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ソドム・パラノイア  作者: Y
Sodom/paranoia
210/301

191:ディナーショー

 夕飯ができた。その言葉で私とメメメスは、一度別行動をすることになった。メメメスはゲェムの勝ち方の解説を続けるために地下で、私は「退屈でしょう」と地上で食べることを勧められついていく事にしたから。


「はぁ、なんか涼しい!」

「地下は湿気がこもりますからね、あれだけ白熱したら汗臭いでしょう」


 言われてみると確かにそんな気が……。なんか私、そういう生っぽい匂いになれちゃってるのかな? 


「じゃあこのサラダを食べて、お待ち下さい。他のものは順番にお持ちしますので」

「あ、はい」


 テーブルにもお店の中にも私一人。なんか悪い気がするなぁ……ってこのサラダ色とりどり! なんだろこの白っぽい透き通ったの?


「んあっ」


 ちょっと、辛い! でもいい! 鼻を通り抜ける感じ、悪くないよこれ!


「んあっ」


 他の野菜と一緒に食べるとさらにいい感じに……。辛い野菜の力、すっごい!


「ん? 本当にそうなのかな?」


 サラダって野菜だけ? それとも野菜以外を入れてもサラダなの? うーん、美味しいからいっか。


「お味はどうですか? あ、よかったらこのドレッシングも」

「あ、はい。どうも」


 スープを運んできてくれたついでに、サラダにドレッシングをかけてくれるなんて、いたれりつくせり。なるほど、私がさっきサラダに感じてた喜びは、ノードレッシング状態だったのか。はっ! まさかあえて素材の味を楽しませるために、最初はノードレッシングに……むむむ、やるな……。


「んんんんん!」


 ドレッシングの甘み+香り+野菜+ちょっと辛い野菜=複雑なるシンプル!


「はぁ、これきっと良い野菜、グッド野菜だよ……あれ?」


 なんかこのドレッシング……あ、ああああああ!


「ひき肉入り……」


 なるほど、だから野菜的ではない風味が……。さて、お次はスープを……。


「こちらも肉入り!」


 小さいお肉が浮かんでいる。いや、まぁ小さいって言ってもひき肉ほどじゃないけど。よし、あえてこれから食べてみよう。


「ふむ、これはまぁまぁかな」


 ちょっと歯ごたえありすぎ? 味がスープに流れちゃったのかな? あ、もしかしてダシ? ダシをとったってやつじゃない? これ食べちゃいけない肉? よし、汁を飲んでみよう。


「うーん」


 なんかちょっと臭みがあるというか、汗臭い感じというか……独特の味つけだね。なんか地下室風味って感じ。でも、でもっ! ここで飲むのをやめたら、食の道は開けないですよソドムさん!


「では、もう一口」


 なるほど、なるほどなるほど。これはあえてこの味なのね。何回か口にするとだんだん良くなる。うん、良くなっていくね。


「ふむふむ」


 舌の上にスープを滞在させると、臭みだと思っていたものが旨味に変わる。なーるほどなーるほど! なーるほどなーるほど!


「通だね!」


 うん、通だねこれ!

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