39:ハードに白黒つけようぜ
あれ、視界が……モノクロに。
「それがセカンドステージ。わたくしという驚異に攻撃を受けたおかげで、あなたの防衛本能が過剰反応しているのですわ。ほら、わたくしに殴りかかりなさい」
「えっと、えっと、じゃあ……うおおおおおおっ!」
え、避けるの?
「ぐえっ!」
避けた上に膝鳩尾!
「身体能力が向上しているの、よくわかりましたわね?」
いや、こんな対応されたらわかんないですけど。
「セカンドステージは意識的に防御本能を動かすことで、自由に発動させることができるようになりますわ」
え、なんですかその超難しいの。
「で、問題のサードステージ」
「ゴクリ」
なんかこの人、私を怖がらせて楽しんでないかな。全裸で。
「これはわたくしの場合ですが、わたくしの場合はこの機械で強制発動をかけていますの」
「え、えっとら、ら……」
「激痛機械ですわ。常に痛みを与えることで防御本能そのものを破壊、そのぶんを闘争本能の領域に当て――――」
なんかさっき聞いた説明と違う気がするんですけど。というかそろそろ服着ませんか?
「不満そうですわね」
「えっと、つまりこのセカンドステージを使いこなせばいいってことですか?」
めんどくさいので、話をまとめることにしました。
「まぁそうですわね」
「狂姫さんとタッグマッチのコンビを組むためには、それくらいできるようになれってことですか?」
あれ、そういう理由でしたよね……狂姫さんが私を誘ったのって。(なんでそんな驚いた顔してるんですか?)
「あー忘れてましたわそれ。タッグマッチに出たければメメメスとでも組んだらどうですの? 相性良さそうですし」
「いや、私からタッグマッチ出たいとは一度も……」
「ならいいじゃないですの」
なんだろうこの人、本当に頭おかしいのかな?
「とりあえず服着ますわね」
「はい」
そっか、傷隠すために手袋とかまでしてたんだ。真っ黒すぎて今まで気にしたことなかったけど……。
「で、いつまではぐらかすつもりだ狂姫」
「うわ! は、博士?」
いつのまにか博士がすぐ近くに来ていたことに気がつけなかった理由が、狂姫さんの着替えを見ていたからって……なんかすごく悲しいな。
「ラヴクライン。わたくしは優しいんですわよ? あんな事説明できるわけ……」
いや、全裸にタイツと手袋で言われても。ねぇ、狂姫さん、着る順番おかしくないです?
「おまえが説明すると言ったんだろう。……ソドム、おまえのナノマシンは狂姫のナノマシンを分析し私が改良、生産したものだ」
「博士が作ったの! すごい!」
うひひ、私の中に博士がつくったものがあるんだ。って喜んでる場合じゃない! だってこれ、絶対なんかヘヴィなお話来るやつだもん……。




