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ソドム・パラノイア  作者: Y
グッバイ、ソドム
293/301

269:私なんかよりずっと強いから

 私の後ろには黒き狂気兇器強姫くろききょうききょうききょうきさん。ニカは、別の場所に連れて行かれてしまった。でも、私は動けない。だって、黒き狂気兇器強姫くろききょうききょうききょうきさんは、私なんかよりずっと強いから。


「あらぁ、ソドムまで連れてきちゃったんですかぁ」

「あ、あの」


 武装した人たちがたくさんいるキャンプ、その中央にあったテントの中にいた女の人は――――アミさんのお店で会った、アミさんとそっくりな顔をした髪の長い女の人。


「お久しぶりですぅ、私は虐殺の愛(ジェノサイド・ラヴ)。ラヴちゃんって呼んでくださいねぇ!」

「じ……ジェノサイドっラヴ!」


 嘘……この人が、反バベル派最大の……一番の大物と言われている……え、じゃあアミさんは?


「気がつきましたぁ? あなたの大好きなアミさんは、私ととても濃い関係があるんですよぉ」

「えっ……えっ」

「あなたがトランプ持ちに抜擢されてからすぐ、私の部下が保護しましたけどねぇ。メメメスさんも」

「えっと……」


 ちょっと待って、頭が追いつかない。でも――今考えなきゃいけないことは――――。


「私達を……ニカをどうするつもりですか?」

「そうですねぇ、まずあの子は、両目が再生するまで休憩ですかねぇ」

「え?」

「私達が、酷いことするような人間に見えますぅ?」


 み、見えました。


「わ、私は……」

「事実を叩き込んでぇ、選んでもらいますぅ。生き方を」

「えっと……」

「全部教えてあげますからねぇ。謎解きを楽しめるのは、小説の世界の中だけですよぉ」


 そういえばこの人、小説家を目指してるんだっけ?


「そもそも、おかしいと思いません? まともじゃない軍隊、そしてアリスダウン以前の記憶がない全人類。全く、そんな世界普通じゃないですよねぇ。()()()()()()()()って考える人が全然いない時点で、どうかしてると思いませんかぁ?」

「た、確かに!」

「ナイスな反応ですねぇ。さて、狂姫(きょうき)。ちょっと出てってくださいねぇ! 私はソドムと二人で話をしますのでぇ」

「全く、勝手ですわね」


 狂姫(きょうき)……さん。あなたのことさっきまでプレッシャーに感じてたけど、今はなんか行かないでって気がするよ。


「そう、あなたはかつて黒き狂気兇器強姫くろききょうききょうききょうき狂姫(きょうき)さんと呼び、戦い方を教わったり、両目を抉られたりした。いい関係ですねぇ」

「ええっ! そんな関係だったんですか」


 ええっ! ほんともう、なんなの! 怖いよ!


「飲み込みが早くていいですねぇ。かつて体験したことの話は」


 疑いたい。そういう気持ちもあったけど、こんなにアミさんとそっくりな顔で、しかも反バベル派の超重要人物から言われたら信じるしかない……よね。(私はこの時、()()()()()()()()()に違和感を感じ始めていたのだろうか?)

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