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ソドム・パラノイア  作者: Y
Sodom/paranoia
226/301

207:うわぁ出たぁ

 うわぁ出たぁリューリーだぁ! と、町の人は逃げていく。残っているのは私達、そして状況を理解できない一部の観光客だけ。(こういう人たちが簡単に死ぬんだよね。)


「ソドム、ひさしぶりなのだ!」

「うん、ひさしぶり。じゃあね」

「待つのだ!」


 リューリーに腕を掴まれる。あれ? 前より強くなってる?


「こんなところでなにしてるのだ」

「え、列車旅」

「そうかそうか、楽しむといいのだ」

「うん、じゃあね」

「待つのだ!」


 私は思わず笑ってしまう。そしてそれを見てリューリーも笑う。


「はぁ、相変わらず切羽詰まった顔してるのだ。ちょっと気晴らしに私とそのへんのやつでも……」

「殺さないよ? でも気を使ってくれてありが――」

「ぐえっ!」


 簡単にまとめると、私がお礼を言いかけたところでリューリーがメメメスのスカートをめくって、ぶん殴られました。以上。


「なにするのだ!」

「それはこっちの台詞だ! っていうか石頭だな……拳が痛いぜ」

「殴るから痛いのだ! 自業自得なのだ!」

「おまえがいきなりスカートめくるからだろ!」


 うん、メメメス正論。


「で、リューリーはなんの用?」

「リューリーちゃんと、してほしいのだ」

「なにを?」


 いや、なにをしてほしいか言ってもらわないと困る。


「すると言ったらひとつしかないのだ!」

「はぁ? そんなのだめに決まってんだろ!」

「うるさいぞピンク! おまえは関係ないのだ」


 怒ったのはメメメス。うーん、謎展開。でもまぁ、なんか私は微妙なことを要求されてるってことだよね。


「えっとごめんねリューリー、よくわかんないけどヤバそうだからやめとく」

「ひどいのだ! リューリーちゃんは、おまえを気持ちよくしてあげようって話をしてるだけなのだ!」

「え、気持ちいいの?」

「そいつの話にのるなソドム!」

「だまれピンク!」


 うーんメメメスとリューリー、相性悪いね。


「そもそもしたくなったのは、おまえのせいなのだ。リューリーちゃんはおまえの狂った瞳が忘れられないのだ。だから――」

「私狂ってないよ!」


 唐突に失礼だね! あれ、メメメスここでは怒らないの?


「だからリューリーちゃんと――」

「ダメだって言ってんだろ!」

「なんでおまえが決めるのだ、このピンク()ビッチ! おまえはソドムの恋人かなんかなのだ?」

「ばっ……ちげぇし! そ、それに誰がピンクビッチだ! この白チビ!」


 えーっと……そろそろ列車に戻ろうかな。


「ソドム、おまえはどっちの言うことを聞くのだ!」

「ソドム、おまえはどっちの言うことを聞くんだ!」


 そんなこと言われても。


「ああああもうムカつくのだ! このピンクソビッチ、勝負しろなのだ! 勝ったほうがソドムを好きにするのだ!」

「ああ、やってやるよこの白チビが! あと私はビッチじゃねぇよ!」


 えーっと、どっちが勝っても好きにしないでください。

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