diary「撮影日12/24」
ああ、見えるかソドム。
私はスチル専門だから、動画はあまり得意ではないのだが。まぁいい、とにかくこれは私からおまえに、なんだろうな……まぁいい、聞いてくれ。
いつかおまえはこの街を救うだろう。
そして私の終わりを見るだろう。
頼む、願わくば、その後このビデオを見つけてほしい。そして私をほんの少しでいいから恨んでほしい。
ああ、やはり緊張しているな。どうもかたくなってしまう。まぁいい、そのまま見ていてくれ。
おまえは勘違いしたまま生きるだろう。私から、クリスマスプレゼントに腕をもらったと。だがそれは違う。その腕は、私が切り落とした腕の代わりだ。
私がおまえに与えるのは、そう、今この日記を見ている未来のおまえを苦しませる原因となったナノマシンだ。おまえのそれは、本当に驚くほどの傑作でね、狂姫のナノマシンの数倍の効果を持つ。本当に、本当にすぐれものなのだよ。
今自覚している通り、それはおまえが私を救うために私が作り出したものだ。狂姫が負けた時、かわりに勝者となるべく。
私のことを許せとは言わない。おまえが黒死病に支配されないために両腕を奪ったことを。そしておまえを奥の手として使ったことを。
だが、私を愛することをおまえに教えた私だけは許してくれ。理解してくれないかもしれないが、いやおまえは理解してくれるだろうが、私はおまえに人を好きになることを知ってほしかったのだよ。
だからこそ笑え。
私のために笑え、ソドムよ。
友と生きろ。私のことを、時々思い出して。
気の利いた言葉を残してやれなくてすまない。
ああそうだ、これから何があっても、どれだけ誘惑されても人間の作った工業製品の名前を言うような生き方をしてはいけないということだけ、覚えていてくれたまえ。口にすればコード404の影響で、おまえの脳は痛む。まぁ一時的なもので大した事ではないが、そういう生き方をしては生きづらいだろう。
全く、動画というのはどうも性に合わん。だが悪いものではないな、こうして言葉と映像でおまえに……残してやれるのだから。
ああ、最後に一つ、甘えた言葉を残させてくれ。私が人間判定を通っていながら、おまえと同じように、工業製品の名を口にしなかったのはおまえと同じ言葉を――――――――――――




