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ソドム・パラノイア  作者: Y
heaven can wait
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7:戦う理由

 その日私が稼いだ金額は、愛を込めて金を(ラブ・ユー・)放り投げる一分間(マネー・タイム)

で稼いだ¥14,800-と、出場者に一律で払われるファイトマネー¥15,000-なり。はぁ、メメメスに勝ててればもっと……。


「相手があのアイドルとは最悪だったな」

「ごめんね。これだけじゃ博士がほしいカメラ……買えないよね?」

「いや、そんなことないぞ? 少し前に私が買った55mmなんて随分安かったろう?」

「えっと、レンズが黄色くなってるやつだっけ? たしかにあれで撮った写真は綺麗だった!」


 博士は私の頭を優しく撫でてくれた。()()()()()()を珍しく一発で当てれたからかな?


「そうだ、この金でおまえのカメラでも買おう」

「え、私カメラは別にいらないよ」

「そうか、なら何がほしい。そうだな、今度の輸入市は私も行くか」

「本当?」


 博士は私の顔を見て、大きくうなずいた。やった! 博士とおでかけだ!


「うひひ」

「もしおまえのほしいものがあったら買ってやるぞ」

「え、いいよ別に、私は博士に博士がほしいカメラを買ってほしくてがんばったんだから」

 

 本当にそう。だって、私が欲しいものは博士がくれるから。この両腕、リドルゴさんのパン、それに二人の毎日。


「博士、輸入市までに私もう一回試合に出るよ!」

「まぁダメージは少ないようだから構わんが――」

「うん、私ももっと上のクラスに出場できるようになりたいし。ダメかな?」


 私が戦うのには二つ理由がある。一つは大好きな博士のため、そしてもう一つは私自身が戦いたいから。まぁ、そんなに強くないけど、なんていうか、生きてるってかんじがするんだよね。


「お前の本能のようなものだ、私が治せる範囲なら好きにするがいい」

「ありがとう博士! 今度は勝つから!」

「私も頑張って仕事するとするか」

「あ! 博士やっぱり私のお金じゃ足りないんだね!」


 そういうつもりで博士が言っていないのはわかったけど、なんかすねてしまう私。多分稼げてない自分が悔しいんだと思う。

 

「ネガティブに捉えるんじゃない。いいか、¥1,000-あれば¥1,000-のレンズが買えて嬉しい。¥10,000-あれば¥10,000-のレンズが買えて嬉しい。だが¥10,000-のレンズがあれば¥1,000-のレンズがいらないかと言われればそうではない」

「えっと」

「いいかソドム、レンズというのは確かに価格で差がつくものでもあるが、その魅力は必ずしも価格で決まるわけではいのだよ。いいか? これは高ければ良いというわけでも、安かろうが高かろうが価値は自分が決めるものとかそういう単純な話ではなく――――」


 あれ、これ話超長くなるやつだ。


 


 

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