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ソドム・パラノイア  作者: Y
heaven can wait
39/301

38:ネタバレは全裸でよろしく

 つまり狂姫(きょうき)さんは私にこんなことをやれと……! 無理無理無理! 気が狂いそうなほどの痛みを痛みで上書きし、正気を保つなんて、正気じゃないよ!


「ちょっとソドム、その微妙な顔はどういうことですの?」

「えっと……」

「これは旧型のナノマシンだからぎりぎり成り立つ方法なのですわ。新型のあなたがそんなことをしたら……」

「したら……」


 ぎりぎり成り立つの意味もよくわかんないですけど……。


「死ぬ」

「そうですか」

「だから絶対、ここを目指してはだめですわよ。それに新型のサードステージは精神汚染を伴う。危険すぎますわ」


 気が狂いそうな痛みと精神汚染の境界線ってなんだろうか。


「まったくあなたは馬鹿ですわね」

「え、この話についていけるほうがおかしいとおもうんですが。というか狂姫(きょうき)さん、痛いんですよね……今も」

「痛みなんて我慢すればいいだけじゃありませんこと? 痛いくらいで文句言う方がありえないですわ」


 ありえるよ!


「サードステージ。通称黒死病(ペスト)。身体組織の部分黒化、わたくしの場合は髪と瞳ですわね、それとともに圧倒的な治癒力と戦闘力を誇る」

「はぁ」

「ただあなたに搭載された新型は、その効力が強すぎて――――」

「強すぎて」

「最終的に痛みがなくなりますわ!」


 なにそれ最強なんですけど! いや、そこまでがすごく痛いのだろうけど。


「だからだめなのですわ」

「え、本格的に意味がわからないんですけど」

「痛みは生存の証。痛みを失った時、うーん、なんて説明したらいいかな」


 え、いいかなじゃないよ。急に緩くならないで下さい! あと服、そろそろ着てくれませんか?


「簡単に言うならあれですわ。戦闘狂。もうなんか戦いを求め続けるだけの馬鹿になるってことですわ、永遠に壊れるまで」

「あ、はい。わりとよくわかりました」

「つまりあなたはセカンドステージまでしか使えない」


 うーん、納得できるようなできないような……あ!


「あの狂姫(きょうき)さん、そのペストとかいうのどうやって発動させるんです? 絶対簡単じゃないですよね?」

「ええ、あなたには発動させることも無理だと思いますわ」


 じゃあなんなのだろう、この話。


狂姫(きょうき)さん、そろそろ本当のこと教えて下さい。なんか、大事なこと隠してますよね?」

「はぁ、全く勘の良い子ですわね」


 いや、誰だってそう思うと思うんですけど。


「本当はこういうネタバレはよくないのですけど」

「いや、あの、ネタバレはすでにしてる気がしますが……」

「まぁそうですわね。それにネタバレせず、()()()()()()()()()()()()()()なんてほど私達はヒロイックじゃないですし――」

「ぐえっ!」


 え? なんでこの人今私のことぶっとばしたの? 全裸で。

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