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ソドム・パラノイア  作者: Y
diary/six+1/song
203/301

diary:START:photo

 私の金属の右足に、決勝戦前にラヴちゃんが取りつけたあのナイフ。足の中にしっかりと仕込まれているものだと思っていたけど、意外と簡単に取り外せる()()()()()()だった。そのナイフが私に教えてくれたことは、人は意外と自分の足の裏を見ないってこと。


「暑いな今日」

「うん、そうだね」


 メメメスを連れてきてよかったんだろうか。もうクローンはないのに。これがメメメスの本体なのに。いや、連れてきてもらったのは私のほうかな……。(メメメスの車はどんな道でもよく走る。)


「それ、なんだ?」

「写真だよ」

「いや、まぁそれはわかるけど……ってこれ、博士が写ってるのか」


 ナイフを取り外した時に一緒に出てきた、折りたたまれた写真。これは、私が撮った博士の写真。はぁ……ラヴちゃんの裏をかいたつもりだったけど、こんなもの入れられてるなんて。あ、そういえば博士がくれたカメラ、ドクターにあずけたままだったな。(そんなことも忘れていたなんて。)


「おい、待てよ」

「え?」

 

 この写真を持ってると、心に良くない。破いて捨てようとしたら、メメメスが止めた。


「もしかしたらさ、博士とおまえ……仲直りできるかもしれないよな。だったら今それ破っちゃったら、()()()()()するんじゃないか?」

「ふふ、あはは。メメメス変なこと言うね。うん、うん、わかったよ。とっておくよ」


 また折りたたんで、ポケットの中にしまって、ボタンをしめる。こんな入れ方したら、()()()()()()()()()するかな? まぁその時は仕方ないか。


「そういえばもうアリスの服は着ないんだな。髪も結んでるし」

「うん、これ私用にリディアさんが作ってくれた服なの。戦いやすいんだよ?」


 そう言うメメメスも、もうピンクの可愛い服じゃない。地味な色で動きやすそうで頑丈そうな、長袖長ズボン。あ、髪も私と一緒の感じで後ろで一つに束ねてるね。(そう、私達が向かう先は試合じゃないから。)


「ラヴちゃんってさ、ほんと、なにがしたかったんだろうね」

「さあな」


 メメメスは相当強くなっていた。ラヴちゃんが開発した身体強化用ナノマシンを、体内に入れてもらったらしいから。ただ、私と違って傷は治らない。でも、私が()()()()()()()()()()()()()()、メメメスのほうが強い。都市Zを出て数日、二度出会った()()()()()()()()()()()との戦いでそれはよくわかった。(そして私はなんとなく思う、このすごい性能を持つナノマシンは、本当は狂姫(きょうき)さんのために開発されていたものなんじゃないかって。)


「ソドム、これからは私がおまえを守るから」

「うひひ、前もたくさん守ってくれたよ」


 相手が誰だろうと、私たちには関係ない。Sリーグ選手の私、そして人間判定通過者のメメメス。前に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、コード404で止められることはない。(まぁ、バベル()余計なことしなければだけど。)


「強くなっても人間判定は外れないんだね」

「生まれもっての外都市住民の場合はそうらしいな。まったく、ひでぇ特権階級だぜ。存在自体が最低だ」

「最低じゃないよ、だってメメメスがいたから」


 外都市住民は全員、人間判定通過者らしい。あれ? そういえば博士も人間判定通過者だって言ってたよね。ま、博士はラヴクラインだし別格か。つまりラヴクラインは、一番の特権階級なのかな。じゃあ私はなんだろね、うひひ。


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