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ソドム・パラノイア  作者: Y
Sodom/paranoia
230/301

211:銃弾

 とっさに体が動いた。


「危なかったね」


 はっきりと見えた銃弾。狙われてたのはこの男の子――違う、これはこの子を狙えば、私が動くと読んだ攻撃だ。


「手がっ……!」

「大丈夫、このくらいの傷すぐ治るから」


 びっくりするくらい一瞬で、セカンドステージ……いや、髪が黒くなったからサードステージかな? ああ、なんかいちいち髪の毛の色確認しちゃう癖ついちゃったな。(余計なことを考えるのは、暴走するのが怖いからかもしれない。大丈夫、今回は大丈夫、男の子を殺したいなんて思ってない。)


「ほら、見て綺麗に治った。うひひ、すごいでしょ?」

「ほ……ほんとだ、すげぇ」

「でしょ? だから私の言う事聞いてね」


 攻撃の雰囲気が、宿で襲われた時に似てる。つまり、コード404の絶対防御は通用しない相手。


「髪も……すごいな」

「うひひ、気持ち悪いでしょ?」


 金色の髪はもう真っ黒。ああ、肌にも黒い斑点が……。


「かっこいい!」

「そ、そうかな――つっ!」


 いきなり褒めるから油断しちゃったじゃん! いてて……。弾めりこんじゃったな……このまま治ると困るから、ほじくり出さなきゃ……。


「んぅう……」

 

 指を突っ込んで……いいい……嫌な感触。はぁ、ナノマシンが勝手に体の外に出してくれればいいのに。


「痛いのか? ほんとに大丈夫なのか?」

「大丈夫だから前に出ないで!」


 もっと建物に近づいて。この子を物陰に隠さなきゃ。


「ソドム。待たせてすまねぇ。この子は私が避難させる、いけるか?」

「メメメス!」


 ナイスタイミング!


「リューリーはまだダメだ」

「うう、私のせいだ……」

「まぁその話は後だ、私もすぐ追いかける。撃ってきた方向はわかるな?」


 私は頷き、一気に走り出す。メメメス、その子を頼むね。とってもいい子なんだ。


「いた!」


 屋根の上、キラッと光ったのは、()()()()()()()()


「てぇええええい!」


 私が力を入れて跳べば、余裕で屋根に手は届く。その手を軸に体を回して、軌道を読ませるな。


「たあっ!」


 まずは銃を蹴り飛ばす。鈍器として使われたら、間合いが取りにくいから。


「あなたは誰! なんで私を狙うの?」


 はい、ガン無視ですか……。装備的に軍隊の人かな? うわっ、ナイフ出した。


「私強いからね。痛くても知らないよ?」


 リディアさんの部隊の人たちがつけていたような、()()()()()()()()()()()で顔は見えない。目の部分のガラスには、私が映ってるけど……向こう側が見えないのは特殊なコーティングのせい。これじゃ目の動きは追えない……あ、もしかしてこのマスク、通信機内蔵してる? 仲間がいる? それとも一人?


「うわっ! っとっとっと」


 ナイフ使いなれてるな……。動きも速い。うん、とりあえず不安定だから屋根からおり――――逃げられたらマズい、ここでやるしかないか。


「ならっ!」


 屋根を殴って壊したら、相手の動きを止められるはず…………いや、この家も誰かが住んでる大事な……。


「つあっ!」


 うう、さっきの男の子の話を思い出して躊躇しちゃった。冷静になれ、冷静になれ。私のほうがきっと強い。


「よしっ!」


 いい感じ! いい感じに蹴りが入った! 二撃目でナイフも落とさせたぞ! よし、よしっ! このままいけ、私!

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