴちゃん……私……」
「本当にこれ、精神汚染だけでしょうかぁ?」
「そ、そんなこと言わないで」
明日は、三回戦。絶対に戦いに行かないといけないんだから、もうこれ以上、怖いこと、言わ……ないで。
「メメメス、明日は一人で出場してくださいねぇ。ソドム-Yはきっと無理ですぅ」
「一人で? そんなことできるのか?」
「ええ、不利になるだけですからぁ、一人出場は認められてますよぉ」
待って……私戦えるから。だって相手はあのクリティカル・ジョニーでしょ? 確か強かったよ? ね。
「メメメス、私もいくからっ……うげええっ!」
「あららら、また吐いちゃいましたねぇ。せっかくジュースは飲めたのに」
結局私は吐き続けて、言いたいことが言えなかった。(吐き終わった時には、なんかすごく疲れちゃってて。)
翌日――――。
「ラヴちゃん! どうして起こしてくれなかったの!」
「起こして? まるで子どもですねぇ」
「子どもだよ!」
「正論! 論破されちゃいましたぁ!」
「だからなんで起こしてくれなかったの!」
私が暴れなかったのは、ラヴちゃんに押さえつけられたから。
「あ、ソドム-J。ちょうどいいとこに、ちょっとかわりにこの駄々っ子を抑えといてくれません?」
「はい、かしこまりました」
「離せぇ!」
ソドム-Jとかいう人はそんなに強くはなかった。そして私は玄関に向かって、逃げるように廊下を走り階段を下る。
「はぁ……はぁ……」
早くドアを開けないと……ラヴちゃんに追いつかれる……。
「はぁ、はぁ……はぁ」
急がないと、試合がはじまっちゃう……。
「はぁ、はぁはぁはぁはぁ」
「行かないんですかぁ?」
「どうしよう……はぁ、はぁっ……怖い」
ここを出るのを誰かが待ってる。凶暴なやつだと私を笑うために。そんなことありはしない、いやあったとしても私にはどうでもいいこと。だって私は博士を……助けるんだ……。
「ねぇ、ラヴちゃん……私……おかしいのかな?」
「ええ、おかしいですよぉ」
「そうじゃなくて、どうしてこうやって突然おかしくなるの? それっておかしいでしょ?」
私より弱い人に笑われるのが怖いなんて、おかしい!
「それは別に。おかしいの普通ですよぉ」
「それっておかしいってことでしょ!」
ゆっくりおかしくなってくなら、止められるはず。なんでこんなに急に、急になるの? 起きたばっかりのときは普通だった。普通だったもん……。
「いいですか、ソドム-Y。壊れるというのは、本人ではどうしようもないことなんですよぉ」
「じゃあ、じゃあどうしたらいいの! 私は博士を助けたい! 動けない私なんて、なんなの!」
「そうそう、私は、昔思ったんですぅ――――」
ねぇ、今はラヴちゃんの話をするときじゃないよ? そんな余裕あるなら……なんとかしてよ、私を……。天才でしょ?




