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ソドム・パラノイア  作者: Y
HELL HATE HARDCORE
291/301

268:両目の思い出

 私の予感は的中。黒き狂気兇器強姫くろききょうききょうききょうきさんは、ニカのベッドの前に立っていた。


「あら、また会いましたわね」

「そ、その子私の友達なんです……」

「そ、ソドムかにゃ! 逃げるにゃ!」

「美しき友情ですわね」


 ニカ、逃げろって言ってくれるの? 自分は縛られて動けないのに。


「あなたのお友達、両目がないんですわね。なんだかとても、懐かしいですわ」

「!」

「あら、ソドム。どうしてそんなにさがっちゃったのかしら? まるでワタクシに、両目を抉られるのが怖いみたい」


 あれ、本当だ。私なんで後ろに……っていうか、今、名前……。


「この子はもらっていきますわね。いい兵隊になりそうですもの」

「待って!」

「なに? ワタクシとやり合うつもりですの?」

「そ、それは……」

「ワタクシとやり合うなら、また、世界の大事に関わる覚悟を決めてもらいますわよ?」


 この人……私のことを知ってる?


「あの女は引っ掻き回すだけ引っ掻き回して、おりたそうですわね。ようやく、ゆっくりカメラを楽しめるとか言って。全く、無責任ですわ」

「あ、あのっ」


 あの女――って。


「あなたの選択肢は二つ。ここで、お友達を連れて行かれるのをただ見ているか、一緒についてくるか」

「だめだにゃ! ソドム、逃げるにゃ! 反バベルの言うことなんて聞いたら――ぎにゃっ!」


 喉に一突き……。すごく加減してたけど、あんなに的確に声を出せなくするなんて……。


「どうするのかしら?」

「……行く」

「そう、なら部屋に戻ってカメラを回収してきなさい。ワタクシの写真を残されるのは困りますわ」

「他の人も撮ってる気がするけど……」


 だって、すごく有名な敵なんだから……私だけが撮影してたなんて、あり得ないよね?


「ふふ、相変わらずひねてますわね。さ、とってらっしゃい」

「は、はい」


 この時私は気がついた。反バベルとか、そういうことは別に私にとっては大したことじゃないんだって。

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