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ソドム・パラノイア  作者: Y
HELL HATE HARDCORE
281/301

258:平和の引き算

 スミレ先生がいなくなった代わり新しい先生が来て、なんだかんだ二週間がたって――――私の毎日は普通に戻りましたとさ。(私にとって、()()()()()()()()()()()()が普通なのかはわからないけど。)でも、リリールと、ニカは……。


「今日までありがとにゃ!」

「いろいろ騒がせて申し訳なかったわ。割り切れないこともあるけど、まぁそうね、なんだかんだ嫌いじゃなかったわよ、このクラス」


 二人は、正規軍入りが決まった。トランプ持ちの人に保護してもらった時に、いろいろ話があったみたいで。だから今日は、お別れ会。


「あー。もう一人、お別れすることになった生徒がいる」


 だ……誰だろ。ベストリーカかな? それともニカの班の誰かかな?


「ほら、落ち着け落ち着け。せっかくクラスから三人もトランプ持ちが出るんだ。しかもこのクラスは、まだハンプティだろ? これはすごいことだ! 誇りを持って送り出そうじゃないか! ほら、拍手!」


 先生に言われて拍手。確かに、幼年学生から一気に三人も正規軍入りなんて聞いたことないよ。


「よし、拍手やめ! ではもう一人、我がクラスから巣立つ生徒を発表する」

 

 先生、来たばっかりなのに()()()()()()()()()()()!(なんか私達を大切にしてくれてる感じして、嫌いじゃないかも。)


「ソドム、前へ来い」

「えっ、えええええええええええええええええええ!」


 私と同時にクラスの何人かが、声を上げた。いや、うん、えっと……えええええええええええええ! うわ、先生めっちゃこっち見てる。間違いじゃ……ないんだね……。


「今朝、要請があった。ご家族には今、報告がいってるはずだ! よし、細かい話は後だ! みんなもう一度、拍手!」


 こんな拍手されたの、はじめてだな。


「うひひ」

「ソドム、嬉しそうね」

「うん、リリールも」

「ソドムも来るとは思わなかったにゃ! にゃはは、面白くなりそうだにゃあ!」

「なによ、私だけじゃ不満だっての?」


 リリールとニカの雰囲気は、悪くない。きっとあの後、()()()()()()()()()()()()んだろう。


「さあ! 堅苦しい話は終わりだ! お前ら準備は出来てるな!」


 先生の合図で、生徒たちが全員立ち上がる。


「こっそり準備した一週間! 俺たちの英雄のお別れパーティーをはじめよう!」


 嘘みたいだな。みんなで一人を殴って蹴って、おもらしさせた教室だとは思えない。(私達三人がいなくなれば、平和になるからかな……なんて、思ってしまったけど、それは違うよね。)

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