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ソドム・パラノイア  作者: Y
heaven can wait
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5:メメメス

 愛を込めて金を(ラブ・ユー・)放り投げる一分間(マネー・タイム)が終わると、対戦相手の入場だ。だいたい後から入ってくるほうが格上。うーん、勝てるかな。


「真っ赤真っ赤の()コーナーから入場してくるのはぁああああああっ――――」


 私の時は()()()コーナーって言ってた気がするな。(もしかすると、こういうのって勢いが大事で内容は意外とどうでもいいのかもしれない。)


「フワッフワのピンクい髪! キュルルン可愛いおめめもピンク! 夢かわいいその姿はぁああああっ!」


 急に流れ出したファンシーな音楽と、わかりやすい解説。最悪だ……今日の相手は最近人気急上昇中の――――。(そういえば私は入場の音楽がない。)


「キュート可愛い夢かわいいっっっ! 可愛いキュート! メメメスちゃんの登場だぁああああ! さぁ愛を込めて金を(ラブ・ユー・)放り投げる一分間(マネー・タイム)投げろ投げろ!」


 ああ、本当に嫌だ。まさかメメメスと戦わないといけないなんて。ほら、見てよこの()()()の量。開始十秒でモニターは()10,00()0-以()払っ()人だ()が出()る言()だらけだよ。


『メメメスちゃんをすこれ』

『メメメスはいいぞ』

『^^メメメスちゃん』

『メメメスちゃん^^』

『僕が生きていけるのは、今日も君が尊いから』

『夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい夢かわいい』

『メメメスちゃん^^』

『おーい! メメメス! 俺だ! 俺だ! 結婚してくれー!』

『エモ』


 競うように投稿されるメッセージ、一分間で稼いだ金額は『¥689,000-』……すごいなぁ、どうしたらあんなに人気でるんだろ。やっぱりああいうフリフリの衣装着ないとダメかな。うーん、でも私もアリスっぽい衣装だし、やっぱり中身かなぁ……。


「さぁてお嬢さんたち! 緊張の時間がやってきたぜぇ! 押すか押さないかの超二択(スーパーチョイス)! 殺害同意ボタンを押す時間だぁあああああああ!」


 私達の目の前に、メイドさんがゴロゴロと箱が二つ乗った台車を持ってくる。その中にあるのは殺害同意ボタン。いつも博士が、絶対押しちゃダメだって言うやつ。


「視聴者のみんなは知ってるとは思うが、一応説明させてもらおうかぁ! 殺害同意ボタンは両者が押せば今日はぶっ殺試合(ころしあい)! どっちがが押さなければぶん殴り試合だっ! だがだがだが! 押したか押してないかはシークレット! プレイヤーを守るためにシークレットだぜぇ!」


 正直ありがたい。もしこれを押した押して無いが分かるシステムだったら、毎回押さない私の人気なんてあがるわけがないもん。

 と、いうわけで私とメメメスは同じタイミングで箱の中に手を入れ――ってうわ、なんかつられて私もメメメスっぽい手の入れ方しちゃったけど……キャラに合わなくて気持ち悪かったかな?


「おーっと! 結果はNOだ! 残念だったな野郎どもっ! 今日はスナッフビデオの撮影会はなしだぜぇ! おや? メメメスがなんか言いたそうな顔をしているぞ! メイド長、彼女にマイクロフォンを与えてくれ!」


 うーん、メメメスのマイクの受け取り方可愛いなぁ。真似してみようかな。いや、でも私がやったらダメそうだなぁ。


「あのっ……メメメス、頑張ってボタン押したのに……どうしてソドムさん押してくれなかったんですか? 真剣勝負……がんばるつもりだったのに……怖いからメメメスいつも押さないけど、今日はがんばったのに!」


 メメメスは今まで()()()()()()()をしたことはないはず……なのになんでこんなことを突然? え、なになになに? あ、もしかして……。

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