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ソドム・パラノイア  作者: Y
Sodom/paranoia
255/301

236:最後の試合

 私と同時、レッドゲートから入場したのはクロリナだった。タイミング合わせて入ってきたのかなって思うと、ちょっと面白い。そしてその会場は……。


「健康サンダル……」


 懐かしの、メメメスと対戦したあの会場にそっくり。ぐるりと囲む六角形の壁。その全てに拳くらいのボツボツがたくさん。叩きつけられたら痛いやつ。


「さあ! 本日の試合は世界最強決定戦! 不死者、世界最強! 神聖なる神使クロリナ・クロリーナと、残忍な気狂いソドムだああああああ!」


 うひひ、世界最強決定戦のわりに実況あんまり上手じゃないね。


「さあ! まずは愛を込めて金を(ラブ・ユー・)放り投げる一分間(マネー・タイム)だあああ!」


 あ、そういうのもやるんだ。


「さぁさぁ視聴者ども! クロリナとソドム、どっちが愛されてるか、金額で示せ――」

「うるせぇぞ!」

「はひっ……」


 え? クロリナがキレたら実況の人変な声出して黙っちゃった! っていうか実況の人って、相変わらずどこにいるかわからないね。


「ソドムソドムソドム、おまえここになにしに来た?」

「バベルに……のぼりに……だけど」


 この空気の重さは静かになったからじゃない、クロリナが私に殺意を向けてるからだ……。


「なるほどねぇ。アリスダウンも起こしてるみたいだし、まぁいいんじゃないかな」


 あれ、これ戦わないパターン?


「で、なにしに行くの?」

「博士を……止めに」


 多分……そういう理由だよね、私が今ここにいるのって。


「ごがっ!」


 な、なんで私壁に叩きつけられて……、クロリナはあんなに遠いのにっ……なにも投げられてないのにっ……。


「大戦兵器、見えざる怒り。ステルス兵器ってやつだねぇ」


 大戦……兵器って……。


「次はこれかなぁ?」

「うわっ! このっ!」

 

 距離詰められた、右? 左? なにが来る?


「遅いよ。君、メメメスを食べなかったね?」

「ぎっ!」


 わ、私の耳を食いちぎって……食べた? よし、耳はすぐはえた! うん、私今すごい速さで再生してる! これなら簡単に倒されない!


「大戦兵器、飢餓の獣。まぁ私は、ダダドゥディエダガドダダディスって呼ぶほうが好きだけどね」

「な、なにそれ」

「食うことでエネルギーをチャージする。食いすぎると糞を出さないといけないんだが、君は栄養ありそうだし、いいよなかなか」


 今日のクロリナ――――雰囲気が違う。前と違って、遊びがない。


「君さ、ラヴクラインを殺す可能性が高いよね」

「え……」

「だから殺すよ。ここで」


 来るっ!


「ふぅん、やるじゃん。アリスダウンは伊達じゃないのかなぁ? いや、その腕かな?」

「はぁっ、はぁっ」


 拳を受け止めただけで、身体が壊れそう。いや壊れて治ったのかな……。うひひ、やっぱりこの腕、頑丈だ。腕だけはびくともしないもん。


「君はさ、めちゃくちゃ強いよ。本当に」

「ごぶっ!」

「回復力も異常。それだけ速ければ――」

「がっ」


 あ、頭が割れ……。


「やっぱりね、そうだよねそうだよねそうだよね。これだけ速ければ頭も戻せるかぁ。すごいなぁ」

「ごっ!」

「君を殺すのは難しそうだ。なにを使えばいいかな?」


 な、なにその腕……開いて中に……レンズ?

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