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ソドム・パラノイア  作者: Y
Sodom/paranoia
245/301

226:化物対策

「ぐうっあ!」


 お腹に穴っ……が。内臓が後ろに……なにこの銃っ……。


「完全オーダメイドのマシンピストル、アルテミスの矢。圧縮率ガチガチの弾の連射に耐えうる化物拳銃! 本物の化物専用の化物さ!」

「ふぐっ、あっ……あっあっ」


 化物化物うるさいよ……みんな似たようなものでしょ。


「ちぎれずにつながってる部分は中に戻ってくのか……。ねぇ、君の治り方、グロすぎない? そんなグロい身体で、恥ずかしくないの?」

「ひんぐっ!」

「あはは! やっぱりちぎっちゃえば戻らないんだね! じゃあなに? 足りなくなった部分は作ってるの、膨れてるの? ああ、やっぱ気持ち悪いなぁ」


 なんかすっごく()()()されてるね。でも甘いよ? 内臓ぶっとばされたおかげで、お腹の中の毒の弾が外に出てちょっと意識が楽に……。


「はーい! 毒のおかわりですよぉ!」

「ぐぎいっ!」


 うああっ……甘いのは私っ……か……。


「こっちは市販のショットガンのカスタム品! 弾は君の体にいい感じにめり込むように威力調整した、特製散弾さ!」


 ああああっ、お腹が焼けてるっ、内側から……。


「君の体内は毒による破壊と再生を繰り返す。ははっ! 地獄だろうね! 金属製の毒は簡単に消えてくれないからねぇ!」

「はぎっ……ぐうぁああっ! あっあっ!」


 意識が、トゲトゲしてる……うう、あっ、だめだ、痛みにのまれっ……。


「特に君はさ、頭と胴体と左足だけしか生の肉体がないから、すぐに()()()()()()()()()()いいね! 弾の節約になるよ」


 私の中に濃いっ……毒が、あ、る、か……ら。


「君は痛みに強い。あ、それ!」

「ぐああっ!」


 また内臓をぶっ飛ばされっ……。 


「あはは! やっぱりアルテミスの矢の反動は最高っ! そして毒のおかわーり! どれだけ食べるんですかぁ? 食いしん坊さん」

「ひぐっあああっ」


 内臓を吹き飛ばされると、一瞬意識がはっきりする。そして、毒を追加されると頭と目がチカチカチカチカ。激痛が全身を駆け回り、駆け回り、駆け回る。


「僕は悩んだ。どうすれば痛みに鈍感な馬鹿女をこらしめることができるかって」

「んあああっ! ぐいぎぎいいいっ!」

「血液だよ! 血液に毒を流し込めば頭にも回って思考が狂う! そのためには全身に弾を打ち込む必要がある! ああ、散弾を使おうってね! 単発だと君、抉って取り出した前例があるしさ。まったく君は行動も化物だよね! 気持ち悪いなぁ!」


 あ、あ……なんだろ……虹? 虹なのこれ……視界が、虹。いや、飲まれるな! 体が動かなくても、やれることはっ……せめて、相手を見ろ! 目をそらすな、苦痛から! 苦痛は、苦痛を()()()()()()()()()利用しろ!


「その目……、君はこんなことされながらも、僕を殺す隙を探してるのかい? でも、何度も体を壊し続ければ、そのうち心も折れるよねぇ!」

「ぐぎゃあっ!」

「さあ、諦めろよ! クロリナ様から手を引けよ! 僕はねぇ! クロリナ様のものなんだよ!」


 ひぎっ……ぎ。だめだ、だめだ……完全に対策されて……いや、だめっ、ここで負けたら……私はっ! 動け、手が動かないから口をっ、動かせ!


「あ、あのさっ……んぎっ! クロリ……んああっ!」

「喘ぎながら喋るなよ。不愉快だよ」

「ぎゃあっ!」


 なんとか煽って強い方の銃で撃たせなきゃ。あれを三発撃たれれば、多分動けるくらい毒が身体から出ていくから!


「ほらほら、もっと苦しめよ! クロリナ様を誑かした罪を償えよ!」

「ぐぎいいいいいいいあああああああっ」


 だめだ、交互に撃ってくる。だめだ……だめだだめだ、別の作戦を……別のっ……生き残り方を!


「馬鹿女馬鹿女馬鹿女ぁああ! あはははっ! きもちいい! 強い反動っ、弱い反動っ! 交互にバンバンきもちいぃぃいいい!」

「ぐあっ……あっあ……」


 私の周りは真っ赤。肉と血で真っ……あ……私の身体から離れた肉はたしか……短時間なら、他人も治療できるはず。ならメメメスの傷に、私の内臓がかかれば……。

 

「どこにいくつもり? メメメスの近くに這いずっていくのは禁止だよ?」

「ぎあああっ!」

 

 ふぎっ……他になにか、なにか……なにか手は……ああ、私って、手ないんだっけ? 昔から。この両腕は博士がくれた後づけだもんね……。

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